ブルーフカ法 概要

ブルーフカ法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 07:11 UTC 版)

概要

このアルゴリズム1926年に、チェコの数学者オタカル・ボルフカモラヴィアでの電力網を敷く際に発見した[1][2][3]。またその後、ギュスターヴ・ショケ英語版(1938)[4]ウカシェヴィチら(1951)[5]・ソリン(1965)[6] がそれぞれ再発見した。前記した発見者のうち英語圏で生活していたのはソリンしかいないため、特に並列計算の分野ではソリンアルゴリズムとも呼ばれる。

アルゴリズムの解説

このアルゴリズムではまず、頂点ひとつのを全てのノードについて作成し、それぞれ全ての木について、重みが最小の探索する。この際、選ばれる辺は重複しても良い。選択された辺で繋がれた木は森(木の集合)に追加する。次に、重みが最小の辺を探索するという手順を、全ての森についても行う。これを森が一つの木になるまで繰り返す。一つの木になったらそれが最小全域木である。

イメージ 木・森 説明
{A}
{B}
{C}
{D}
{E}
{F}
{G}
アルゴリズム適用前のグラフでは、木を表す青い丸は、ノードひとつひとつについている。辺付近の数字は重みを表す。
{A,B,D,F}
{C,E,G}
アルゴリズムの反復の1回目では木の最小の重みの辺を選ぶ。辺AD, 辺CEはそれぞれ2回ずつ選択されている。グラフ全体では森がまだ2つ残っている。
{A,B,C,D,E,F,G} アルゴリズムの反復の2回目ではそれぞれの森から、他の森に繋がる最小の重みの辺である辺BEを選択する。木が一つになったためアルゴリズムは終了。

計算量

辺の数をE、Vを頂点の数として、ブルーフカ法はO(log V)回の反復をするため、計算には時間O(E log V)かかる。平面グラフでは、反復するごとにふたつの木の間で重みが最小の辺以外を取り除くことにより、より線形に近い計算量で済む。


  1. ^ Borůvka, Otakar (1926). “O jistém problému minimálním [About a certain minimal problem]” (cs, de). Práce Mor. Přírodověd. Spol. V Brně III 3: 37–58. https://dml.cz/handle/10338.dmlcz/500114. 
  2. ^ Borůvka, Otakar (1926). “Příspěvek k řešení otázky ekonomické stavby elektrovodních sítí (Contribution to the solution of a problem of economical construction of electrical networks)” (チェコ語). Elektronický Obzor 15: 153–154. 
  3. ^ Nešetřil, Jaroslav; Milková, Eva; Nešetřilová, Helena (2001). “Otakar Borůvka on minimum spanning tree problem: translation of both the 1926 papers, comments, history”. Discrete Mathematics 233 (1–3): 3–36. doi:10.1016/S0012-365X(00)00224-7. hdl:10338.dmlcz/500413. MR1825599. 
  4. ^ Choquet, Gustave (1938). “Étude de certains réseaux de routes” (フランス語). Comptes Rendus de l'Académie des Sciences 206: 310–313. 
  5. ^ Florek, K.; Łukaszewicz, J.; Perkal, J.; Steinhaus, Hugo; Zubrzycki, S. (1951). “Sur la liaison et la division des points d'un ensemble fini” (フランス語). Colloquium Mathematicae 2 (3–4): 282–285. doi:10.4064/cm-2-3-4-282-285. MR0048832. https://eudml.org/doc/209969. 
  6. ^ Sollin, Georges (1965). “Le tracé de canalisation” (フランス語). Programming, Games, and Transportation Networks. 





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ブルーフカ法」の関連用語

ブルーフカ法のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ブルーフカ法のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのブルーフカ法 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS