ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカ
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ロペ・デ・ベガやティルソ・デ・モリーナの開拓した娯楽としての演劇の潮流を受け継ぎ、趣向を凝らした舞台装置、舞踊や音楽を織り込んだ、スペインにおける「ショー」としての演劇を完成させた。
『当世コメディア新作法』などでロペ・デ・ベガの提唱した「新しい演劇」(三幕、二重プロット、悲喜劇、王侯貴族と平民の混在、名誉と信仰のテーマ)を継いでいるが、カルデロンはさらに、修辞を駆使した、緻密で哲学的な独自の作風を築き上げた。
生涯に約120本の喜劇と約80編の聖体神秘劇を書いたと言われ、幕間劇や笑劇なども数十篇残している。名誉(オノール honor)をテーマにした劇(『名誉の医者』)、いわゆる「マントと剣」のコメディア(『淑女「ドゥエンテ」』)、歴史を題材にした喜劇・コメディア(『サラメアの司法官』 El alcalde de Zalamea)、また、現世の移ろいやすさと信仰の重要性をテーマとした哲学劇(『人生は夢』 La vida es sueño)、宗教劇(『驚異の魔術師』、『不屈の王子』)、ギリシア・ローマ神話を下敷とした神話劇(『エコーとナルキッソス』)など、創作の幅は極めて多岐にわたっている。代表作である『人生は夢』 はコメディアと神秘劇の両方が存在する。
ドイツではゲーテをはじめとするロマン主義の詩人や、ホフマンスタールやベンヤミンらもカルデロンを好んだ。
20世紀演劇におけるカルデロンの上演では、ポーランドの演出家イェジー・グロトフスキによる『不屈の王子』(1970年)が有名である。ほか、イタリアの詩人パゾリーニがカルデロンにインスパイアされた『カルデロン』という題の戯曲を執筆している。
1928年にスペインで発行された25ペセタ紙幣に肖像が使用されていた。
- 1 ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカとは
- 2 ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカの概要
- 3 参考文献
固有名詞の分類
スペインの劇作家 |
フアン・ルイス・デ・アラルコン フェデリコ・ガルシーア・ロルカ ペドロ・カルデロン・デ・ラ・バルカ ティルソ・デ・モリーナ ミゲル・デ・ウナムーノ |
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