久坂玄瑞 坂本龍馬に託した書状

久坂玄瑞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/07 06:14 UTC 版)

坂本龍馬に託した書状

平成22年(2010年4月12日NHK大河ドラマ龍馬伝』の放送で坂本龍馬はじめ維新志士らへの関心が高まっている中、土佐山内家宝物資料館が、久坂玄瑞が文久2年(1862年)、を訪れた龍馬に託した武市半平太宛ての書状を、報道陣に公開した。

その書状の内容はおおよそ以下の通り。玄瑞の「諸侯たのむに足らず、公卿たのむに足らず、草莽志士糾合義挙のほかにはとても策これ無き事」「尊藩(土佐藩)も弊藩(長州藩)も滅亡しても大義なれば苦しからず」という考えが、龍馬の脱藩に影響したと言われている[43] [44]坂本龍馬は2月末に土佐に戻り3月24日に脱藩した)。

「草莽志士糾合義挙のほかにはとても策これ無き」とは吉田松陰の唱えた「草莽崛起論」が基になっている。

その後はいかがなせられます候や、こないだは山本、大石君ご来訪下せられ、何ら風景もこれ無く、お気の毒千萬存じ奉り候。最早、ご帰国ならんと御察しつかまつり候。この度、坂本君お出むきあらせられ、腹蔵無くご談合つかまつり候頃、くわしくはお聞取り願い奉り候。結局、諸侯たのむに足らず、公卿たのむに足らず、草莽志士糾合義挙のほかにはとても策これ無き事と、私ども同志うち申し合いおり候事に御座候。失敬ながら、尊藩(土佐藩)も弊藩(長州藩)も滅亡しても大義なれば苦しからず。両藩共存し候とも、恐れ多くも皇統綿々、萬乗の君のご叡慮相貫き申さずしては、神州に衣食する甲斐はこれ無きかと、友人共申し居り候事に御座候。ついては坂本君に御申談つかまつり候事ども、あつく御熟考下さるべく候。もっとも沈察を尊ぶは申すまでもこれ無く候。樺山三円よりは此内書状来る、彼藩も大に振い申し候よし。友人を一両のうちにつかわすつもりに御座候。様子次第、尊藩へも差出し申すべくと存じ申し候。何も坂本様より御承知ならんと草々乱筆推読、これ祈り敬白。

  1. ^ 『花冠の志士-久坂玄瑞伝-』 p.5
  2. ^ 武田『久坂玄瑞』 p.14
  3. ^ 武田『久坂玄瑞』 p.17
  4. ^ 『花冠の志士-久坂玄瑞伝-』 p.16
  5. ^ 立石『久坂玄瑞』 p.44
  6. ^ 立石『久坂玄瑞』 p.46
  7. ^ 武田『久坂玄瑞』 p.30
  8. ^ 武田『久坂玄瑞』 p.32
  9. ^ 武田『久坂玄瑞』 pp.33-35
  10. ^ 武田『久坂玄瑞』 p.35
  11. ^ 武田『久坂玄瑞』 pp.37-38
  12. ^ 『花冠の志士-久坂玄瑞伝-』 pp.36-37
  13. ^ 立石『久坂玄瑞』 pp.76-77
  14. ^ 武田『久坂玄瑞』 pp.46-47
  15. ^ 武田『久坂玄瑞』 pp.163-175
  16. ^ 武田『久坂玄瑞』 pp.196-199
  17. ^ 『思想からみた明治維新―「明治維新」の哲学』 p.165
  18. ^ 『日本の思想家50 高杉晋作 久坂玄瑞』 pp.237-244
  19. ^ 『思想からみた明治維新―「明治維新」の哲学』 pp.165-171
  20. ^ 『思想からみた明治維新―「明治維新」の哲学』 pp.166-167
  21. ^ 『花冠の志士-久坂玄瑞伝-』 pp.168-169
  22. ^ 『思想からみた明治維新―「明治維新」の哲学』 p.170
  23. ^ 長文連『奇兵隊』 p.56
  24. ^ 長文連『奇兵隊』 pp.15-16
  25. ^ 長文連『奇兵隊』 pp.83-84
  26. ^ 長文連『奇兵隊』 p.110
  27. ^ 長文連『奇兵隊』 p.91
  28. ^ 長文連『奇兵隊』 pp.85-88,102-104
  29. ^ 『思想からみた明治維新―「明治維新」の哲学』 p.175
  30. ^ 武田『久坂玄瑞』 p.328
  31. ^ 『思想からみた明治維新―「明治維新」の哲学』 p.176
  32. ^ 「文妹の久坂氏へ嫁ぐに贈る言」安政4年(1857年)12月5日
  33. ^ 『松陰とその門下』
  34. ^ 「久坂玄瑞の壮行を祝して」安政5年(1858年)2月
  35. ^ 「高杉晋作の上京にあたっての壮行の辞」安政5年(1858年)7月
  36. ^ 「久坂實甫遺稿」
  37. ^ 頭山満『英雄を語る』時代社、1942年
  38. ^ 「明治維新後、木戸孝允に対して」
  39. ^ 頭山満『英雄を語る』
  40. ^ 「時勢論」
  41. ^ 『吉田松陰全集 第12巻』マツノ書店版
  42. ^ a b 『勤王芸者 維新情史』
  43. ^ 飛鳥井『坂本龍馬』 140-141ページ、147-148ページ
  44. ^ 『幕末・維新』 105ページ
  45. ^ 山口県立山口博物館研究報告 第43号』 2017年3月30日、p.52。


「久坂玄瑞」の続きの解説一覧




久坂玄瑞と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「久坂玄瑞」の関連用語

久坂玄瑞のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



久坂玄瑞のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの久坂玄瑞 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS