遺伝的組換え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/06 20:20 UTC 版)
他のタイプの組換え
部位特異的組換え
バクテリオファージ(ファージ)による部位特異的組換えでは、ファージのDNAが乗換えと似た方法で、宿主である細菌の染色体DNAに組み込まれる。ファージDNAの部分配列が標的DNAのそれと完全に一致すると、インテグラーゼと呼ばれる特殊な組換え酵素がファージDNAを標的に組み込む。このようにファージDNAが染色体に組み込まれた状態をプロファージという。
非相同組換え
以上と異なり、相同性のないDNA配列の間での組換え(非相同組換え)もある。プロファージDNAが染色体から抜け出す(切り出されて新しいファージを作る)際にこれが起きることがあり、この場合には宿主の遺伝子を含んだファージ(形質導入ファージ)ができる。
体細胞における組換え
体細胞では、染色体の乗換えに伴う組換えとして、無性生殖する生物におけるものがある。 またDNA損傷が完全に修復されないまま細胞分裂を経た場合に起きる姉妹染色分体交換(Sister chromatid exchange:SCE)なども知られる。
そのほかに生理的に起きる組換えも知られており、代表的なものがリンパ球のB細胞における免疫グロブリン(抗体)遺伝子や、T細胞における受容体遺伝子である。これは抗体や免疫反応における機能的多様性に必須の過程である。抗体#免疫グロブリンの多様性を参照。
関連項目
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