江淹
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/20 22:42 UTC 版)
「江淹(江郎)才尽く」
江淹のエピソードとして最も有名なものは、彼の文才が晩年に枯渇したという「江淹(江郎)才尽」である。
梁の鍾嶸の『詩品』によると「江淹が宣城郡太守を辞任し、首都建康への帰路の途中、夢に郭璞を名乗る美丈夫が現れた。江淹に長年預けてきた自分の筆を返してほしいと言ったので、江淹は懐にあった五色の筆を彼に返したところ、それ以来詩が作れなくなり、世間の人々は江淹の才が尽きたと言うようになった」とされている。
唐の李延寿の『南史』では「夢に西晋の詩人張協が現れ、預けていた自分の錦を返してほしいと言った。江淹が懐にあった錦を取り出したところ、数尺しか残っていなかった。張協はこんなに使われては用がないと怒り、錦を丘遅に与えてしまうと、それ以後江淹の文才が尽きてしまった」とやや異なる話を伝える。これらのエピソードにもとづき、後世、文人の文才が枯渇することを意味する「江淹(江郎)才尽く」という成語が生まれた。
脚注
参考文献
- 『梁書』 巻14「江淹伝」、中華書局。
- 『南史』 巻59「江淹伝」、中華書局。
- 胡之驥 編『江文通集彙注』中華書局〈中国古典文学基本叢書〉、1984年。ISBN 978-7101024456。
- 兪紹初・張亜新 編『江淹集校注』中州古籍出版社〈中州名家集〉、1994年。ISBN 978-7534800627。
- 興膳宏 編『六朝詩人傳』大修館書店、2000年。ISBN 978-4469232134。原典の編訳
- 興膳宏 編『六朝詩人群像』大修館書店〈あじあブックス〉、2001年。ISBN 978-4469231786。列伝、田口一郎が担当
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