結界師 舞台設定

結界師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/09 06:00 UTC 版)

舞台設定

烏森

烏森(からすもり)とはかつて間時守がウロ様より譲り受けた土地。小一宮で特別重要保護地である。妖を呼び寄せ短時間で強くする力を持った不思議な土地ゆえに昔から専任の結界師一族により管理されてきた。なぜか結界師の正統継承者はこの地ではめったに死なないと言われ、妖や妖混じりなどは、烏森で死を受け入れると死が加速する。志々尾限や鋼夜などがその例である。

伝説や言い伝えが数多く存在するが、辻褄のあわないことも多く、謎の多い土地と言われていたが黒兜の一件、夜行のまじない班が中心に仕掛けられたマーキングを外そうとした一件により、烏森が意志を持っていることが判明した。その意思は烏森にいるのが飽きてきたために外に出たがっていたが、良守からもっとおもしろい場所を用意してやると言われ落ち着いた。善悪の区別がなく面白いものを好むわがままな性格である。奥久尼によれば、「烏森の力」と呼ばれるものは、神佑地のものではなく、生きた人間が元となっており、かつて間時守が、烏森にこの世をひっくり返すほどの力を蓄えた魂蔵持ちの人間を封じたが、完全ではなかったために墨村と雪村を見張り役としてつけたのが烏森の結界師のはじまりであるという。

墨村守美子(の姿をした式神)により間時守が烏森の地下に設置した城の姿をした結界が地上に出現した。その中の異界には、「宙心丸(ちゅうしんまる)」という名の幼児が封じられていた(幼児のままなのは、宙心丸が成長しないように異界の中の時間を止めてあったため)。宙心丸は守美子(の姿をした式神)が持ってきた玉の中(やはりその中の時間も止まっているらしい)に封じられ、ついに城の外へ連れ出された。その瞬間に城が消滅、さらに烏森の外に出た瞬間、学校の校舎が倒壊した[注 3]

烏森家(からすもりけ)
昔、烏森の地に城を構え治めていた一族と言われている。一族全体において異常に強い霊力を持っていたために、妖しげなものが近づき、近づいた妖(あやかし)は烏森家の力に影響されて急激に進化し、人を殺す事件も起きたとされる。間時守はこれら妖怪を退治するために呼ばれ、妖を倒していったが、はやり病がはやり、とうとう間時守も3日間任に就けない日が続き、その際城内に魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈して烏森家を滅ぼしたとされる。
以上が、墨村、雪村両家において代々教えられていた伝承であるが、実際はその大半がでっちあげで、烏森家の一族の霊力はせいぜい妖が見える程度のレベルでしかなく、時守と烏森家の姫・月影との間に生まれた魂蔵持ちの子供・宙心丸の莫大な力によって烏森家が全滅、時守が全精力を傾けて烏森の地に宙心丸を封印した結果、現在に至るというのが真相。
私立烏森学園(しりつからすもりがくえん)
烏森の地の上に建つ学校。中等部と高等部がある。テレビでは名門となっている。時々、とても偏っているが、あることに関してすごい才能の持ち主が輩出されるらしい。なお、校長は結界師の事情をある程度知っているらしく、夜の学校に警備員を置いていない。
烏森学園七十七不思議(からすもりがくえんななじゅうななふしぎ)
狂い桜(くるいざくら)(良守、間時守曰く、狂わせ桜):季節に関係なく咲く桜。夜になると雑魚の妖が集まってくるらしい。
キヨコ伝説:数年に1度烏森学園に現れ真実を告げる。だが実際は告げたことを真実にする能力があるようだ(実際、キヨコが告げたファッションのトレンドが烏森学園中等部で大流行した)。

神佑地

神佑地(しんゆうち)とは霊山などと言われている場所(パワースポット)。神佑地によっては神佑地の力を守護するための一族が存在する(烏森の墨村家、雪村家のように、神佑地に寄ってくる妖を退治するために存在しているものは例外)。神佑地はその力の大きさによっておおまかに上から順に大宮(だいぐう)、中宮(ちゅうぐう)、小宮(しょうぐう)と三つに分けられ、その中でさらに力の大きさの順に一宮(いちぐう)、二宮(にぐう)、三宮(さんぐう) と分けられている(つまり力の大きさの順に、大一宮(だいいちぐう)>大二宮>大三宮>中一宮>中二宮>中三宮>小一宮>小二宮>小三宮となる)。その中でも他の神佑地に影響を与えるほどの強力な神佑地や他に類を見ない特徴を持つ神佑地は、裏会から特別重要保護地として認定を受けている。

神佑地は、結界師のような空間支配系能力者によって、主の眠る異界への扉を開いて主を引きずり出し、その神佑地に秘められた絶大な力を受け止められる存在を代わりの主として添えることで、神佑地を奪い取ること=神佑地狩りが可能。ただし神佑地の絶大な力を扱うのは、最高位の妖ですら非常に困難(キヨコの弁によれば土地神クラスでさえも五分五分)であり、確実な代わりの主としては、力を無尽蔵に蓄えられる魂蔵持ちが必要不可欠となる。間時守は過去これを利用して、ウロ様から譲られた土地に魂蔵持ち=宙心丸を主として添えることで、烏森を作りだした。

