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失われた時を求めて

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/13 08:36 UTC 版)

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注釈

  1. ^ 加筆修正のための余白がなくなると、プルーストは図のように大きな付箋を貼り付けてその上に加筆を行なっていた。プルーストは、この付箋を「パプロル」と呼び、草稿段階でも多用した[1]
  2. ^ 一般的な長編小説の10冊分にあたり、『源氏物語』の数倍の長さである[6][9]
  3. ^ 最初の第1巻刊行前の1913年7月には、第1巻を『一杯のお茶のなかの庭』あるいは『名前の時代』にし、第2巻を『言葉の時代』、第3巻を『物の時代』にする構想もあった[32]
  4. ^ プルーストは初め第6篇に『逃げ去る女』という題を考えていたが、このころタゴールの小説が同じ題で仏訳されていたため『消え去ったアルベルチーヌ』という題も考えて迷っていた[1]
  5. ^ 明示されていないが、これは大人になった語り手が療養所(サナトリウム)で過ごしている時代であることは、前段階の草稿などから看取されている[7][20]
  6. ^ 少年期の回想の舞台コンブレーフランス語版のモデルになったのは父親アドリヤンフランス語版の故郷である、シャルトル大聖堂で有名なシャルトルから西に20キロメートルの所にある田舎町のイリエである[36]。小説が有名になったため、現在の町の名前はイリエ=コンブレーフランス語版と呼ばれている[3][6]
  7. ^ このように、ある特定の香りから、それにまつわる過去の記憶 (Involuntary memoryが呼び覚まされる現象は、心理学神経学では「プルースト現象」として知られているが、これは本作に由来する命名である[37]
  8. ^ ルイ・ド・ルヴロワ・ド・サン=シモン公爵フランス語版は『回想録』の中で、ルイ14世を「並以下の知性」「滑稽きわまる愚行」などと辛辣に批判し、ルイ14世の死後の宮廷の様子も記していた[32]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 「第二部 プルーストの作品と思想 第二章『失われた時を求めて』 二 作品の生い立ち」(石木 1997, pp. 124–139)
  2. ^ NCID BN07508814NCID BN07511105集英社光文社を参照。
  3. ^ a b c d e f g h i j 「第二章 虚構の自伝」(鈴木 2002, pp. 35–50)
  4. ^ 「口絵写真」(鈴木ラジオ 2009
  5. ^ a b c d e f g 「年譜」(鈴木 2002, pp. 235–247)
  6. ^ a b c d e f 「15 マルセル・プルースト『失われた時を求めて』 工藤庸子解説」名作 2016, pp. 270–298
  7. ^ a b c d e 「第二部 プルーストの作品と思想 第二章『失われた時を求めて』 一 梗概」(石木 1997, pp. 115–124)
  8. ^ a b c d e f 「はじめに」(吉川 2004
  9. ^ a b c d e f 「はじめに」(鈴木ラジオ 2009, pp. 3–10)
  10. ^ "Longest novel". Guinness World Records Limited (英語). 2021年5月13日閲覧
  11. ^ 篠田 2000
  12. ^ 「はしがき」(石木 1997, pp. 3–6)
  13. ^ a b c d e f g 「第一回 プルーストの生涯と小説史における位置」(鈴木ラジオ 2009, pp. 11–21)
  14. ^ a b c d e f g 「第一章 プルーストの位置」(鈴木 2002, pp. 17–34)
  15. ^ a b c d e f g h i j k 「第二回 『コンブレ―』に始まる文学発見の物語」(鈴木ラジオ 2009, pp. 22–35)
  16. ^ a b c d e f g 「第十章 芸術の創造と魂の交流」(鈴木 2002, pp. 195–224)
  17. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 「第二部 プルーストの作品と思想 第二章『失われた時を求めて』 四 作品研究――その二」( 石木 1997, pp. 157–186)
  18. ^ a b c d e 「終章 読書について」(鈴木 2002, pp. 225–230)
  19. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 「第二部 プルーストの作品と思想 第二章『失われた時を求めて』 三 作品研究――その一」(石木 1997, pp. 139–157)
  20. ^ a b c 「第一章 序曲『不眠の夜』」(吉川 2004, pp. 1–36)
  21. ^ a b c d e f 「第一章 プルーストの生涯 第四章 創作の時代 一 本格的な創作活動へ」(石木 1997, pp. 64–74)
  22. ^ a b c d e f g h i 「第一章 プルーストの生涯 第四章 創作の時代 二 文壇への足がかりを築く」(石木 1997, pp. 74–82)
  23. ^ a b c d e 「第一章 プルーストの生涯 第四章 創作の時代 三 栄光と死」(石木 1997, pp. 82–88)
