タイムスクープハンター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/29 07:44 UTC 版)
番組内容
未来から来た「時空ジャーナリスト」が時を遡って取材する「密着ドキュメント」という設定で、さまざまな時代の日本社会を題材に、実在する史料などから知られる庶民の生き様や風俗などの一端を、いわゆるモキュメンタリーの手法を用いてリアルなドラマ仕立てで再現してみせる。
本質的には歴史教養番組であり、一般のいわゆる時代劇などとは一線を画した作りである。史料にもとづく正確な時代考証をとくに重視し、また可能なかぎりのリアリティを追求した作風を維持している。「ジャーナリスト自身による手撮り映像」という設定でドラマは進められ、ときには取材対象人物への軽いインタビューなども交えて、表面からは見えにくい背景事情や当時の人々の思いなどについて理解できるように工夫されている。加えて、「ジャーナリスト自身が“本部”にいるアシスタントスタッフに問い合わせる」形で、さらに幅の広い関連情報が示されることもあり、これも視聴者の歴史理解を深めるのに役立っている。
そのほか、一般の時代劇とくらべると以下のような特徴が際立っている。
- 一般の時代劇で用いられる言語は現代人に理解できるように調整された一種の擬古文であるが、当番組ではそれぞれの時代や身分に応じた日本語のリアルな再現を試みている。たとえばそこが平安時代であれば、登場人物は平安時代に実際に話し言葉として使用されていた言語を話す。現代人にわかりにくい言葉遣いを用いる場合は、現代語に訳した字幕をのせることで対応している。
- 時代劇用のかつらの類を用いない。登場人物の髪型にさかやきが入る場合は、実際に役者の頭を剃髪している。
- スタジオセット撮影を行わない。全ての撮影は庄内映画村、ワープステーション江戸などの再現施設と、近代的な構造物の見えない山野でのみ行われる。
- 撮影用の照明機材をほとんど使用しない。日中は自然光を光源とし、夜間のシーンでは当時の照明器具のみによって撮影したり、また、「ジャーナリストが未来から持参した」という設定で、暗視カメラが多用される。
- 登場人物の服装などもリアリティに配慮しており、時代や身分によっては極端にみすぼらしい姿で登場する場合がある。また、一般の時代劇では無視されることの非常に多いお歯黒や白塗り化粧などの習俗についても、適宜再現してみせている。
とはいえ、決して娯楽性を軽んじているというわけではなく、多くの場合、ドラマ中盤あたりでちょっとした予期せぬ事件などが起きるようになっていて、軽いアクションやサスペンスの風味も味わえるように工夫されている。
ジャーナリスト役には要潤、本部アシスタントスタッフ(劇中では「ナビゲーター」と呼ばれる)役に杏を配し、SF味の効いた二人の扮装とともに、番組に花を添えている。なお要潤は、ごく簡単なものしか脚本を与えられておらず、撮影時においては自身でも知らない展開が目の前で次々と繰り広げられてゆくのを目の当たりにし、そこにアドリブで実況を加えるという撮影スタイルを初期より用いている。
- ^ タイムスクープハンターが終了、「区切りのファイナル」に悲しみの声。(ライブドアニュース、2015年1月2日)
- ^ 当初は4月1日未明(3月31日深夜)からの予定だったが、この日は国会中継(第189回国会・参議院総務委員会 NHK平成27年度予算案審議)の放送が行われたため延期となり、4月8日未明(同7日深夜)が初回となった
- ^ NHKフェイスブックページ(8月22日)
- ^ https://twitter.com/nhk_timescoop/status/929169605494325253
- ^ 基本は国外向けだが、在日外人向けに対応としてケーブルテレビ局・ひかりTVにも配信
- ^ 2022年度国際放送番組時刻表
- ^ Time and Tide
- ^ 要潤 - NHK人物録
- ^ 『劇場版 タイムスクープハンター -安土城 最後の1日- 公式プログラム』14頁
- ^ シーズン4 第12話『護送密着!最期の6日間』
- ^ シーズン6 第3話『踊れ!あすへのステップ』
- ^ シーズン1 第1話『“忍者”その真の姿とは』
- ^ シーズン6 第7話『元祖なでしこサッカー』など
- ^ パイロット版・シーズン1 第4話「お氷様はかくして運ばれた」など
- ^ 特番『タイムスクープハンター0号』
- ^ ジャーナリストを派遣しているタイムスクープ社独自の時間単位。記録の冒頭で読み上げられているが、法則は明らかにされていない。
- ^ 大河ドラマ『八重の桜』とのコラボレーション企画
- ^ 杏が主演する連続テレビ小説「ごちそうさん」との連動企画。
- ^ 関西地区は『コヤブTUNES』(大阪局制作)放送の為2014年9月4日26:00 - 26:30(5日2:00 - 2:30)に放送した。
- ^ 4月28日に放送予定だったが、日米首脳共同記者会見(安倍晋三内閣総理大臣とバラク・オバマアメリカ合衆国大統領出演)のため1週間延期された
- ^ “NHK『タイムスクープハンター』アンコール放送決定 9月28日より毎週月曜放送”. amass (2020年9月25日). 2021年1月5日閲覧。
- ^ 「大英博物館展 100のモノが語る世界の歴史」音声ガイド[リンク切れ](アーカイブ)
- ^ 後に上映されていない地方の映画館から問い合わせ殺到の為最終的に120スクリーンまで膨れ上がった。
- ^ 特別出演
固有名詞の分類
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