近鉄20100系電車 主要機器

近鉄20100系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 19:51 UTC 版)

主要機器

走行機器や性能は当時の青山峠越え対応型一般車両である1480系に準拠し、主電動機以外の主要機器は上述の通り、サ20200形に集約搭載されている。

主電動機

主電動機は10100系などと共通の三菱電機製MB-3020-D[注 3]を両端の制御電動車に搭載する。駆動装置は大阪線標準のWNドライブで、歯車比は1480系と共通の5.47、平坦線釣合速度は125km/hである。

主制御器

主制御器はシーケンスドラムを使用する三菱電機製ABFM-178MDHA単位スイッチ式多段自動加速制御器である。

主回路構成は1C8Mで各車4基ずつの主電動機を永久直列とし、2群を直並列制御して力行26段、発電ブレーキ12段の抵抗制御を行う。

なお、本系列は新造当時架線電圧600V区間であった橿原線八木西口駅 - 橿原神宮前駅(当時)への入線を想定し、電動発電機は複電圧仕様となっているが、主回路については電圧転換機を備えておらず、1,500V時と同一回路で運転する設計となっている。

集電装置

設計当時近鉄で標準的に採用されていた東洋電機製造PT-42Q菱枠パンタグラフをサ20200形の両車端部に各1基ずつ搭載する。

台車

台車については、特急車用KD-41系を改良し三山ベローズ式空気ばね枕ばねとして搭載した、長リンク揺れ枕装備の近畿車輛製空気ばね付きシュリーレン式台車であるKD-43[注 4]・43A[注 5]が装着されている。

ブレーキ

設計当時標準のHSC-D電磁直通ブレーキで、A動作弁による常用自動制動を備える[注 6]発電ブレーキによる抑速制動と同期動作し、応荷重装置を備える。


注釈

  1. ^ ただし中間車の客席は2階部分のみに設置されている。
  2. ^ この装置は密閉構造で自然通風による放熱の難しいサ20200形1階機器室の冷却にも利用されている。
  3. ^ 端子電圧340V時定格出力125kW/1,800rpm
  4. ^ モ20100・20300形用。
  5. ^ サ20200形用。
  6. ^ この常用部は廃車時まで使用可能のまま維持されていた。
  7. ^ 名古屋からは伊勢志摩のほか奈良県内への修学旅行にも用いられた。
  8. ^ 天理臨に使用されるようになったのは1973年9月の橿原線の車両限界拡大工事の完成以降。
  9. ^ 特別料金不要の2階建て列車の草分けとも言える。なお、当初は通勤列車にも使う計画があったとされる。

出典

  1. ^ あおぞら号近畿地区運営協議会規約” (pdf). 公益財団法人全国修学旅行研究協会大阪事務局 あおぞら号近畿地区運営協議会. 2019年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月12日閲覧。 - 協議会の設立は1962年4月1日である。
  2. ^ あおぞら号近畿地区運営協議会”. 公益財団法人全国修学旅行研究協会大阪事務局. 2020年4月12日閲覧。
  3. ^ JTBパブリッシング『近鉄特急 上』
  4. ^ レイルロード 『近鉄急行&団体用 5200系&あおぞら号』


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