ピアノ協奏曲 (シューマン)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 06:31 UTC 版)
楽器編成
独奏ピアノ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2、トランペット2、ティンパニ一対、弦5部
演奏時間
約30分(各15分、5分、10分)
曲の構成
- 第1楽章: Allegro affettuoso
- イ短調、4分の4拍子。冒頭はイ短調属音のホ音の強奏に、鋭い付点リズムでピアノが応える。第1主題は木管の素朴な響きが印象的。オーボエがC-H-Aの主題を印象付ける(譜例)。展開部はもともと『幻想曲』であったこともあり、非常に自由である。変イ長調の夜想曲風の変奏がやはりC-H-Aの主題を印象付ける。冒頭序奏の鋭いリズムが同じ変イ長調で現れ、気分を変える。しかし、展開部全体は協奏曲の建前上短い。再現部でイ長調の昂揚が終わると、カデンツァとなる。技巧的には極端なものではないが対位法的処理が多く、作曲技術としても充実した内容になっている。コーダはC-H-Aの主題を木管が執拗に繰り返す中、ピアノはオブリガートに徹している。
- 第2楽章: Intermezzo; Andante grazioso
- ヘ長調、4分の2拍子。間奏曲と題された、落ち着いた楽章。冒頭ではピアノによるA-B-C-Dのつぶやくような音型に木管が応え繰り返される。最後に前楽章主題のC-H-Aが管楽器によって短調と長調で現れ、循環形式による楽章間の調整を図っている。
- 第3楽章: Finale; Allegro vivace
- イ長調、4分の3拍子。第一主題は第2楽章終盤から連続的に示された短い序奏に続いて独奏ピアノによって出現し、その後ピアノが鍵盤の上を行き来したのち、第2主題を弦楽器が弾むようなリズムで奏でる。
備考
- ディヌ・リパッティとヘルベルト・フォン・カラヤン指揮のフィルハーモニア管弦楽団による演奏(1948年録音)の第1楽章が、『ウルトラセブン』第49話(最終回)「史上最大の侵略 後編」のBGM[3]として使用された。
- 親友だったルートヴィヒ・シュンケ(1810年-1834年)から献呈された『大ソナタ ト短調』作品3の一節と似たパッセージが登場する。肺結核のため23歳で夭折した親友へのオマージュとしての引用である[要出典]。
- ^ これらの他に『4本のホルンと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック』のピアノ協奏曲版もある。
- ^ “東京芸術大学百年史 演奏会篇 第1巻(p.319-321,324)”. 東京芸術大学. 2024年4月14日閲覧。
- ^ 夜道でモロボシ・ダンがアンヌに今まで明かさなかった正体を告げるシーン、及び間にオリジナルBGMをはさみながら最後のパンドンとの決戦シーンまで
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