森の精 (交響詩)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/12 06:05 UTC 版)
概要
1910年の初頭に赴いたスキー旅行の間に完成された。初演は1910年10月8日、クリスチャニア(現オスロ)において作曲者自身の指揮により『追憶のために』の初演と同時に行われた。同年にはピアノへの編曲も行われている。本作は「舞踏的な主題」の断片から進行する「印象主義者の縮小版」であり、作曲者の「最短かつ最も独創性の高い管弦楽曲」のひとつに数えられている[1]。なお、シベリウスには、この曲とは別に、管弦楽のためのバラード『森の精』作品15があり、混同されていることがあるので注意。
ひとつの作品番号にまとめられた『タンツ・インテルメッツォ』(Tanz Intermezzo)作品45-2と共通の舞踏的性格も有する一方、本作は頻繁に変わるテンポの指示、楽節構造、内的関連性などが取り払われた実験的音楽となっている[2]。形式や和声的な特徴には同時期に書かれた交響曲第4番と共通する部分があり、また当時最晩年を迎えていたグスタフ・マーラーの進んだ方向性と一致する箇所も見出される[2]。
楽器編成
ピッコロ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2(B♭)、バスクラリネット2(B♭)、ファゴット2、ホルン4(F)、トランペット3(B♭)、トロンボーン3、テューバ、タンブリン、カスタネット、小太鼓、大太鼓、弦五部[3]。
- ^ “Other orchestral works / The Dryad”. Jean Sibelius. Finnish Club of Helsinki. 2015年12月5日閲覧。
- ^ a b 森の精 - オールミュージック. 2019年5月6日閲覧。
- ^ Score, Sibelius: The Dryad, Breitkopf & Härtel, Leipzig, 1910
- 1 森の精 (交響詩)とは
- 2 森の精 (交響詩)の概要
- 3 楽曲構成
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