遺族年金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 13:51 UTC 版)
失権
遺族基礎年金・寡婦年金・遺族厚生年金の受給権は、受給権者が次のいずれかに該当するに至ったときは、消滅する。一度消滅した受給権は復活することは無い。
- 死亡したとき
- 婚姻をしたとき
- 遺族基礎年金の受給権を有する配偶者が再婚したからといって子まで失権するわけではないが(子が再婚相手の養子になっても「直系姻族の養子」となるので、失権しない)、通常は実父母(前配偶者)が「生計を同じくするその子の父もしくは母」に該当するので、結局遺族基礎年金は支給されない(遺族厚生年金は支給される)。
- 直系血族又は直系姻族以外の者の養子となったとき
- 離縁により死亡した者のとの親族関係が終了したとき
- 受給権者たる配偶者が、実家に復籍し姓名を旧に戻しただけでは「離縁」とはならないので、失権しない。
- 子・孫について18歳の年度末が終了したとき。ただし障害等級1級・2級にあるときを除く
- 障害等級1級・2級にある子・孫について、その事情がやんだとき。ただし18歳の年度末までにあるときを除く
- 子・孫について、20歳に達したとき
- 遺族基礎年金の受給権を有する配偶者で、子のすべてが減額改定事由のいずれかに該当したとき(遺族基礎年金のみ)
- 子のすべてが直系血族又は直系姻族の養子となった場合、子は失権しないが、子のすべてが減額改定事由に該当するため、配偶者は失権する。
- 平成19年(2007年)4月1日以降に遺族厚生年金の受給権が発生した場合において、30歳未満の妻が遺族基礎年金の受給権を取得しない場合において、遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して5年を経過したとき(遺族厚生年金のみ)
- 平成19年(2007年)4月1日以降に遺族厚生年金の受給権が発生した場合において、遺族基礎年金の受給権を有する妻が30歳に到達する日までにその受給権が消滅した場合において、その消滅した日から起算して5年を経過したとき(遺族厚生年金のみ)
- 遺族厚生年金の受給権を有する父母・孫・祖父母で、被保険者(であった者)の死亡当時胎児であった者が出生したとき(遺族厚生年金のみ)
- 寡婦年金の受給権者を有する妻が、65歳に達したとき(寡婦年金のみ)
- 寡婦年金の受給権者を有する妻が、老齢基礎年金の支給繰上げを請求したとき(寡婦年金のみ)
- ^ 国民年金法第5条7項、厚生年金保険法第3条2項により、本記事での「配偶者」「夫」「妻」には事実婚状態にある者を含むものとする。なお「事実婚」の認定については、「当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係を成立させようとする合意があること」「当事者間に、社会通念上、夫婦の共同生活と認められる事実関係が存在すること」を要件とするが、当該内縁関係が反倫理的な内縁関係である場合(一定の場合の近親婚)については、これを事実婚関係にある者とは認定しない。重婚的内縁関係については、届出による婚姻関係を優先すべきことは当然であり、従って、届出による婚姻関係がその実体を全く失ったものとなっているときに限り、内縁関係にある者を事実婚関係にある者として認定するものとする(平成23年3月23日年発0323第1号)。
- ^ 寡婦年金の支給は60歳に達した日の属する月の翌月から始まることとされているが、寡婦年金の受給権は夫が死亡した日に生ずるので、夫が死亡した際妻が60歳未満である場合でも、すみやかに寡婦年金の裁定請求を行なうよう行政指導が行われている(昭和46年4月30日庁保険発第8号)。
- ^ a b c 旧法時代では障害等級2級以上であれば年齢要件は不問とされていたが、新法施行時に障害要件が廃止され、その代わり10年間の時限措置として特例が設けられた。ただしこれにより55歳未満で受給権を得た場合、障害の状態に該当しなくなると遺族厚生年金の受給権は消滅する。
- ^ 在職老齢年金の対象となる場合、支給停止が行われないとした場合の老齢厚生年金額で計算する。
遺族年金と同じ種類の言葉
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