男装 文学における男装

男装

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/23 06:42 UTC 版)

文学における男装

日本の王朝文学に作者、成立年も未詳の『とりかへばや物語』がある。

西洋ではウィリアム・シェイクスピアの『十二夜』におけるヴァイオラや『お気に召すまま』のロザリンド、『ヴェニスの商人』のポーシャなどがあげられる。初期近代ロンドンの商業演劇界にはプロの女優がいなかったため、少年が女役を演じ、劇中でその女役がさらに男装して男性のふりをするということがあった。他にはフーゴ・フォン・ホーフマンスタールの『ルツィドール』がある[1]

舞台芸術としての男装

日本では古くから女性の男装に魅力を感じる文化があり、白拍子、女歌舞伎女義太夫などの文化が存在し、"男装の麗人"という言葉にみられるように、男装がむしろ女性としての魅力を引き立たせるものと見られた。近現代においては、宝塚歌劇団OSK日本歌劇団など、演劇・ショーにおいて女性が男役を演じる「少女歌劇」(レビュー)が人気を集めた。女剣劇は女性のみではないが女性が男役を演じる。

男装の麗人と呼ばれた水の江瀧子

また、西洋歌劇(オペラ)では、ズボン役と言われる「男装した女性歌手が演じる役」がある。モーツァルトの『フィガロの結婚』に出てくるケルビーノ、ベートーベンの『フィデリオ』に出てくるレオノーレ(フィデリオ)などがある。両者はともにズボン役と呼ばれるが、前者のケルビーノは少年(男性)というキャラクター設定であるのに対し、後者フィデリオは「レオノーレ」という本名が物語るように女性である(女性であるが、男性の振りをしている)。

コスプレとしての男装

コスプレ業界においては、女性が男性キャラクターのコスプレをする行為は珍しくない。そのため、男装をよくする女性が例外的に女性のキャラクターのコスプレをする場合も、「女装」と呼ぶ場合がある。

男装タレントの活動

男装でのタレント活動例として風男塾がある。女性アイドルとしての活動が土台にある上で男装をしている。結成当初から男装アイドルとして活躍している例としてはael-アエル-EUPHORIAの例がある。 2019年3月1日に男装エンタテイメントプロジェクト「dreamBoat」が発足した。


  1. ^ 河合隼雄の『とりかへばや、男と女』(新潮社)pp.108-113に要約がある。
  2. ^ a b 山中知子『異文化アラベスク:神話と伝説』 人文書院 2012年 ISBN 9784409140642 pp.150-159.
  3. ^ 『ビジュアル 世界の偽物大全 フェイク・詐欺・捏造の全記録』、2023年6月発行、ブライアン・インズ クリス・マクナブ、日経ナショナルジオグラフィック、P156~157
  4. ^ a b c 押山美知子 『少女マンガジェンダー表象論』彩流社 (2007/03)ISBN 978-4779112447






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