ミシシッピ川
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経済
ミシシッピ川は現在でもアメリカ内陸部の基幹輸送ルートである。ミシシッピ本流はミネアポリスまで大型船が遡行できる。支流であるミズーリ川、オハイオ川、テネシー川、アーカンザス川、カンバーランド川などもひろく船舶が遡行可能である。また、イリノイ川からイリノイ水路を通じてシカゴへと水路がつながっており、五大湖水路との連絡もある。
ミシシッピ川本流北部の沿岸はコーンベルトと呼ばれる大穀物生産地帯であり、中西部の穀物を河口附近の輸出港まではしけで大量輸送する大幹線となっている。ミシシッピ川を利用する貨物には沿岸で生産されるコムギやトウモロコシ、ダイズなどが多い[12]。船舶輸送はトラック・鉄道より圧倒的に大量の荷を低コストで輸送できるため、穀物輸送の主力輸送手段となっている。中西部で集荷された穀物は、大型の艀(バージ)に乗せられ、タグボートに導かれて川を下り、河口のニューオーリンズまで運ばれ、ここから全世界へと出荷される。このため、ニューオーリンズは現代でも河川水運と海運との結節点として、また穀物の輸出港として重要である。アメリカの穀物輸出の6割はメキシコ湾より輸出されるが、その輸出の大半はミシシッピ水系の河川輸送に拠っている[13]。
ミシシッピ川の水路の保守は、アメリカ国内の他の河川と同じくアメリカ陸軍工兵隊によって行われている[14]。これは、アメリカ合衆国憲法第1条8節3項によって州際通商が連邦政府の管轄となっている[15] ことによるもので、1899年の河川港湾法第10条よって他の河川と同じくミシシッピ川の保守もまたアメリカ陸軍工兵隊が担当することとなった。
注釈
出典
- ^ Kammerer, J.C. (1990年5月). “Largest Rivers in the United States”. U.S. Geological Survey. 2011年2月22日閲覧。
- ^ 「世界地誌シリーズ4 アメリカ」p15 矢ヶ崎典隆編 2011年4月25日初版第1刷 朝倉書店
- ^ 「アメリカ」(世界地誌シリーズ4)p26 矢ヶ﨑典隆編 朝倉書店 2011年4月25日初版第1刷
- ^ “Upper Mississippi River Floodplain Wetlands | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org (2010年5月1日). 2023年4月13日閲覧。
- ^ 「アメリカ」(世界地誌シリーズ4)p11 矢ヶ﨑典隆編 朝倉書店 2011年4月25日初版第1刷
- ^ 「海洋学 原著第4版」p418 ポール・R・ピネ著 東京大学海洋研究所監訳 東海大学出版会 2010年3月31日第1刷第1版発行
- ^ 「世界探検全史 下巻 道の発見者たち」p112 フェリペ・フェルナンデス-アルメスト著 関口篤訳 青土社 2009年10月15日第1刷発行
- ^ 「アリステア・クックのアメリカ史(上)」p77 アリステア・クック著 鈴木健次・櫻井元雄訳 NHKブックス 1994年12月25日第1刷発行
- ^ 「ルイス=クラーク探検 アメリカ西部開拓の原初的物語」p9 明石紀雄 世界思想社 2004年12月25日第1刷
- ^ 「商業史」p197 石坂昭雄、壽永欣三郎、諸田實、山下幸夫著 有斐閣 1980年11月20日初版第1刷
- ^ 「商業史」p200 石坂昭雄、壽永欣三郎、諸田實、山下幸夫著 有斐閣 1980年11月20日初版第1刷
- ^ 「ベラン世界地理体系17 アメリカ」p174 田辺裕・竹内信夫監訳 朝倉書店 2008年6月30日初版第1刷
- ^ 「地球を旅する地理の本 6 北アメリカ・オーストラリア」p90 大月書店 1993年11月29日第1刷発行
- ^ 「舟運都市 水辺からの都市再生」p25 三浦裕二・陣内秀信・吉川勝秀編著 鹿島出版会 2008年2月20日発行
- ^ https://ja.wikisource.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E5%90%88%E8%A1%86%E5%9B%BD%E6%86%B2%E6%B3%95#.E7.AC.AC1.E6.9D.A1 アメリカ合衆国憲法 ウィキソース 2015年5月2日閲覧
- ^ a b 「世界地誌シリーズ4 アメリカ」p24 矢ヶ崎典隆編 2011年4月25日初版第1刷 朝倉書店
- ^ GRDC - Mississippi Basin
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