同人誌印刷所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/11 15:07 UTC 版)
料金
同人誌印刷所の印刷料金は、その印刷所で最低限の装丁の同人誌を納品するための基本料金がベースになっている。製本される本のサイズと、ページ数(表紙含む)、印刷部数によって、基本料金の額が段階的に定められている。基本料金には、大まかに以下のものが含まれて計算されている。
- 面付料金
- 製版料金
- 表紙代金(色上質紙であることが多い)
- 本文用紙代金(白い上質紙であることが多い)
- 表紙印刷料金(1色刷りまたは2色刷りであることが多い)
- 本文印刷料金(基本的にスミ刷り)
- 製本料金
基本料金に追加料金を加えることによって、様々な追加装丁をプラスすることが出来る。主なものは以下の通り。
- フルカラー表紙印刷料金(CMYKの4色、またはそれに蛍光ピンクを加えた5色。色分解料金、製版料金も含まれる)
- 表紙の特殊紙料金(1枚あたりの単価*印刷部数分。予備の枚数分を要求されることもある)
- 本文の紙変え料金(連量の厚い上質紙やコミック紙、書籍用紙など)
- インク代(スミ以外のインクで刷る場合)
- 多色刷り料金(2色刷りや3色刷り。4色以上はフルカラーの方が安い)
- 箔押し料金(型代+1枚あたりの単価)
- 遊び紙料金
- 特殊版型に断裁する料金
基本料金とは別に、セットものと呼ばれる印刷商品もある。これは、印刷所が指定した装丁で入稿される原稿に、基本料金から計算するよりも割安な価格で受注するというものである。セット商品には印刷所によって色々なものがあり、セット商品が多いことを売りにしている印刷所もある。
イベント合わせの場合、締切日よりも早期(おおよそ1か月 - 3週間前)に入稿すると、早期入稿割引が適用されることがある。逆に、締切を過ぎてからの入稿は、割増料金が加算されるので望ましくない。ただし、大台印刷の場合は別に締切が設定されていることも多い。
オフセット印刷料金は、競争原理によって長らく下落の傾向が見られたが、2017年現在は印刷資材(紙やインク、さらにオフセット印刷機の場合は印刷用ローラー)の価格上昇により、上昇の傾向にある。一方で、オンデマンド印刷料金はオフセット印刷ほどの価格上昇は見られない。これはオンデマンド印刷機のランニングコストが低いためである。
- ^ 「表現者たちへ」 米澤嘉博 共信印刷マニュアル(1994)
- ^ 2017年現在、ダイレクト製版機を製造しているメーカーは、世界中で日本の1社しか存在しない[1]。
- ^ アナログ原稿 - 同人誌印刷ドットコム
- ^ よくある質問と回答 - サングループ
- ^ アサヒ・インターナショナル
- ^ a b c 「ねこのしっぽマニュアル」 ねこのしっぽ 2013年
- ^ 2016年の場合、広島市の有限会社ユニプリントがこれにあたる。
- ^ くりえい社の名古屋オフィス・東京オフィス、大陽出版の渋谷営業所(秋葉原に集約)、しまや出版の十条店・池袋店、あかつき印刷の東京事務所などがこれにあたる。
- ^ [2]
- ^ [3]
- ^ [4]
- ^ [5]
- ^ [6]
- ^ a b c 「マンガの書き方マニュアル」 くりえい社 2013年
- ^ a b c d [7]
- ^ ヘタという意味ではない。
- ^ 「BRO'S PRINT MANUAL ver.6」 ブロス 2013年
- ^ 「くりえい社小説本マニュアル」 くりえい社 2007年
- ^ 「マニュアル 初心者用」 あかつき印刷 2008年
- ^ a b 「金沢印刷 マニュアル 改訂版」 金沢印刷 2013年
- ^ [8]
- ^ a b c 「SUNRISE CREATIVE MANUAL 2013」 サンライズパブリケーション 2013年
- ^ 「トラブル事例集」 サンライズパブリケーション 2013年
- ^ 「あなたの常識わたしの非常識」 あかつき印刷 2008年
- ^ [9]
- ^ a b c d 「よい印刷屋さんの本」 vol.9 - vol.11 日本同人誌印刷業組合 1997年 - 1998年
- ^ [10]
- ^ 成人ジャンルで活動される作家様へ - 日本同人誌印刷業組合
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