ゼノサーガ エピソードI[力への意志]
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/25 09:12 UTC 版)
ジャンル | コンピュータRPG |
---|---|
対応機種 | PlayStation 2 |
開発元 | モノリスソフト |
発売元 |
ナムコ (後のバンダイナムコゲームス) |
人数 | 1人 |
メディア | 片面二層DVD-ROM |
発売日 | 2002年2月28日 |
対象年齢 |
CERO:C(15才以上対象) ESRB:T(13歳以上) |
売上本数 | 45万本[1] |
また海外版を基に再構成した『ゼノサーガ エピソードI リローディッド[力への意志]』(CEROレーティング15歳以上対象)が2003年11月20日に発売されている。音声の変更以外では一部のイベントシーンが変更されている。また、ムービーシーンをいつでも再生できるリプレイ機能の追加。モモとKOS-MOSに新コスチュームが追加された[2]。
概要
1998年にスクウェア(現:スクウェア・エニックス)から発売された『ゼノギアス』の流れを汲むSFRPG。ゼノサーガ三部作の第一弾となる。監督・脚本は『ゼノギアス』同様に高橋哲哉が手掛け、一部スタッフも共通しているが、あくまで『ゼノギアス』の初期構想をベースに発展・拡張したものであり、直接の関連性は無い。『ゼノギアス』本編をエピソードVとする初期構成で言えば、その中で最も古いエピソードIの星間戦争時代に相当する。詳細はゼノギアス、およびゼノサーガシリーズの記事も参照。
主人公である女性技術者シオン・ウヅキと、彼女が開発したアンドロイドKOS-MOSを中心とした物語だが、群像劇の構造を持ち、様々なキャラクターの視点で語られる。後半からは仲間キャラクターの一人であるJr.を巡る因縁が主軸となり、彼が実質的な主人公となる。ストーリーは合計7時間にも及ぶムービーを見てストーリーを追いながら、宇宙船やスペースコロニーを探索したりダンジョンを攻略して進めていく一本道のRPGの方式を取る。
戦闘はコマンド入力による必殺技や搭乗型ロボットを駆使して戦うもので、『ゼノギアス』を一部踏襲したシステムとなっているが、コマンドは物理とエーテルに分類されたり、ロボット「A.G.W.S」は使用が必須ではないなど相違点も多い。
本作はモノリスソフトの処女作となるが、当時は組織作りと並行して開発を行っていたこともあり、人材が足りず予算も時間も目減りしていく中での製作だった。スクウェアの旧CG室(現・ビジュアルワークス)の出身のスタッフがいたため、ムービーはいくらでも作ることができたが、マスターアップの約半年前にプログラマーが入社するまで描画エンジンが無く、2年の開発期間のうち1年半はムービーだけを作り込むしかなかったという。ゲーム部分はほぼそこから一気に開発が進められた[3]。
登場勢力・組織
- 星団連邦政府
- 50万もの惑星で成り立っている連邦国家。各惑星には高度な自治権が与えられている。首都に相当する主星はフィフス・エルサレム。シオン・ウヅキは連邦政府軍の海兵隊に同行し、巡洋艦ヴォークリンデに搭乗することになる[4]。
- 巡洋艦ヴォークリンデ
- ヴェクター社が開発した対グノーシス専用戦闘艦。ただし、公試運転中で装備は8割が未装[4]。
- 接触小委員会
- 人類に敵対的行動を示す謎の存在であるグノーシスを研究するために作られた組織。民間の有職者も加わっており、約2000人が参加している。M.O.M.O.の開発者であるユリ・ミズラヒもその1人[4]。
- 第二ミルチア
- 星団連邦政府統治下にある惑星。14年前の紛争からの復興を進めるため、星団連邦政府から高度な自治特権を与えられている。
- クーカイ・ファウンデーション
