キャトリン・モラン キャトリン・モランの概要

キャトリン・モラン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 16:34 UTC 版)

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キャトリン・モラン (Caitlin Moran)
2016年、ヘイ・フェスティバルでのキャトリン・モラン。
生誕 (1975-04-05) 1975年4月5日(45歳)
イングランドブライトン
住居 イングランドロンドン
職業ジャーナリスト、作家、テレビ司会者

タイムズ』のコラムニストで、サタデー・マガジン、テレビ批評コラム、金曜の諷刺コラム「セレブリティ・ウォッチ」にそれぞれひとつずつ、週三回コラムを執筆している。

2010年にブリティッシュ・プレス賞(BPA)のコラムニスト賞を受賞し、2011年には同BPAで批評家賞とインタビュアー賞も受賞した[2]。2012年にはロンドン・プレス・クラブのコラムニスト賞を、2013年にはコメント賞で文化コメンテイター賞も受賞した[3][4]

フェミニストであり、2011年に刊行したフェミニズムに関する自伝的要素をまじえたエッセイ集『女になる方法』(How to Be a Woman )はベストセラーとなった。

生い立ち

モランは1975年4月5日にブライトンでキャサリン・エリザベス・モランとして生まれた[5]。8人きょうだいの長女で、4人の妹と3人の弟がいる。父はアイルランド人で、『ガーディアン』によると元「ドラマーで、サイケデリック・ロックのパイオニア」だが、「変形性膝関節症でソファから動けなくなってしまった[6]」。モランはウルヴァーハンプトンの寝室が3つの公営住宅で両親ときょうだいと一緒に育ったが、この経験は本人によると『ハンガー・ゲーム』に近いものだったという[7]

モランはスプリングデイル・ジュニア・スクールに通ったが、中等学校には3週間しか行かず、その後は11歳から家で教育を受けるようになった[8]。モランときょうだいは両親からはほとんどまともな教育を受けなかった。一家が「ウルヴァーハンプトン唯一のヒッピー」だったため、地元の議会はこれを許していた[7]。子どもたちは家に泥を投げるなど、単純なゲームでよく時間をつぶしていた[7]。モランは子ども時代は幸せだったと述べているが、18歳で自立できるようになるとすぐ家を出たと明かしている[7]

ジャーナリズムと文筆活動

2016年、ヘイ・フェスティバルでのキャトリン・モラン。

モランは十代の頃から作家になると決めていた[7]。1988年10月、13歳の時に、ディロンズ書店が「なぜ私は本が好きか」をテーマに主催した若者読者エッセイコンテストで優勝し、図書券250ポンドを賞金として受け取った。15歳で『オブザーバー』の若者レポーター賞を受賞する[9]。16歳で週刊音楽雑誌である『メロディ・メイカー』でジャーナリストとしてのキャリアを始めた[10]。モランは15歳で、ホームスクーリングをしていた家族の一員としての経験にもとづき、『ナルモ年代記』(The Chronicles of Narmo)という小説も書いており、16歳の時に刊行されている[11][12]

1992年にチャンネル4で音楽番組『ネイキッド・シティ』(Naked City)の司会をつとめ、テレビでのキャリアを始めた[13]。第二シリーズまで放送され、ブラーマニック・ストリート・プリーチャーズブー・ラドリーズなど当時新進だった多数のバンドが出演した。ジョニー・ヴォーンが『ネイキッド・シティ』の共同司会者だった。

移民二世としてイングランドのアイルランド系カトリックの家庭で育ったモランの生い立ちは、英国のテレビコメディドラマシリーズ『オオカミに育てられて』(Raised By Wolves)のヒントになった[14]。この番組は2013年12月にチャンネル4でパイロットが放送され、2015年からさらに2シーズン放送された[15]

2012年7月にモランはアベリストウィス大学のフェローになった[16]。2014年4月には、BBCの『女性の時間』(Woman's Hour)の2014年パワーリストで、イギリスで最も影響力ある女性の1人に選ばれた[17]

モランの半自伝的小説『女の子をつくる方法』(How To Build a Girl, 2014)は1990年代はじめのウルヴァーハンプトンが舞台である。計画中の三部作の第一作で、『有名になる方法』(How To Be Famous)が続き、『世界を変える方法』(How To Change The World)で完結する予定である[18]。『女の子をつくる方法』は映画化が予定されている[19]

フェミニズム

2011年にイーバリー・プレスからモランのフェミニズムに関する著書『女になる方法』(How to Be a Woman )がイギリスで発売された。2012年7月までに16ヶ国で40万部以上を売り上げた[20]

モランは女性平等党(Women's Equality Party)の支持者である[21]

2017年3月、モランはペンギン・グループのために書いた原稿で、若い女性は男性が書いた本を全く、あるいは「少なくとも」「大人になって完全に成長し、戦えるようになるまで」読まない方がよいと示唆した。モランは「偉大な白人男性、つまりフォークナーチャンドラーヘミングウェイロス」のような極めて力強く、子どもに大きな影響力を及ぼすと考えられる男性作家による本を例に挙げている[22]。モランは、子ども頃にこうした男性による本を全く読まなかったことにより、「おそらく」より幸せで、自信を持って真実を書き、「他の多くの女性」に比べて見かけや体重、騒々しくふつうと違う性格などについて自分を卑下することが少なくなったかもしれないと述べている[22]