烏森(からすもり)
#烏森を参照。
無色沼(むしきぬま)
ウロ様の現在の住みか。ウロ様が譲った烏森の代わりとして間時守により作られた土地で、主はウロ様。昔は底なし沼と言われていた。
黒芒(くろすすき)
主は姫(黒芒の化け狐)であり、普段は黒い楼閣に住んでいる。また、黒芒楼の本拠地でもある。白が来てから、世界が広がり始めたらしい。姫の寿命により、世界が閉じると共に黒芒楼も滅んだ。
会羽山(あいばざん)
烏森近辺で一番の霊山と言われている。主は黒雲斎。
水龍の湖
どこか烏森から離れた遠いところの神佑地。主は水龍。
淡幽の神佑地
正式名称不明。主は淡幽(ツルの妖と思われるが普段は人の姿をしている)。ビルの上に二つの神社があるだけだが、元々はきれいな池のある美しい土地だった。淡幽曰く、淡幽はその土地の記憶で生かされていたらしい。無道と良守&正守の戦いで傷つきいったん世界を閉じたが、無事に戻れた模様。神社が二つに分かれたことにより、世界が二つに分かれ不安定だったが、正守の手で、無事に一つの世界に戻った。
真白湖(ましろこ)
北海道にあった神佑地。主は不明。春の時期は霧が多い。規模を大・中・小で例えるなら、大。何者かの手で突然消されたが、空間のひずみがあったことから、調査室は空間支配能力者と推理している。空間のひずみは正守の手で元に戻され、見た目は元に戻った。
九州の神佑地
九州にあった神佑地。真白湖と同じように突然消された。規模は真白湖より小さい。
緋田郷(ひだごう)
烏森の近くにある神佑地。主はお地蔵様。一部原型を残した形で壊された。近くに農村があるが、神佑地を壊された影響で荒れてきており、豆蔵によれば作物が豊作になることはもう無理らしい。
夕上家の神佑地
夕上家の長子の者が代々守護してきた神佑地。神佑地狩りの被害に遭ってしまった。
大首山(おおくびやま)
東北地方の大一宮で特別重要保護地の神佑地。東北地方の神佑地のパワーバランスの中心を担っていた。何者かの神佑地狩りによって破壊された。
嵐座木神社(あらしざきじんじゃ)
扇本家の家の近くの裏山にある神社。神社の「魍魎桜(もうりょうざくら)」が異界への入り口。主は繭香(まゆか)であったが、宙心丸を覇久魔に封印しようとする時守・守美子の計画により、七郎の手で繭香は殺されまほらが新たな主として挿げ替えられることとなる。
覇久魔(はくま)
裏会総本部のある土地。最上級の神佑地。
日永が所有する「下の城」が異界の中にある。主はまほらであったが、時守・守美子により宙心丸を封印する地として選定され、“眺める者”の交渉によりまほらは嵐座木神社へと居を移す。

その他

無想部屋(むそうべや)
無想箱によって無想を出来るようになった者が次に修行を行う場所。墨村家の古井戸の中を進んだ先に存在する。修行者はここでは通常の心から無想の切り替えを自分の意志で、かつ素早くできる出来るようにし、そして無想の持続時間を長くする修行を行う。ただこの部屋はそれを邪魔するようにされており、様々な幻覚(例:沢山の水が降ってくる、美女が迫ってくるなど)が修行者を惑わせ、無想への切り替えを困難なものとする。その幻覚は中に入っている修行者をエネルギー源とするため修行者は一日のうち5時間程度しか修行できない。
修行者の無想が完成状態に近づくと縞野(しまの)という無想部屋の番人が出現し、修行者が極限無想を会得できるように訓練する。
波動部屋(はどうべや)
雪村家に存在する真の抜け師を目指し、修行するための場所。三毛野という波動部屋の番人が空身を会得できるように訓練する。
断頭島(だんとうじま)
裏会検察室の本部が置かれている島。中心から北西に抜けて、一ノ島、二ノ島、三ノ島となっている。島の至るところにまじないがかかっている。作者によれば横から見た髑髏をモチーフにしたらしいが担当からは理解されていなかった。何者かに(おそらく総帥の命令により)放火させられた。
一ノ島(いちのしま)
受付がある。最も面積が広く断頭島の大半を占めている。まじないがかかった森があり、部外者(職員以外全て)の五感を狂わせる。だが巧妙に職員でも入れない区域があり、そこには抜け道が存在していると言われる。
二ノ島(にのしま)
上層は検察室職員の寮で、下層は牢屋となっている。職員や囚人に対して賄賂が通用する。
三ノ島(さんのしま)
主に罪人を取り調べに使っている島。その島にある脳洗い部屋(のうあらいべや)は、強制的に記憶や人格を操作し、人間の中身を都合よく書き換えるという。検察室の最悪な施設と言われている。
龍仙境(りゅうせんきょう)
竜姫や水月の出身地であり彼女らのような妖混じりが生まれがちな土地。烏森のように龍型の妖混じりなら、地の利を受けることができるため神佑地の可能性も高いが、作中では特にそのことについては触れられていない。

注釈

  1. ^ 作者によると、他の結界術の流派もちゃんとあるとのこと。
  2. ^ 正守曰く「(間流結界術では)分が悪い」。
  3. ^ 守美子(の姿をした式神)によれば、これまで校舎が破壊される度に修復術で破片を寄せ集めて元の姿に戻していたが、その寄せ集めの維持にはまた別の力が必要であり、烏森では宙心丸がその力を与えていたとのこと。その力の源が烏森からいなくなったので、その寄せ集めが崩れたらしい。
  4. ^ 当初2月発売予定だったが1ヶ月ほど延期された。

出典

  1. ^ TVアニメにもなった大人気作『結界師』がついに完全版で登場! カバーは全巻描き下ろし!&カラー原稿を完全収録!”. PR TIMES (2020年6月18日). 2020年9月23日閲覧。
  2. ^ 田辺イエロウ2015年10月31日20:01ツイート
  3. ^ [1]
  4. ^ 週刊少年サンデーと週刊少年マガジン創刊50周年のタイアップ企画






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