- 12年前に第二ミルチア自治州によって編成された特殊財団[4]。ライフリサイクル法の被害を受けた人を救済している組織。もともと軍事組織だったが近年武装解除し、財団法人に転身した。12個のゾハルエミュレーターを保持している。全長4000メートルはあるという巨大戦艦デュランダルの船内には、パークやポートなど、さまざまな施設が存在している[5]。モニュメントだけの設計ではなく、非常時にコロニーを廃棄して住民の一斉脱出が必要な際の着艦位置や脱出経路が考慮されている[6]。
- 旧ミルチア
- 14年前の紛争によって壊滅した惑星。現在はU.M.N.によって封鎖されている。また旧ミルチアの機能は別の宙域に存在する第二ミルチアに移された。
- ヴェクター・インダストリー
- 食品から薬品、各種ソフトウェアやハードウェア。さらには通信や兵器に至るまで、文化文明に関わる様々な物を生産流通している巨大複合企業体。数多くの部門に分割され、第一から第三開発局が中枢となっている。シオン・ウヅキは、その第一開発局に所属している[5]。U.M.N.を管理しているため、星団連邦政府内において強い影響力を持っている。
- U-TIC機関
- 連邦に属さない組織だが、その技術力、軍事力は連邦政府軍を上回る。物語の冒頭でモモを拉致するという行動に出た[4]。ミルチア紛争、プロジェクトゾハルに深く関わっているとされる機関。謎が多い。司令官はマーグリス。
- A.G.W.S(エイグス)
- 対グノーシス用兵器の総称で、正式名称は"Anti Gnosis Weapon System"。グノーシスを知覚するD.S.S.S.を搭載。駆動エネルギーは母艦から供給される。居所が容易にわからないグノーシスに対応するべく、サイズは大型自動車並みに小型化されており、形状は必ずしも人型ではない[4]。
- D.S.S.S(ディートリプルエス)
- 正式名称は"Double Slit Sensory System"。ヴェクター社が開発したグノーシスを知覚するための虚数領域知覚装置で、二重状のカメラ面で構成されている。A.G.W.S.や戦闘機のセンサー部分に装備されているが、知覚のみでグノーシスの実態化はできない[4]。
- ヒルベルトエフェクト
- 虚数領域へ干渉するための限定領域発生装置。通常は視認や攻撃ができないグノーシスを実体化し、攻撃可能にする装置。百式観測用レアリエンやKOS-MOSに搭載されているが、装置は別であり、彼女たちは装置を着用するための本体となる[4]。
- ^ “ナムコ、2002年3月期決算説明会資料を公開 PS2「ACE COMBAT 04」日本で44万本、「ゼノサーガ」45万本”. GAME Watch (2002年5月30日). 2013年1月8日閲覧。
- ^ 『ファミ通 No.781』エンターブレイン、2003年12月5日、62頁。
- ^ “「ゼノサーガ」の紆余曲折が「ゼノブレイド」を生んだ――不定期連載「原田が斬る!」,第7回はゼノシリーズ総監督の高橋哲哉氏にモノリスソフトの今を聞いた”. 4gamer.net (2019年6月8日). 2022年1月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 『電撃PlayStation Vol.201』メディアワークス、2002年3月8日、8-29頁。
- ^ a b 『電撃PlayStation Vol.200』メディアワークス、2002年2月22日、70-73頁。
- ^ 『ゼノサーガ エピソードⅠ オフィシャル設定資料集』エンターブレイン、2002年10月11日、69頁。
- ^ 『ゼノサーガ エピソードⅠ オフィシャル設定資料集』エンターブレイン、2002年10月11日、7頁。
- ^ 『電撃PlayStation Vol.184』メディアワークス、2001年8月10日、166-169頁。
- 1 ゼノサーガ エピソードI[力への意志]とは
- 2 ゼノサーガ エピソードI[力への意志]の概要
- 3 登場人物
- 4 製作スタッフ
固有名詞の分類
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