ブラキシズム ブラキシズムの概要

ブラキシズム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/22 14:54 UTC 版)

ブラキシズムは弄舌癖や咬唇癖のような無意識、無目的に行われる異常習癖と同様のものであり、動作が行われる際には咀嚼筋群の異常緊張[1]と、それに伴う歯および歯周組織への炎症性破壊、更に顎関節への異常な負荷がかかることにより関節円板の転位などが生じる場合もある。歯周組織の破壊により、歯軋りする人の6割以上が歯周病を併発していると言われる。ブラキシズムは誰にでも起こる。問題なのは頻度、強さ、持続時間である。知覚過敏、WSD[2]齲触、歯周病[3]顎関節症[1]の発症原因と成り得る。

分類

ブラキシズムは、その動作形態により3つの型に分類されている。

グラインディング

上下の歯を臼の如くすり合わせる運動(臼磨運動)を行う。ギシギシと音を立て、咬頭に異常な力が働くので、歯質の崩壊を招きやすい。睡眠時に多く、一般に呼ばれる「歯ぎしり」はグラインディングを指すことが多い。

クレンチング

上下の歯を静的に強く噛み合わせる動作を言う。覚醒時に無意識に発現していることが多く、自覚症状は勿論、他覚症状もほとんど無いために発見が遅れることがある。

タッピング

上下の歯を動的にカチカチと噛み合わせる動作を言う[1]

頻度

夜間のブラキシズムの出現頻度は8 - 16%、昼間のブラキシズムを含めると8 - 34%と報告されている。しかし一過性のブラキシズムや日による変動が大きい[2]ため、調査、評価は困難である。

治療法

ブラキシズムの治療法としては咬合調整薬物療法[4]バイオフィードバック療法[4]、スプリント療法[4]ストレスマネジメント療法(「ストレス管理」「ストレス対処」も参照)[5][6]呼吸法などのリラクゼーション法[5][6]、などがある。

参考文献


  1. ^ a b c 日本補綴歯科学会, p.83
  2. ^ a b 大倉、p.141
  3. ^ 大倉、p.139
  4. ^ a b c 大倉、p.144
  5. ^ a b 廣瀬俊司、吉川悟 (2014). ブラキシズムとストレスの関係を明らかにするための質問紙作成の試みとその検討 心身医学 2014年 54巻 9号 p.867-876, doi:10.15064/jjpm.54.9_867
  6. ^ a b 廣瀬俊司 (2016). ブラキシズムの臨床心理学的理解と治療法 龍谷大学大学院文学研究科紀要 学位論文 34316甲第205号, 1-551


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