本尊 (日蓮正宗) 導師本尊

本尊 (日蓮正宗)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/31 02:48 UTC 版)

導師本尊

各寺院所蔵の本尊のうち、枕経・通夜・葬儀の際に掲げられる「導師本尊」は、故人を霊山浄土へ導くとされる即身成仏のための本尊で、「即身成仏の御本尊」ともいわれる。また、総本山大石寺をはじめとする寺院の納骨堂には本尊が安置される場合もある。納骨堂に本尊を安置する場合も同じ意味で導師本尊が安置され、板本尊も存在する。

紫宸殿御本尊

通称、紫宸殿御本尊(ししんでんごほんぞん)と呼ばれるものは、富士大石寺と京都要法寺にある本尊である。しかし、大石寺と要法寺のものは、まったくの別物である。

大石寺のものは、1280年(弘安3年)太歳庚辰3月日、日蓮の真筆で紙幅の曼荼羅であり、富士宗学要集5巻には「紫宸殿御本尊と号す」と記載され、天皇が日蓮の仏法に帰依したとき、天皇に下附し紫宸殿天皇の住居)に奉掲するための特別の本尊とされている。また別な伝説によれば、9世法主日有の時代に、本門戒壇之大御本尊を盗賊から守るため沼津(現・静岡県沼津市)の井出という家の洞穴に保管し、紫宸殿御本尊を板に刻み「身代わり御本尊」としたと伝えられている。紫宸殿御本尊という名称は、もとより伝承であり長い間親しまれてきたが、2002年の御虫払い法要において67世法主日顕の説法があり「その名称も見直しが行われるべきであり師資相承之御本尊または師資伝授之御本尊と呼ぶのが正しい」とされている。

要法寺にあるものは、1756年(宝暦6年)、紫宸殿において天覧に奏した紙幅の曼荼羅であるが、日蓮の真筆ではないとされている。

安置形式と仏壇・仏具

本尊の安置形式は、通常は本尊のみを安置する形式であるが、一部の寺院では、大石寺御影堂のように本尊の前に日蓮の像を安置する「御影堂式」、「一体三宝式」または、大石寺の客殿のように中央に本尊を安置し、本尊に向かって左側に日蓮の像、本尊に向かって右側に日興の像を安置する「客殿式」、「別体三宝式」の安置形式をとっているところもある。

日蓮正宗では、本尊を厨子に安置する。また、仏壇に位牌を置くことはない。葬儀においては白木の位牌が用いられるが、五七日忌または七七日忌などに納骨を行う際に、過去帖に記入し、白木の位牌はお寺納めとする。したがって、朝夕の勤行においては、過去帖を見ながら物故者の追善を行う。また、日蓮正宗の仏壇は、他宗派の仏壇とは構造が大きく異なり、内側に厨子が付いているものが特徴である。また、寺院の厨子を模した家庭用仏壇もある。

信徒が仏壇に位牌を置くことはないが、大石寺の大講堂の仏前には日興と日目の位牌が安置されている。これは、日蓮が説法し、血脈を直接受け継いだとされる弟子の日興と日目が日蓮の見守る中、説法する意味が込められている。

脚注

出典







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