麻雀のルール 付加的なルール

麻雀のルール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/05 01:41 UTC 版)

付加的なルール

上記のようなルールに、さまざまなルールを追加することがある。いずれも基本的にゲーム開始前に取り決めを行うが、家庭麻雀などでは細かなルールについてその場その場で確認されることも少なくない。

オカ
終了時に最も得点の多かったプレイヤーに加算されるボーナス点である。配給原点原点の差がこれに充てられる。
ウマ
終了時に順位に応じ点をやり取りする。4位の者が1位に、3位のものが2位に支払うなど。
割れ目
特定のプレイヤーの点数授受を倍にする。
焼き鳥
終了時に一度も和了れなかったプレイヤーがペナルティを支払う。
責任払い
特定の役で和了り、その役を確定させた副露があった場合に副露をされたプレイヤーが余分にもしくはすべての点数を支払う。

基本的マナー

不正行為は論外だがそれ以外にも麻雀では基本的に行うことが推奨される、もしくは守るべきマナーがある。雀荘や競技麻雀の場では厳しい場合が多いが家庭麻雀など知己の者だけの場合は親交を深めることも大きな目的であるため、目くじらを立ててことさら厳格にするよりもその場の雰囲気を壊さず楽しめるよう各自が折り合いをつける方が良い。また近年ではコンピュータ麻雀でしか経験のない競技者も多く、そういったプレイヤーを卓に誘う場合はマナーの面でも面倒を見るといったことも必要である。

避けるべき行為

三味線
この場合の意味は「紛らわしいこと」。特に自分の手牌の内容について、会話や独り言で他家に聞こえるようにしゃべり、他家の判断に影響を及ぼそうとする行為が大半を占める。これを口三味線を弾くと言う。欺瞞的発言など、その程度によっては重大なマナー違反と見なされる。口三味線以外にも、特にリーチ後などに全く関係ない牌で迷ったふりをする手三味線がある。
先自摸
上家の打牌を全員が確認する前に自摸牌に触れる行為。打牌が完了する前に手を伸ばすことも、他家の視界を遮るので避けるべきである。競技麻雀などルールに厳しい場では不正行為としてペナルティが課せられる事もある行為である。
強打
打牌やツモ和了宣言、副露などの際、牌を卓に強く打ちつける行為。牌の損傷や衝撃で牌山が崩れることで対局に影響を与える上、強打そのものが威圧行為に当たる。
引きヅモ
ツモ和了の際、ツモってきた牌を卓の縁にくっつけること。くっつけること自体が引きヅモに当たり、その際の強弱は問わない。
長考
行動選択時に、即座に決定・実行しない行為。鳴くか鳴かないか迷う、あるいは捨てかけた牌をまた引っ込めて考え直すなど他家を待たせる・焦らせる・ペースを乱すなどの行為もこれに含まれる。麻雀は制限時間が明確ではないが、平均3秒以内・迷った時でも5秒程度でテンポ良く行動することが望まれる。
和了や副露を行う素振りを見せる行為を「腰を使う」と言う。ルールとして腰を使った牌やその周辺の牌での出和了りを禁じることや、腰を使った牌を副露することを義務づけることもある。
見せ牌
故意、過失を問わず、手牌の一部や牌山の一部を見せてしまう行為。ルールとして見せ牌した牌やその周辺の牌での出和了りを禁じることもある。
ゲーム中の批判
他家や観戦している人の麻雀を批判する行為。フリー雀荘など他人同士で打つ場合はもちろんのこと、知人同士の場合でも重篤なトラブルの原因になる。ただし、不正行為と紛らわしい行為を指摘するのはこれには含まれない。
勝ち負けの感情を態度に出す
勝っている時に気分が良くなりすぎるのは相手をいらつかせることになりかねない。負けている時にも周りに気を遣わせてしまう。
小さい発声
他家全員が確認できるもののみがルールに従った発声である。リーチは発声で成立するため、他家が確認できなかった場合、ただ牌が横を向いてしまっただけと認識され、特に一発で出た際などはトラブルになりやすい。また、多くのフリー雀荘ではポンとチーが発声優先なので、他家に認識されない発声では鳴きが認められない場合がある。
利き手でない手を卓上に出す
特に摸打を別の手で行うと紛らわしい上、不正行為を疑われることもある。ただし、理牌は両手を使ってもよく、倒牌は両手を使うべきであるとされている。片手で牌を倒す行為を「片手倒牌」と言い、フリー雀荘では禁止行為とされていることが多い。しかし、理牌や倒牌も片手で行う様に指導している雀荘もあるため、事前に確認しておく事が望ましい。また、裸単騎の1枚しかない手牌を両手で倒すのはやり過ぎ、あるいは不正行為に繋がりやすいとして嫌われやすい事にも注意が必要である。
ツモ牌を手牌の中に入れてから捨牌をする
捨て牌に時間がかかる。ツモ和了の際はどの牌をツモったか分からなくなる。(ツモってきた牌は通常、ゲームの進行をスムーズにするために、手牌から1牌切るまで手牌の右横に置く。それが和了のツモ牌であった場合、並べた牌の右横に倒した状態で置く。)
小手返し
不正行為を疑われるというのもあるが、牌どうしがこすれて音が立つためである。また、他の対局者や視聴者に対して公開されるべき情報である手出しかツモ切りかを分かりにくくする行為でもある。
その他通常のルール上問題ない行為について
通常のルール上は問題ない行為ではあるが、裸単騎大明槓アガラスなどといった行為について、雀荘や団体などによっては、みっともない行為としてマナー違反としたり、厳しいところでは禁止したりしている場合もある。

