チェス 概要

チェス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/15 03:41 UTC 版)

概要

非常に古い歴史を持つゲームであり、様々な媒体を通して盛んである。現在では欧米圏のみならず、全世界150か国以上で楽しまれている。カードゲームなども含めたゲーム全般においてもブリッジと並んで最も多くプレイされている。

1935年チェス五輪の記念バッジ

チェスの起源には諸説があるが、一般的には古代インドの戦争ゲーム、チャトランガが起源であると言われている[3][4]。日本においては、同じチャトランガ系統のゲームである将棋の方が遥かに競技人口が多く[5]、両者は基本的なルールが似ていることから、チェスは西洋将棋または国際将棋と訳されることがある[4][6][7][8]。一方で、チェスと将棋はチャトランガが異なるルートで東西に伝播しつつ独自の変遷を遂げたものであるとされ[4][7]、盤の広さや駒の性能、取った駒の扱いに関するルールの違いなどから、両者は似て非なるゲームであるとも評される[9]。 競技としてのチェスは、頭脳によるスポーツの代表格でもある。遊戯としての側面のほかに、ARISF加盟IOC承認スポーツであるなど、スポーツとしての側面も持つ。

ゲーム理論では、二人零和有限確定完全情報ゲームに分類される[10]

用具

チェスの駒とボード
チェス
キング
クイーン
ルーク
ビショップ
ナイト
ポーン

最低限必要な物

  • チェスボード:縦横8マスずつに区切られた、64マスの市松模様の正方形の盤。「チェス盤」とも呼ばれている。
  • チェスピース:6種類の動き方が異なるの総称。全体の駒の数は、白黒あわせて32個。公式戦では、イギリスジャック・オブ・ロンドンが販売したことで定着したスタントンチェスセットと呼ばれる駒が使用される。各人、キングx1、クイーンx1、ビショップx2、ナイトx2、ルークx2、ポーンx8、あわせて16個をもつ。敵味方の識別はその色で行う(将棋のように駒の向きではない。また、チェスの駒の向きは関係ない。例のナイトの駒は左向きであるが特に意味は無い。)。

公式戦などで必要になる物

チェスの遊び方(概略)

駒の初期配置
abcdefgh
8
8
77
66
55
44
33
22
11
abcdefgh
  • ゲームは2人のプレイヤーにより、チェスボードの上で行われる。
  • 白が先手、黒が後手となる。
  • 双方のプレイヤーは、交互に盤上にある自分の駒を1回ずつ動かす。パスをすることはできない。
  • 味方の駒の動ける範囲に敵の駒があれば、それを取ることができる。
    • ただしポーンだけは、敵の駒を取れる範囲が通常の移動範囲と異なる。
  • 敵の駒を取った駒は、取られた駒のあったマスへ移動する。
    • これはポーンも同じだが、ポーン同士によるアンパッサンは例外である。
    • 取られた駒は盤上から取りのぞき、以降そのゲームが終わるまで使用しない。
  • ナイトと、キャスリング時のキング・ルークを除き、駒は他の駒を飛び越して移動することはできない。
  • キングは、敵の駒が利いている(直後の手で取られるような)場所には移動することができない。
  • 相手のキングに、自分の駒を利かせて取ろうとする手を「チェック」と呼ぶ。
    • この状態では、相手側は次の手ですぐにキングの安全を確保しなければならない。
    • キングが次の手で絶対に逃げられないように追い詰めたチェックのことを「チェックメイト」と呼び、この手を指したプレイヤーの勝ちになる。
  • 以下の場合はすべて引き分けとなる。
    • ルール上動かせる駒がなくなったがチェックにはなっていない状態「ステイルメイト」になった場合
    • どちらもチェックメイトができなくなるほどにコマを失った場合
    • 永久王手など、同一の局面が3回生じる千日手が指摘された場合

  1. ^ この格言の出典については、チェルネフとスピールマンの二説がある。前者は「最新図解チェス」(渡井美代子、日東書院)などに、後者は英語版ウィキクオートなどに記載されている。
  2. ^ ICCF:International Correspondence Chess Federation
  3. ^ JCCA:Japan Correspondence Chess Association
  4. ^ JPCA:Japan Postal Chess Association
  5. ^ その後、人間がコンピュータに負けにくいアリマアという新しいボードゲームが考案された。





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