胆振線 代替バス

胆振線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/04 05:19 UTC 版)

代替バス

道南バスが鉄道代替路線を運行している[3]

後述するように旧胆振線代替区間のうち2014年10月1日のバス時刻改正で北鈴川- 御園にあたるおよそ5.1kmの区間、および2022年10月1日のバス時刻改正で、新大滝 - 喜茂別にあたるおよそ24.3kmの区間が撤退となり、現在代替バスは以下の2区間で運行されている[21][22]

  • 伊達駅前 - 壮瞥役場前 - 北湯沢温泉 - 大滝本町東団地
  • 喜茂別 - 京極バスターミナル - 倶知安駅前

道南バスが撤退した区間のうち喜茂別町内の喜茂別 - 御園間と喜茂別 - 日の出間においては、喜茂別町営バス「ウサパラ号」が運行されており[23]、完全に路線が無くなったのは、ほぼ全区間が伊達市大滝区内となる本町東団地 - 日の出間のおよそ11.5kmである[22]

鉄道廃止後に設定された代替バスは、新大滝 - 北鈴川間を除く区間で鉄道に並行していた国道276号を経由する全線通しの系統の他、複数の区間便が設定され、国道から離れた御園へは鈴川から分岐し支線の形で乗り入れる形態を取っていた。2013年4月1日時点では、全線通し3往復の他、伊達駅前 - 大滝本町東団地、共和 - 御園 - 喜茂別、御園 - 喜茂別 - 倶知安駅前、喜茂別 - 倶知安駅前といった区間便が設定されていた[24]

2014年に、それまで運行されていた「御園(御園駅) - 鈴川(北鈴川駅) - 喜茂別・倶知安駅前」のうち御園 - 鈴川間の運行補助が打ち切りとなり[25]、2014年10月1日のダイヤ改正をもって同区間は路線廃止となった[26]

2019年10月1日のバス時刻改正時点では、伊達駅前(伊達紋別駅) - 倶知安駅前を通しで運行する便が1日3往復あったほかに、「伊達駅前 - 大滝本町東団地」と「喜茂別 - 倶知安駅前」に区間便が設定されるダイヤとなっていた[27]

2021年2月、利用人数の低迷と赤字が深刻な状況にあることなどを理由に、伊達市が、伊達市のほか倶知安町、京極町、喜茂別町、壮瞥町の5市町と道南バスで構成する胆振線代替バス連絡協議会にて、全区間通しの便の運行を廃止することを提案した。そして2022年3月、喜茂別町の内村俊二町長が定例町議会にて、喜茂別町と伊達市大滝区を結ぶ区間を廃止する方向で協議会で協議することを表明した。協議会事務局によると、2020年10月から2021年9月の1年間の代替バスの輸送人員は区間便も含めて5年前より約3割減少した12万5810人で、年間約1億2千万円の赤字が発生しており、国や道の補助と沿線自治体の財源で穴埋めしている状況であった。特に、25km近くに及ぶ喜茂別町 - 伊達市大滝区については利用者が殆どいない状況となっていた[28][29]。喜茂別町 - 伊達市大滝区のうち特に乗客の少なかった本町東団地 - 日の出間においては、停留所は「三階滝入口」と「清原」の僅か2か所だけであった[22]

2022年7月20日、連絡協議会は総会で倶知安町と伊達市を結ぶ直通バスの運行を9月末で廃止し、伊達駅前 - 大滝本町東団地と喜茂別 - 倶知安駅前の2系統の区間便の運行とすることを決定した[30]。全区間運行便の廃止に伴い、伊達駅前 - 大滝本町東団地では増便やダイヤ調整を実施する[30]。協議会事務局によると、今回の決定で赤字額は半分の約6千万円に圧縮される見通しである[30]

直通バスの廃止後にバスで伊達市・壮瞥町から喜茂別町へ移動する方法としては、道南バスで洞爺湖町洞爺湖温泉まで移動し、完全予約制の道南バス札幌洞爺湖線(1日4往復)に乗り継ぐルートがある[31]