行うべき行為

他者への配慮として行うべき行為である。ただしあまり細かいことまで他者に強制するとそれを負担と感じるプレイヤーも多く、要請する態度などにも注意が必要である。

六枚切り
捨牌を1列に6枚ずつ並べていく並べ方。6幢切り(ろーとんぎり)とも。日本で一般的な四人打ち麻雀では、副露がなければ1局は17巡~18巡で終局となるので、捨牌を整然と6枚切りにしておけば、誰が何巡目に何を切ったか分かりやすくなる。
サイコロを片付ける
サイコロを振った後、親がそのサイコロを自分の右前に揃えて置く。片付けてサイコロを無くさないようにすることと現在の親を明示する効果があるが自動麻雀卓ではその構造上、サイコロは散らからないので片付けの必要はない。
牌山を前に出す
自動麻雀卓も山があらわれたら前に出すべきである。元来は平行に前に移動させており、近年までは卓の広さの問題からツモる部分がより前に出るよう、右側をより前に少し斜めにして出すことが多かった。AMOS ULTIMAという配牌と山を別にセットする全自動卓が普及してからは広さの問題が解消され、平行に山を出すように回帰している。
嶺上牌を降ろす
崩れやすい上にゲーム展開に大きく関わることのある牌である。ドラ表示牌をめくるより前に降ろす。
理牌倒牌
和了時には手牌を理牌した上で、ツモ牌は手牌に入れない。特に後者を怠ると平和役や待ち形の符を認められないこともある。
両手倒牌
倒牌は両手で行うのがマナーである。但し、裸単騎の場合は片手で行うよう指導する場合もある。
点数申告
和了者が自分の点数を計算・申告し、他家から異議が出なければその点数が有効となる。間違って点数を少なく計算・申告しても和了者が損するだけなので他家から異議が出ないのが普通であり、その少ない点数が有効となる。麻雀店などにおいて点数計算のできない客が断られることは少ないが、自分の責任を他人に任せるならばそれなりの態度をとるべきである(点数計算が分からないからと言って他者に任せていると、少なく計算されて損していても自分には分からない)。また、必要な申告は点数であり、あがる度にいちいち役を申告するのはマナーに抵触する。(雀荘によっては確認のため、役の申告をすすめる場合もある。また、点数計算に自信がなく、他者に任せる場合は積極的に役を申告すべきである。)また、ツモった場合は子の点数→親の点数と申告するのが適当である。多くのプレイヤーは点数を語呂合わせで覚えている(3900→ザンク、7700→ナナナナ/チッチー、500/1000→ゴットーなど)が、申告の際は「ナナセンナナヒャクです」と数字で言うのが望ましい。積み棒を含める場合は、「2000(の1本場)は2300です」、「1300/2600(の3本場)は1600/2900」、「3900(の6本場は)は4500オール」のように言う。

日本以外のルール体系

麻雀は国ごとに独自のルール体系で遊ばれており、日本ルールとは大きく異なる。麻雀の全世界的な統括団体は実質的に存在しないので、国際的な統一ルールは今のところ定められていない。

中国麻雀

中国のスポーツ管理機関が麻雀を体育種目として公認したのを受けて「国標麻雀(国際公式麻雀ルール)」と称したルールが制定され、このルールに則った国際大会などが多く開かれている。日本のリーチ麻雀と並び多くの国の麻雀協会が「国標麻雀」を採用しているが民間に普及するまでには至っていない。中国国内でも地域によって四川麻雀中国語版広東麻雀中国語版太原四つ立ち麻雀中国語版南昌麻雀中国語版など、さまざまなルール体系が存在する。

台湾麻雀

手牌を16枚で行うのが特徴的。

アメリカ麻雀

NMJL(全米マージャン連盟)によって毎年役が変更される。また七対子、緑一色はアメリカ麻雀が発祥といわれている。


  1. ^ ヨーロッパ麻雀協会 (2008年5月14日/2012年1月8日). “Riichi Rules for Japanese Mahjong - ヨーロッパ麻雀協会編リーチ麻雀ルール”. 2012年7月1日閲覧。
  2. ^ 2008ヨーロッパリーチ選手権結果
  3. ^ a b c d 佐々木寿人『ヒサト流 リーチに強くなる麻雀入門』成美堂出版、2012年。ISBN 9784415312231 p120-p121。





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