レスラー方程式 レスラー方程式の概要

レスラー方程式

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/20 03:31 UTC 版)

xy位相平面におけるレスラー・アトラクタの軌道(a = 0.2、b = 0.2、c = 5.7)

ここで、t連続時間独立変数)、xyzt従属変数abc定数(パラメータ)。レスラー系とも呼ばれる[3]

西ドイツの化学者オットー・レスラーにより、1976年の論文 "An equation for continuous chaos" で最初に提唱された[4][5]。レスラーは、1963年にアメリカの気象学者エドワード・ローレンツが発表したローレンツ方程式カオスに触発され、ローレンツ方程式をより単純化した方程式からカオスが生み出されることを考察するために導入した[6]。ローレンツ方程式は気体熱対流計算モデルから方程式を導いたのに対して[7]、レスラー方程式は実在の物理現象をベースにせずカオスの研究のために作為的に導入されたものである[5]

カオスが発生するには、力学系は必ず非線形性を持つ必要があり[8]、なおかつ連続時間力学系の場合は3変数以上が必要になる[9]。レスラー方程式の非線形項は第3式目の xz のみとなっており、カオスを発生させる連続時間力学系の中でも非常に単純な非線形しか持たない点が特筆される[1]


  1. ^ a b 合原 2011, p. 46.
  2. ^ Rössler & 1976-2, p. 1668.
  3. ^ a b Strogatz 2015, p. 411.
  4. ^ a b Rössler & 1976-1.
  5. ^ a b 合原 1990, p. 72.
  6. ^ Rössler & 1976-1, p. 397.
  7. ^ 下條 1992, p. 116.
  8. ^ 井上 1997, p. 56.
  9. ^ 井上 1997, p. 55.
  10. ^ 小室 2005, pp. 46–48.
  11. ^ 下條 1992, p. 72.
  12. ^ a b 小室 2005, pp. 138–139.


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