超弩級戦艦 その後

超弩級戦艦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/24 14:59 UTC 版)

その後

1916年ユトランド沖海戦は、戦艦・巡洋戦艦の発達史において一大事件となった。かいつまんで述べると、戦艦は速力が不足、巡洋戦艦は防御力が不足、そして戦艦・巡洋戦艦を問わず水平防御をなおざりにしてきた事実が判明した。これ以降に新造、もしくは改装がなされた戦艦・巡洋戦艦はこの欠点の改善がなされ、主砲口径の増大に偏った戦艦の発達は終焉を迎えた。これにより弩級、超弩級というカテゴライズも、さして重要なものではなくなった。

例えばアメリカのアラスカ級大型巡洋艦(主砲口径30.5cm)やドイツのシャルンホルスト級戦艦(主砲口径28.1cm)は、主砲口径で言えば弩級、フランスのダンケルク級戦艦(主砲口径33cm)は超弩級となるが、そういう分類で語られることはほとんどない。

上記の通りイタリアのコンテ・ディ・カブール級戦艦・カイオ・ドゥイリオ級戦艦は、超弩級として語られることもあるが、これは元々この両クラスは30.5cm砲採用の弩級戦艦であって、改装によって砲力が増したかどうかという文脈で語られるからである。コンテ・ディ・カブール級戦艦・カイオ・ドゥイリオ級戦艦が主砲口径を増したのは、あくまで門数の削減と引き換えに砲力を落とさないための処置である。現実には両クラスの改装の主目的は、速力と防御力の増大である。


  1. ^ フジテレビトリビア普及委員会 『トリビアの泉〜へぇの本〜 2』講談社、2003年。 
  2. ^ 海人社 世界の艦船 増刊 近代戦艦史
  3. ^ 新名丈夫、1979、「陸奥の爆沈」、『日本海軍史』、毎日新聞社〈別冊一億人の昭和史〉 p. 258
  4. ^ 『U.S. Battleships』(Norman Friedman)より


「超弩級戦艦」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「超弩級戦艦」の関連用語

超弩級戦艦のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



超弩級戦艦のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの超弩級戦艦 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS