冥王代
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後期重爆撃期
後期重爆撃期とは、アメリカのアポロ計画で持ち帰った月の石の分析結果から判明した事件。約38億年から40億年前の短期間に集中的に大量の巨大な隕石が月に落下した。月の表面に黒っぽく見える「海」は、大きな隕石が衝突して月の地殻がえぐられその下のマントルが溶解して玄武岩質溶岩のマグマとなってたまった低地であるが、アポロ計画で持ち帰った「海」の石の年代分析を行った結果、形成時期が38億年から40億年前であることが分かった[18]。地球は月のすぐ近くに存在し重力も大きいので、この時期に地球にも月と同等以上の隕石が落下したと考えられる。当時地表に地殻が形成されていたとしても、隕石落下の衝撃で破壊されてしまったため40億年より古い岩石はほとんど残っていないとする説がある[19]。この時期に生命が存在していた証拠は無いが、もし存在したとすると巨大隕石衝突のエネルギーですべての海水が蒸発するような悪条件の中でも生き残ったことになる。生物の遺伝子分析によれば最も古い生物は熱に強い好熱菌や超好熱菌に分類されるので、隕石衝突を生き抜けたのかもしれない[20]。
脚注
参考文献
- 川上紳一; 東條文治 『図解入門 最新地球史がよくわかる本』秀和システム、2006年。ISBN 4-7980-1260-2。
- 松井孝典 『地球進化論』(新)岩波書店〈岩波現代文庫〉、2008年。ISBN 978-4-00-600203-9。
- 田近英一 『地球環境46億年の大変動史』科学同人、京都〈Dojin選書〉、2009年。ISBN 978-4-7598-1324-1。
- 田近英一 『凍った地球 : スノーボールアースと生命進化の物語』新潮社〈新潮選書〉、2009年。ISBN 978-4-10-603625-5。
- 平朝彦・阿部豊・川上紳一・清川昌一・有馬眞・田近英一・箕浦幸治 新装版地球惑星科学13『地球進化論』岩波書店 2011年 ISBN 978-4-00-006989-2
- 小嶋稔・是永淳・チン-ズウ・イン 『地球進化概論』岩波書店 2013年 ISBN 978-4-0000-6249-7
関連項目
注釈
出典
- ^ 川上紳一・東條文治『図解入門 最新地球史がよく分かる本 [第2版]』秀和システム 2009年 170ページ
- ^ “International Stratigraphic Chart(ICS)”. The International Commission on Stratigraphy (ICS). 2009年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年4月24日閲覧。
- ^ 『凍った地球 : スノーボールアースと生命進化の物語』p29
- ^ “アカスタ片麻岩”. 2020年11月7日閲覧。
- ^ 「地球進化論」p3
- ^ 「地球進化概論」p11
- ^ 「地球進化概論」p12-13
- ^ 「地球進化概論」p15
- ^ 「地球進化概論」p10-11
- ^ 「地球進化概論」p16
- ^ 「地球進化論」p19-20
- ^ 「地球進化概論」p17
- ^ 「地球進化概論」p33
- ^ 「地球進化概論」p31-33
- ^ 「地球進化概論」p33-34
- ^ 「最新地球史が良く分かる本」p97-98
- ^ 「地球進化概論」p42
- ^ 「最新地球史が良く分かる本」p135-137
- ^ 「最新地球史が良く分かる本」p136
- ^ 「地球環境46億年の大変動史」p59-60
固有名詞の分類
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