木構造 (建築) 木構造の環境への負荷

木構造 (建築)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/29 09:17 UTC 版)

木構造の環境への負荷

木構造は、他構造に比べ環境への負荷が少ない構造形式である。

  • 使用する木材は、太陽光などの自然エネルギーによって生育するものであり、製造に伴う二酸化炭素排出量が少ない。
  • 材料の比重が軽量であるため、材料の運搬に伴う二酸化炭素排出量が少ない。
  • 材料加工・組み立てが容易であるため、建築作業に伴う二酸化炭素排出量が少ない。
  • 建築物の存在期間中、木材中の炭素を建築物に固着させておく効果がある。

日本における木構造建設の動き

2010年、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が成立。国が関与する公共建築物において木材利用を積極的に取り組むとともに、地方公共団体や民間事業者にも木材利用の取組を促がすこととなった[8]。2018年度に国が整備した低層公共建築の木造化率は、78.6%(98棟うち78棟)に達している[9]。 2021年、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が、脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律として改正された。目的の見直しや、対象となる建築物を公共建築物から民間を含む建築物一般へ拡大するなどが行われた[10]

2024年(令和6年)、三井不動産は東京都日本橋に国内最大、最高層の木造ビル建設に着手した。地上18階建て、高さ84メートル、延べ床面積は28,000平方メートル。一般的な鉄骨造りのオフィスビルと比較して躯体部分で二酸化炭素の排出量を約30%削減できるとしている[11]

脚注

参考文献

  • 『建築関係法令集』建築法規編集会議編
  • 『木造住宅工事仕様書(解説付)』(財)住宅金融普及協会
  • 『枠組壁工法住宅工事仕様書(解説付)』(財)住宅金融普及協会
  • 『木質構造設計規準・同解説 -許容応力度・許容耐力設計法-』(社)日本建築学会
  • 『木造軸組工法住宅の許容応力度設計』(財)日本住宅・木材技術センター

関連項目


  1. ^ 大林組『秀吉が京都に建立した世界最大の木造建築 方広寺大仏殿の復元』 2016年
  2. ^ 岸田林太郎、中江 斉 著『木造建築工法』工学図書株式会社、1976年、改訂版・まえがき
  3. ^ 木材使ったガソリンスタンドが登場、安全性は大丈夫?”. ITmedia ビジネスオンライン. 2022年11月12日閲覧。
  4. ^ 耐火木造に挑んだ全国初のガソリンスタンド”. 日本経済新聞 (2017年10月20日). 2021年4月29日閲覧。
  5. ^ 木造住宅密集地域の整備促進東京都ホームページ
  6. ^ 「地震時等に著しく危険な密集市街地」について国土交通省 報道発表資料(2012年10月12日)
  7. ^ 不燃化特区の制度東京都ホームページ
  8. ^ 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律”. 林野庁ホームページ (2020年4月10日). 2020年4月29日閲覧。
  9. ^ 「国の公共建築物木造化率が78.6%に続伸」『林政ニュース』第625号p4 2020年3月25日 日本林業調査会
  10. ^ 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(改正後:脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律):林野庁”. 林野庁. 2021年7月5日閲覧。
  11. ^ 「国内最大・最高層の木造ビル着工」『ザイモク新聞』2024年(令和6年)1月10日 1面


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