与野フードセンター 完全子会社化後の動き

与野フードセンター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/12 09:29 UTC 版)

完全子会社化後の動き

公式ホームページの変更

2020年9月1日よりエコスのホームページ(以下HP)にマスダ等の他の子会社と共に与野フードがグループ会社としてロゴ入りで掲載され、彩鮮館・Yバリュー・フードガーデンの各店舗もエコス・たいらや等の店舗と並んで紹介されるようになった。

与野フードの既存HPは2020年7月の春日部大沼店の閉店告知が掲載されなかったりスタッフブログの更新が止まる等、子会社化発表前と比べて情報の精度が下がりながらも2020年9月1日以降もエコスHPと併存していたが、翌10月上旬頃からアクセス出来なくなり、エコスHP上のみでの情報開示に一本化された(発表当初の子会社化の予定が10月以降であり、また10月上旬の与野フード創業60周年の諸行事が終了した事が一つの節目になったと考えられる)。

与野フード本社のFacebook・一部店舗のtwitterアカウントは未だ残っているものの、現在は運用されていない。

尚、2019年11月にエコスから子会社化の方針が発表されて以降2020年9月の完全子会社化および10月のHP閉鎖に至るまでの間、与野フード既存HP上で一般消費者等に向けた子会社化についての具体的な発表・説明が行われる事は無かった。

ワイワイポイントカードの運用終了

2002年から彩鮮館与野店やフードガーデン等の新店を中心に実験的に導入され、やがて与野フード全店が対象となった『ワイワイポイントカード』は完全子会社化以降エコスグループ全店で利用可能となっていたが、2022年(令和4年)6月30日を以て取り扱いを終了しエコスグループ全体で展開している電子マネー機能付の新『ハッピーカード』(2020年10月より導入)に完全移行した(エコス既存の『ハッピーカード』『たいらやメンバーズカード』も同時に終了)[41]

この決定は与野フードに対する個別の改善策というよりも、独自の電子マネーの導入・拡大により経費効率の改善と顧客囲い込みを図るエコスグループ全体の方針に沿う要素が強いものと考えられる[42]

エコスグループのコーポレート・ガバナンス、内部統制への包含

エコスの「会社の体制及び方針」に関する事業報告によれば、グループ会社への対応として

  • 当社の社是「正しい商売」・社訓に加え、広く法令及び定款の順守を当社グループ各社の取締役・従業員等の行動規範とし、コンプライアンス体制の構築と整備を徹底する。
  • その徹底のため、総務部はコンプライアンスの取り組みを横断的に統括し、取締役・従業員等に対し教育等を実施する。
  • 法令及び定款上疑義のある行為等について、(中略)内部通報制度規定を設け、「グループホットライン」を設置・運営する。
  • 当社の職務分掌、指揮命令系統及び意思決定その他の組織に関する基準に準拠した体制を構築させる。
  • 当社及び連結子会社は、企業集団の業務の適正化を確保するため、担当取締役会による部門別グループ担当者会議を開催し、<子会社の執行状況を確認する体制をとる。
  • 連結子会社の社長は、当社の月次開催の経営会議及び取締役会に出席し、自社の営業成績、営業施策の状況ならびに財務状況を報告する。

等の体制が敷かれている。[43]

今後、与野フードもこのような一部上場企業のコーポレート・ガバナンス内部統制に組み込まれ監督される事により、子会社化前からの経営状況やコンプライアンス体制の大幅な改善が期待される。

一般事業主行動計画の公表

2020年9月以降のエコスHP上での発表により、7月14日の株式譲渡契約締結後、以下の計画がエコス本体の2018年4月1日〜2021年3月31日の3ヵ年計画にほぼ準拠する内容で8月中旬からスタートしていた事が明らかになった。

株式会社与野フードセンター 一般事業主行動計画(次世代育成支援対策推進法、女性活躍推進法に基づく行動計画)

「与野フードセンターは、当社で働く従業員に子育てに関する支援を積極的に行い、仕事と家庭を両立しながら働くことができる環境作りの促進と、従業員がその能力を十分に発揮できる体制の確立を目指し、次世代育成支援対策推進法と女性活躍推進法に基づいて下記のように行動計画を策定しました。

1.計画期間 2020年8月16日〜2021年3月31日まで

2.内容(次世代育成支援対策推進法)

(1) 仕事も育児もバランスよく両立できる職場環境・制度づくり

< 目 標 > ・配偶者の出産時、父親が取得できる特別休暇について、取得を促進する ・男性の子育て目的の休暇の取得を促進する

< 対 策 > ・社内情報ツールを活用した周知・啓発を実施する ・ルールに沿った対応の他、個別の事情も踏まえた柔軟な対応をする

(2) 年次有給休暇の取得促進

< 目 標 > ・年次有給休暇取得率の向上

< 対 策 > ・夏期休暇などの長期リフレッシュ休暇の取得を促進する ・必須資格受験、自己啓発に有給休暇取得を促進する ・稼働計画の適正化を推進する

3.内容(女性活躍推進法に基づく行動計画)

(1) 女性が働きやすい職場づくり

< 目 標 >

全社員に占める女性比率を75%以上にする

< 対 策 > ・新卒の説明会で女性が活躍できる職場であることを積極的に広報する ・女性の内定者と、女性社員との交流会を実施する

(2) 女性が活躍できる職場づくり

< 目 標 >

女性管理職を増やす(2020年8月 0名 ⇒ 2021年3月 1名)

< 対 策 > ・現在、役職についている方を対象に管理職志向を醸成する研修を実施する

・パートナー社員から正社員への転換制度を積極的に運用する」

[44]

上記計画は、与野フードが一部上場企業のグループ会社となるに当たり、労働基準法男女雇用機会均等法といった法令の遵守(企業コンプライアンス)の意識が希薄で、モラル崩壊によるセクハラパワハラ・残業代未払い・故意に自己都合退職へと誘導する強引な退職勧奨によるリストラ実施等の労働問題(労働基準監督署等から事実関係の調査・報告を求められた事例もある)が起きがちだった社風を変える為に次世代育成支援対策推進法女性活躍推進法に基づいた具体的な対策を実際の株式・権限の委譲が行われるより前に早急にスタートさせる必要があった事から、8月16日〜を計画期間としたと推察される。

2021年(令和3年)4月1日からの新たな3ヵ年計画では有給取得率・月平均残業時間の上限・非正規社員から正社員への年間登用人数など具体的な数値目標が設定され、計画実現に向けてより踏み込んだ内容となっている[45]

今後は上記のようにエコスの監督・指導の下、企業コンプライアンスを重視した取り組みの加速や、エコスが今までに買収した食品スーパー「エーリスウエノ」「うえのユーマート」「マスダ」「やまうち」などと同様に、エコスグループ色を前面に押し出した店舗モデルへの転換、エコス本体との一体運営などが想定される[42][46][43]


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