  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳』1号 北海道、新潮社、2008年、p.29
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 宮脇俊三編著『鉄道廃線跡を歩く』IV、JTB、1997年、p.203
  3. ^ a b c “「さよなら列車」運転 胆振線富内線 六十余年の歴史に幕”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1986年11月5日) 
  4. ^ 篠原繁雄「わが人生」『穂別高齢者の語り聞き史(昭和編)大地を踏みしめて 上』穂別高齢者の語りを聞く会、2014年、p254頁。 
  5. ^ 日鉄鉱業40年史 昭和54年11月発行 P17。
  6. ^ 「鉄道院告示第103・104号」『官報』1919年11月1日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. ^ 北海道鉄道百年史 上巻 日本国有鉄道北海道総局 昭和51年3月発行 P479。同年より日本製鋼所は北海道製鐵を吸収合併して製鉄部門としていた。
  8. ^ 「鉄道省告示第34・35号」『官報』1920年7月10日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 「鉄道省告示第109号」『官報』1922年9月2日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1928年10月30日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1941年1月16日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  12. ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1941年10月27日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  13. ^ 全国災害伝承情報 添付資料1-1(1) 1977年有珠山噴火 (PDF) - 総務省消防庁
  14. ^ 「運輸通信省告示第307・308号」『官報』1944年6月27日(国立国会図書館デジタル化資料)
  15. ^ a b c d 全国災害伝承情報 添付資料1-1(2) 1977年有珠山噴火 (PDF) - 総務省消防庁
  16. ^ 池田光雅『鉄道総合年表1972-93』中央書院、1993年、pp.84,98
  17. ^ “31日廃止の富内、胆振線”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1986年10月31日)
  18. ^ 『交通公社の時刻表』1986年3月号、日本交通公社、p.430
  19. ^ a b c d e 今尾恵介・原武史監修『日本鉄道旅行歴史地図帳』1号 北海道、新潮社、2010年、p.37
  20. ^ 上りの「ニセコ」は目名(1965年10月からは上目名1984年4月に駅廃止))まで運行されていた。また「ニセコ」は、上目名・目名・蘭越 - 倶知安および岩内線内は普通列車(「らいでん」も同様)となっていた。
  21. ^ 道南バス時刻表 洞爺伊達倶知安管内 令和4年10月1日改正” (PDF). 道南バス. 2022年10月1日閲覧。
  22. ^ a b c 「代替バス」と言われ続けて36年!! ある路線バスの終焉 〜道南バス胆振線〜”. 講談社ビーシー (2022年10月7日). 2022年10月7日閲覧。
  23. ^ 町営バス『ウサパラ号』の運行について”. 喜茂別町. 2022年10月2日閲覧。
  24. ^ 道南バス時刻表 洞爺伊達倶知安管内 平成25年4月1日改正”. 2013年6月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月2日閲覧。
  25. ^ 議会だより 平成二十五年第一回定例会”. 喜茂別町議会. 2015年5月20日閲覧。(12ページを参照)
  26. ^ 平成26年10月1日(水)【胆振線】ダイヤ改正のお知らせ”. 道南バス. 2014年9月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年9月18日閲覧。
  27. ^ バス時刻表(洞爺・伊達・倶知安管内;2019年10月1日改正) (PDF) - 道南バスWebサイトより。2019年11月8日閲覧
  28. ^ 旧胆振線代替バス・喜茂別―大滝間の廃止検討 利用低迷で喜茂別町長表明”. 北海道新聞 (2022年3月10日). 2022年3月10日閲覧。(会員限定記事)
  29. ^ “2度目の廃止”の先は? 「廃止代替バス」の廃止相次ぐ 元鉄道やバス会社が手放した路線”. 乗り物ニュース (2022年9月29日). 2022年10月1日閲覧。
  30. ^ a b c 旧国鉄胆振線の代替バス、大滝―喜茂別9月末廃止 連絡協が決定”. 北海道新聞 (2022年7月21日). 2022年7月22日閲覧。(会員限定記事)
  31. ^ 北海道、リゾート化と縁遠い「旧胆振線」の疎外感”. 東洋経済オンライン (2023年5月4日). 2023年11月10日閲覧。






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