ソニー生命保険 不祥事・事件

ソニー生命保険

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/09 07:49 UTC 版)

不祥事・事件

2004年9月8日に個人情報漏洩問題が発生。同社の営業社員が神奈川県横浜市内で車上荒らしに遭い、パソコン2台が盗難された。このパソコンには1,456人分の顧客情報(住所、氏名、生年月日、性別、保険契約内容など)が保存されていた。同社はパスワードの設定や暗号化などのセキュリティ対策は講じており、第三者による顧客情報の閲覧や悪用は困難という見解を示している[12]。なお、その後の同年9月15日には盗難にあったパソコン2台が発見され、起動の痕跡や記憶装置抜き取りの痕跡も見られないことから、同社は第三者による顧客情報の閲覧や悪用はされていないとしている[13]

2005年10月後半、各生命保険会社から相次いで保険金および給付金の不当不払いが発表され、同年10月28日、同社においても4件(内保険金2件)、金額にして6億144万5千円(内保険金6億円)の不当不払いがあったことが発表された[14]

2007年2月1日に金融庁が日本の全生命保険会社(38社)に対して、2001年〜2005年の5年間における不払いの実態調査を命令。同社は同年4月13日に調査結果を発表した。これによると、合計で243件、金額にして1,881万円が新たに不当不払いに該当していたことがわかった。なお、この時点では調査が完了していないので、この数値は確定的なものではない[15]

2007年9月28日には、ソニー生命の営業社員の私的なパソコンから約1万2500人分の顧客情報がインターネット上に流出する事故があったと発表された。この営業社員は、業務用のパソコンに保存されていた顧客の個人情報を抜き出し、ファイル交換ソフトShareが入った私的なパソコンに保存したが、ウイルスに感染し、顧客の個人情報をインターネット上にばらまいてしまった[16]

2009年4月10日、ソニー生命社内にて顧客情報の入ったノートパソコンを1台紛失したと発表された。同社の説明では、紛失したノートパソコンには約14万人分の契約者の保険証券の番号、生年月日、契約日などが保存されていたという。ただし、契約者の氏名や住所など個人を特定できるような情報は保存されていないとのことである[17]

2017年7月18日、ソニー生命保険高松支社の元社員が少なくとも顧客6人から計1億3521万円をだまし取ったことがわかったと発表された。2009〜2014年に生命保険などを契約したように装い、保険料などをだまし取ったという[18]

2021年12月1日、ソニー生命保険の連結子会社から約170億円を不正に送金したとして、社員1人が詐欺容疑で逮捕された。この社員は、バミューダ諸島にあった連結子会社「SAリインシュアランス」の清算業務を担当していた5月中旬、SA社が口座を持つ銀行に「正規の送金」と偽り、海外銀行の口座にオンライン送金した。在宅勤務をしており、上司の承認を得ているように装ったという[19]2022年11月18日、東京地方裁判所は元社員に詐欺と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の罪で懲役9年の判決を言い渡した[20]。不正送金された約170億円は暗号通貨の「ビットコイン」に換えられ保管されていたが、アメリカ連邦捜査局により全額が回収された[21]。回収されたビットコインの値上がりや為替相場の変動により、ソニー生命保険側には、事実上、被害額を50億円余り上回る約221億円が返還された。同社は犯罪防止などのための寄付を検討するとしている[22]


注釈

  1. ^ 一般にソルベンシー・マージン比率は200%以上であれば、当該保険業の支払い余力が十分にあるとされる。[2]
  2. ^ 現在の後継省庁は財務省金融庁にあたる。

出典

  1. ^ ソニー生命保険「ソルベンシー・マージン比率の推移」。。2021年12月。
  2. ^ 金融庁監督局保険課「ソルベンシー・マージン比率の概要について」、2006年11月8日。「経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する検討」
  3. ^ ワタミ株式会社とソニー生命保険株式会社は介護事業において業務提携を行います。 - ソニー生命(pdf文書)
  4. ^ ソニー銀行の銀行代理業に関する許認可を取得 - ソニー生命(pdf文書)
  5. ^ 北京駐在員事務所の開設に関するお知らせ - ソニー生命(pdf文書)
  6. ^ 平成21年3月末市場整合的エンベディッド・バリューの開示 - ソニー生命(pdf文書)
  7. ^ 台北駐在員事務所の開設に関するお知らせ - ソニー生命(pdf文書)
  8. ^ 特定非営利活動法人 遺言・相続リーガルネットワークとの業務提携について - ソニー生命(pdf文書)
  9. ^ ソニーライフ・エイゴン生命保険株式会社の生命保険業免許取得に関するお知らせ - ソニー生命(pdf文書)
  10. ^ a b ソニーフィナンシャルホールディングス、ソニー生命保険「ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社の100%連結子会社であるソニー生命保険株式会社による持分法適用関連会社2社の株式の取得(完全子会社化)に関する基本合意書締結に関するお知らせ」、2019年10月29日
  11. ^ ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社の 100%連結子会社であるソニー生命保険株式会社による持分法適用関連会社 2 社の株式取得(完全子会社化)の完了およびソニーライフ・エイゴン生命保険株式会社の商号変更に関するお知らせ”. ソニーフィナンシャルホールディングス. 2020年6月30日閲覧。
  12. ^ お客さま情報が保存されたパソコンの盗難について - ソニー生命 (PDF)
  13. ^ 盗難に遭ったパソコンの発見について - ソニー生命
  14. ^ 保険金・給付金の取扱いに関する再検証結果について - ソニー生命 (PDF)
  15. ^ 保険金等の支払状況に係る実態把握について - ソニー生命 (PDF)
  16. ^ パソコンのウイルス感染による個人情報の流出について(2007年9月28日配信) - ソニー生命 (PDF)
  17. ^ お客さま情報(証券番号等)が保存されたパソコンの紛失について - ソニー生命 (PDF)
  18. ^ 弊社元社員による金銭の詐取について - ソニー生命 (PDF)
  19. ^ 子会社の口座から170億円不正送金か 容疑のソニー生命社員を逮捕”. 朝日新聞 (2021年12月1日). 2021年12月5日閲覧。
  20. ^ “ソニー生命元社員に懲役9年、168億円流出 東京地裁”. 産経新聞. (2022年11月18日). https://www.sankei.com/article/20221118-P74DYBLGVVM6JOVOX7VNZA3XBQ/ 2023年4月11日閲覧。 
  21. ^ “消えた170億円、ビットコインになっていた FBIが全額回収”. 朝日新聞. (2021年12月21日). https://www.asahi.com/sp/articles/ASPDP410WPDPUTIL00S.html 2023年4月11日閲覧。 
  22. ^ “不正送金被害のソニー生命、返還された額は50億円超のプラス…ビットコイン値上がりと円安で”. 読売新聞. (2022年9月27日). https://www.yomiuri.co.jp/national/20220926-OYT1T50317/ 2023年4月11日閲覧。 
  23. ^ a b 『5年ごと利差配当付終身介護保障保険・5年ごと利差配当付介護一時金特約』『三大疾病収入保障保険(無配当)』を発売 - ソニー生命(pdf文書)


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