  24. ^ a b c d 「第三章 初めにコンブレ―ありき」(鈴木 2002, pp. 51–64)
  25. ^ a b 「第二部 プルーストの作品と思想 第二章『失われた時を求めて』 おわりに」(石木 1997, pp. 187–191)
  26. ^ a b c d e f g h 「第五回 『花咲く乙女たち』とエルスチール」(鈴木ラジオ 2009, pp. 62–74)
  27. ^ チリエ 2002, p. 240
  28. ^ a b 「第二部 プルーストの作品と思想 第一章 初期の作品 四 パスティッシュ(模作)」(石木 1997, pp. 106–114)
  29. ^ a b 「第二部 プルーストの作品と思想 第一章 初期の作品 二『ジャン・サントゥイユ』」(石木 1997, pp. 96–102)
  30. ^ a b c d e f 「第六章 社交界とスノブたち」(鈴木 2002, pp. 103–128)
  31. ^ チリエ 2002, pp. 244–245
  32. ^ a b c d e f g 「第五章 フォーブール・サン=ジェルマン」(鈴木 2002, pp. 77–102)
  33. ^ チリエ 2002, p. 246
  34. ^ a b 「第九章 アルベルチーヌまたは不可能な愛」(鈴木 2002, pp. 175–194)
  35. ^ チリエ 2002, pp. 248–250
  36. ^ a b 「第一章 プルーストの生涯 第一章 幼年時代 一 両親の家系とその生活環境」(石木 1997, pp. 15–20)
  37. ^ プルースト現象』 - コトバンク
  38. ^ a b c 「第三回 スワンの恋とスノビズム」(鈴木ラジオ 2009, pp. 36–48)
  39. ^ チリエ 2002, p. 234
  40. ^ a b 「第十回 『囚われの女』と『逃げ去る女』」(鈴木ラジオ 2009, pp. 132–145)
  41. ^ a b c d e f g h 「第一章 プルーストの生涯 第三章 青年時代 二 社交界と彼をめぐる人間模様」(石木 1997, pp. 38–54)
  42. ^ 「第一章 プルーストの生涯 第二章 リセ時代 一 さまざまな出会い」(石木 1997, pp. 25–31)
  43. ^ a b c 「第一章 プルーストの生涯 第三章 青年時代 三 ラスキンへの傾倒」(石木 1997, pp. 54–60)
  44. ^ a b チリエ 2002, p. 302
  45. ^ チリエ 2002, p. 227
  46. ^ 「第二章 『コンブレ―』の構成」(吉川 2004, pp. 37–70)
  47. ^ a b 「第三章 『スワン家のほう』と『ゲルマントのほう』」(吉川 2004, pp. 71–112)
  48. ^ 「訳者解説」(抄訳3 2002, pp. 496–497)
  49. ^ a b c d e f g h 「第七章 スワンまたは世紀末のユダヤ人」(鈴木 2002, pp. 129–152)
  50. ^ a b c d 「第九回 ユダヤ人の肖像」(鈴木ラジオ 2009, pp. 117–131)
  51. ^ a b c d 「第八回 同性愛の文学表現と倒錯者の孤立」(鈴木ラジオ 2009, pp. 103–116)
  52. ^ チリエ 2002, p. 256
  53. ^ 鈴木9 1999, p. 119
  54. ^ チリエ 2002, p. 257
  55. ^ チリエ 2002, p. 258
  56. ^ a b チリエ 2002, p. 272
  57. ^ a b c 「第七回 祖母の死と『ある親殺しの感情』」(鈴木ラジオ 2009, pp. 89–102)
  58. ^ 「第十二回 大戦下のシャルリュス男爵と、ゲルマント大公夫人の午後の集い」(鈴木ラジオ 2009, pp. 160–174)
  59. ^ アロマ用語辞典「プルースト効果(プルースト現象)」(2010年12月12日閲覧)
  60. ^ a b チリエ 2002, p. 280
  61. ^ 「第四章 芸術への道」(吉川 2004, pp. 113–150)
  62. ^ a b 「第十一回 ヴァントゥイユの『七重奏曲』と精神の現実」(鈴木ラジオ 2009, pp. 146–159)
  63. ^ 鈴木9 1999, p. 293
  64. ^ 「第十三回 文学の素材としての生涯」(鈴木ラジオ 2009, pp. 175–188)
  65. ^ a b チリエ 2002, p. 268
  66. ^ チリエ 2002, p. 269
  67. ^ 「第八章 シャルリュス男爵または孤高の倒錯者」(鈴木 2002, pp. 153–174)
  68. ^ チリエ 2002, p. 298
  69. ^ チリエ 2002, pp. 292–296
  70. ^ チリエ 2002, p. 292
  71. ^ チリエ 2002, p. 164
  72. ^ チリエ 2002, p. 310
  73. ^ チリエ 2002, p. 311
  74. ^ a b c チリエ 2002, p. 312
  75. ^ “(寄稿)困難な時代に与える勇気 プルースト生誕150年、現代への指針 吉川一義:朝日新聞デジタル”. (2021年10月7日). https://www.asahi.com/articles/DA3S14964673.html 
  76. ^ 処女作の単著は『心の間歇』(弘文堂書房・世界文庫、1940年)を刊行。新書判の抜粋訳






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