硝酸
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/15 13:11 UTC 版)
概要
五酸化二窒素(無水硝酸、N2O5)を水に溶かすと得られる、一価の強酸性の液体で、金属と反応して硝酸塩(水に可溶)を作る。任意の割合で水に溶け、通常「硝酸」という場合には水溶液を指す。
濃度の低い硝酸を希硝酸という[注 1]。市販の濃硝酸は 60 %(d = 1.360 g cm-3, 13.0 mol dm-3)あるいは 70 % (d = 1.406 g cm-3, 15.6 mol dm−3) の水溶液が普通である。69.8 % の水溶液は共沸混合物となり 123 ℃で沸騰する。
濃硝酸と濃硫酸の混合物である混酸を用いたニトロ化合物の合成などから爆薬が作られ、他にも染料、肥料などの製造に用いる。
注釈
- ^ 濃度は特に定義されているわけではないが、実験室で用いる希硝酸は通常 6 mol/dm3 (32 %, d = 1.19 g · cm-3)、あるいはそれ以下のものであることが多い。
出典
- ^ a b c 厚生労働省モデルSDS
- ^ a b c FA コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年,原書:F. ALBERT COTTON and GEOFFREY WILKINSON, Cotton and Wilkinson ADVANCED INORGANIC CHEMISTRY A COMPREHENSIVE TEXT Fourth Edition, INTERSCIENCE, 1980.
- ^ D.F.SHRIVER, P.W.ATKINS, INORGANIC CHEMISTRY Third Edition, 1999.
- ^ シャロー 『溶液内の化学反応と平衡』 藤永太一郎、佐藤昌憲訳、丸善、1975年
- ^ D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982)
- ^ 山崎一雄他 『無機溶液化学』 南江堂、1968年
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- ^ 田中元治 『基礎化学選書8 酸と塩基』 裳華房、1971年
- ^ 経済産業省生産動態統計年報 化学工業統計編
- ^ a b c d e 米田幸夫 著、化学大辞典編集委員会(編) 編『化学大辞典』 1巻(縮刷版第26版)、共立、1981年10月、531-532頁頁。
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