北宇智駅
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スイッチバック(現在は解消)
当駅は2007年3月18日まで、駅に停車するためにスイッチバックが必要な構造となっており、関西2府4県では唯一の例であった。最急勾配こそ20パーミル程度だが、開業時は蒸気機関車の牽引する列車ばかりだったため必須の設備であった。その後に蒸気機関車は廃止となり、やがて電化されたためにスイッチバックの必要性は薄れたが、設備は残されていた。
その当時は相対式ホーム2面2線を有し、列車の交換を行うことができた。駅舎側が1番線、向かいが2番線で、それぞれ五条方面ゆきと王寺方面行きであった。五条方面から当駅に停車する場合には、まず引上線に入り、そこからスイッチバックして駅に入線した。王寺方面からはこれと逆の行程である。なお、列車が当駅を通過する場合にはスイッチバックをする必要はなく、駅構内および引上げ線に入らずそのまま渡り線を通ることができた[注釈 2]。また、スイッチバックによる入換作業中は4分程度遮断機が下りたままになるため、駅北方にある踏切道にはその旨が書かれた看板が立てられていた。
スイッチバックをする際、運転士は運転席を移動せずに車掌の無線による誘導で上半身を運転席から外に乗り出して後退していたが、2006年3月18日のダイヤ改正以後、運転席を移動するようになった[注釈 3]。しかし、2006年3月23日および27日に運転士のATSの入れ忘れ事故が立て続けに発生したため、事故防止策としてスイッチバックを廃止することとなった[1]。
2007年3月17日22時頃 - 3月18日9時頃は全列車が北宇智駅を通過。3月18日9時頃 - 17時30分頃は吉野口駅 - 五条駅間を運休として線路の切替え作業が行われ、この間は吉野口駅 - 五条駅間で代行バスが運行された。このスイッチバックの解消に伴い、吉野口駅 - 五条駅間の営業キロが0.4km短縮され[注釈 4]、区間によっては運賃が値下げとなった[4]。
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旧駅舎(2006年12月24日)
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旧跨線橋(撤去済)上から旧駅構内、五条方を望む。左側の単線が本線。(2002年11月6日)
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旧引き上げ線から住川街道踏切、駅構内を望む。(2005年12月4日)
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旧引き上げ線(2007年3月4日)
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踏切の閉鎖時間が長いことをことわる看板。(2007年3月4日)
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高田、王寺方面は跨線橋から対面ホーム 案内看板(2007年1月)
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 42号 阪和線・和歌山線・桜井線・湖西線・関西空港線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2010年5月16日、20-21頁。
- ^ a b c d e f 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、360頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ “「通報」●奈良線上狛駅ほか17駅の駅員無配置について(旅客局)”. 鉄道公報 (日本国有鉄道総裁室文書課): p. 4. (1984年10月19日)
- ^ 『和歌山線北宇智駅の駅構内改良に伴うバス代行』(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2007年2月19日。 オリジナルの2007年11月5日時点におけるアーカイブ 。2012年3月3日閲覧。
- ^ 令和2年度 奈良県統計年鑑 第13章 運輸及び通信-JR輸送実績(xls 30KB)
- ^ 奈良県国際課: “つじの山古墳”. 奈良県 (2011年1月20日). 2022年8月1日閲覧。
- ^ “ゴーちゃんタクシー 北宇智方面コース”. 五條市 (2022年11月9日). 2022年8月1日閲覧。
固有名詞の分類
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