鈴木敏文 座右の銘

鈴木敏文

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 01:04 UTC 版)

座右の銘

座右の銘は「変化対応」である[18]。中学1年の時に太平洋戦争の敗戦を経験し、戦争には勝つと思っていたのが玉音放送の1日で全てが覆った。社会は変化するから適応していかなければならない。しかし、どう変化するかは常にわからない。だから他人に依存せず自分を大切にすることが出発点になる、と考えている[19]

鈴木は、セブン・イレブン創業の頃から1,300回以上を超える毎週1回の全体会議の中で、変化に対応することの重要性を繰返し、強調し続けてきたという。著書では、「お客様のあっての商売は、お客さまの存在を絶対に忘れてはいけない」のが原点で、そのお客さまのありようが常に変化していることから、「自分を変えることによって、お客様の変化に対応していかなければならない、そこが私たちの最大の課題です。」と述べている[20]

セブン&アイ・ホールディングスの役職を退任

2016年2月15日、鈴木はセブン-イレブン・ジャパン社長の井阪隆一に対して退任を内示。一旦は井阪から了承を得た。しかし、後に井阪が態度を変える。鈴木は3月に取締役候補の指名・報酬委員会を設置、ここで社長交代を提案する。しかしセブン-イレブンの業績が好調であったことなどから、同委員会委員を務めていた社外取締役の伊藤邦雄一橋大学特任教授及び米村敏朗警視総監が反対[21]。鈴木は社長交代案を取締役会にかけることにした。

取締役会での採決方法は挙手を予定していたが、社外取締役から異論が出て無記名投票に変更。取締役会の雰囲気は一変する。投票結果は賛成7票、反対6票、白票2票。賛成が総数15票の過半に届かなかったため否決された[22][23]。同日記者会見を開いた鈴木は引退を表明。「反対票が社内から出るようなら、票数に関係なく、もはや信任されていない」旨を述べた。創業家伊藤雅俊名誉会長との確執も示唆した[24]。引退表明を受け、セブン&アイは当初、鈴木に「最高顧問」の肩書で名誉職を用意する方針であったが、社外取締役や井阪隆一が難色を示し、調整の結果、名誉顧問に就くことになった[25]

著書

  • 『鈴木敏文語録 イトーヨーカ堂社長・セブン-イレブンの生みの親 「自分を変える」「人間の心理をつかむ」』増補版 緒方知行責任編集 1999年 祥伝社文庫
  • 『鈴木敏文経営を語る』江口克彦著 PHP研究所、2000年 のち文庫
  • 『商売の原点』緒方知行編 講談社、2003年 のち+α文庫
  • 『商売の創造』緒方知行編 講談社、2003年
  • 『鈴木敏文考える原則』緒方知行編著 2005年 日経ビジネス人文庫
  • 『なぜ売れないのかなぜ売れるのか』講談社、2005年
  • 『商売の創造』緒方知行編 2006年 講談社+α文庫
  • 『鈴木敏文語録集によるマーチャンダイジング教科書 セブン-イレブンの商品開発と品揃え革新を支える原点 いま最大の経営課題競争優位と顧客支持力づくりの決め手!!』月刊『2020 value creator』編集部編 緒方知行監修 オフィス2020新社、2006年
  • 『鈴木敏文語録「チャンスは君のそばにある」』国友隆一著 あさ出版、2006年
  • 『図解鈴木敏文の「商売の人間学」 なぜ、買うのか売れるのか』勝見明著 大和書房、2006年 のち文庫
  • 『なぜ買わないのかなぜ買うのか』 講談社、2006年
  • 『挑戦我がロマン 私の履歴書』 日本経済新聞出版社、2008年
  • 『朝令暮改の発想 仕事の壁を突破する95の直言』 新潮社、2008年 のち文庫
  • 『鈴木敏文の実践!行動経済学 経営学』勝見明構成 朝日新聞出版、2012年 朝日おとなの学びなおし!

  1. ^ 食料産業特別貢献大賞:受賞者一覧日本食糧新聞
  2. ^ a b 『ユニクロ潜入一年』横田増生、 文藝春秋 (2017/10/27)、p166-170
  3. ^ 株式会社セブン&アイ・ホールディングスの有価証券報告書第10期有価証券報告書 株式会社セブン&アイ・ホールディングス、セブン-イレブン・ジャパンの「沿革」を元に構成沿革|セブン‐イレブン セブン-イレブン・ジャパン
  4. ^ セブン鈴木会長辞任へ 県内でも功績評価 信濃毎日新聞 2016年4月8日
  5. ^ 長野県上田東高等学校同窓会 平成24年度事業内容
  6. ^ セブン鈴木敏文会長インタビュー〈前編〉「いつも転機の連続だった」 日経トレンディネット 2016年4月11日
  7. ^ 鈴木敏文年表駒澤大学大学
  8. ^ 株式会社セブン&アイ・ホールディングス 事業概要2014
  9. ^ 「あゆみ・沿革」南甲倶楽部
  10. ^ “人事、トーハン”. 日本経済新聞. (2010年6月29日). http://www.nikkei.com/article/DGXNMSJR00701_Z20C10A6000000/ 2015年4月6日閲覧。 
  11. ^ “中央大理事長に鈴木氏 セブン&アイの会長”. 共同通信. (2005年11月12日). https://web.archive.org/web/20150411155624/http://www.47news.jp/CN/200511/CN2005111201003925.html 2015年4月6日閲覧。 
  12. ^ コンビニの親、突然の退場=鈴木セブン&アイ会長 時事ドットコム 2016年4月7日
  13. ^ 企業情報 フランチャイズシステムの採用 株式会社セブン-イレブンジャパン
  14. ^ ドミナント出店戦略にこだわり続けていなかったら、今日のセブン―イレブンはなかった Value Creator 2015年4月27日
  15. ^ なぜ、セブンはビッグデータ分析する他社より日販が高いのか【1】 dot. 朝日新聞出版 2014年1月13日
  16. ^ 「無茶だ」社内猛反発 セブン&アイで最も反対されたこと President Online 2014年1月6日
  17. ^ インタビュー:セブン&アイHD会長が仕掛ける「オムニチャネル」 ロイター 2013年12月19日
  18. ^ 長野県上田東高等学校同窓会 しだれ桑 第48号
  19. ^ 【鈴木敏文】「変わらなければ、大事なものも守れない」日経ビジネス 2015年1月14日
  20. ^ 鈴木敏文 著、緒方知行 編『商売の創造』講談社、2003年10月22日、67頁。ISBN 4-06-212099-2 
  21. ^ 田原総一朗「「常に顧客目線だった『流通の神様』に何が起きたのか」」週刊朝日2016/4/22
  22. ^ コンビニ最強から一転、セブン‐イレブンの「劣化」が止まらないワケ(大原 浩) @moneygendai”. マネー現代. 2019年7月13日閲覧。
  23. ^ 検証 セブン人事案、緊迫の取締役会(その1) 毎日新聞 2016年4月14日
  24. ^ セブン&アイ鈴木会長退任へ 会見の一問一答 日本経済新聞 2016年4月7日
  25. ^ “セブン&アイ、鈴木氏は名誉顧問に 存在感残る”. 日本経済新聞. (2016年5月25日). http://www.nikkei.com/article/DGXLZO02739070U6A520C1TI5000/ 2016年5月28日閲覧。 






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