  1. ^ Rollman, Hans (2014年11月12日). “Caitlin Moran: Lady Sex Pirate and Working Class Hero”. PopMatters. 2018年6月12日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2018年1月2日閲覧。
  2. ^ Press Awards 2011: Caitlin Moran's speech”. The Guardian (2011年4月6日). 2018年1月2日閲覧。
  3. ^ BBC Newsnight journalists win award for spiked Jimmy Savile investigation”. 2018年1月2日閲覧。
  4. ^ 2013 Winners”. 2018年1月2日閲覧。 The Comment Awards
  5. ^ Thorpe, Vanessa (2015年3月15日). “Caitlin Moran: how to be a Renaissance woman | The Observer profile” (英語). the Guardian. 2018年5月27日閲覧。
  6. ^ Aida Edemariam "The Saturday interview: Caitlin Moran", The Guardian, 18 June 2011.
  7. ^ a b c d e BBC Radio 4: "My Teenage Diary", First Broadcast 6:30PM Wed, 4 July 2012.
  8. ^ The Times 2, p. 2. 28 December 2011.
  9. ^ Moran, Caitlin (2007年11月26日). “My glorious career? I won it in a competition”. The Times (London). http://www.timesonline.co.uk/tol/comment/columnists/caitlin_moran/article2933855.ece 2009年4月24日閲覧。 
  10. ^ Pop on trial”. BBC Online. 2010年1月13日閲覧。
  11. ^ Moran, Caitlin (2017年3月5日). “On my radar: Caitlin Moran’s cultural highlights” (英語). the Guardian. 2018年5月27日閲覧。
  12. ^ Moran, Caitlin (1992). The chronicles of Narmo. London: Doubleday. ISBN 9780385402767. Copac 21104538
  13. ^ Davies, Huer (1994年5月17日). “Atrocious mess, precocious mind: Meet Caitlin Moran, newspaper columnist, television presenter, novelist, screenwriter, pop music pundit … and typical teenage slob”. The Independent (London). https://www.independent.co.uk/life-style/interview--atrocious-mess-precocious-mind-meet-caitlin-moran-newspaper-columnist-television-presenter-novelist-screenwriter-pop-music-pundit----and-typical-teenage-slob-1436595.html 
  14. ^ Harrington, Katy. “Caitlin Moran’s 2nd gen-Irish childhood comes to life in 'Raised by Wolves' | The Irish Post” (英語). The Irish Post. https://www.irishpost.com/entertainment/caitlin-morans-second-gen-irish-childhood-comes-life-raised-wolves-43377 2018年8月25日閲覧。 
  15. ^ Guide, British Comedy. “Raised By Wolves - C4 Sitcom - British Comedy Guide” (英語). British Comedy Guide. 2018年8月25日閲覧。
  16. ^ Aberystwyth University - July
  17. ^ Woman's Hour Power List 2014 – Game Changers”. BBC Radio 4. 2018年1月2日閲覧。
  18. ^ “Caitlin Moran explores taboo subjects in her new book 'How to build a girl'”. BBC Newsnight. (2014年7月11日). https://www.youtube.com/watch?v=8ebD9ISX4NQ 
  19. ^ Guide, British Comedy (2018年7月16日). “Filming under way on Caitlin Moran movie How To Build A Girl” (英語). British Comedy Guide. https://www.comedy.co.uk/film/news/3182/how_to_build_a_girl_filming/ 2018年8月25日閲覧。 
  20. ^ Doll, Jen (2012年7月16日). “Caitlin Moran on How to Be a Woman, How to Be a Feminist”. The Atlantic Wire. 2018年1月2日閲覧。
  21. ^ Caitlin Moran (3 April 2016). Caitlin Moran @ 5x15 - Women's Equality Party (Video). 5x15 Stories via YouTube. 2016年4月28日閲覧
  22. ^ a b "Ηow books made me a feminist" by Caitlin Moran, Penguin website, March 2017
  23. ^ “#TwitterSilence: Was Caitlin Moran's Twitter boycott an effective form of protest?”. The Independent (London). (2013年8月5日). https://www.independent.co.uk/voices/iv-drip/twittersilence-was-caitlin-morans-twitter-boycott-an-effective-form-of-protest-8746070.html 
  24. ^ “English A-Level with Russell Brand and Dizzee Rascal on reading list under fire”. The Guardian (London). (2014年5月6日). https://www.theguardian.com/education/2014/may/06/english-a-level-russell-brand-dizzee-rascal 
  25. ^ Mainstream media 'still dominate online news'”. BBC News: Technology. BBC. 2014年6月12日閲覧。
  26. ^ Moran, Caitlin (2011). How To Be a Woman. HarperCollins. pp. 275. ISBN 9780062124296 
  27. ^ “Cosmo's Ultimate Women of the Year Awards 2011 announced!”. Cosmopolitan UK. (4 November 2011). オリジナルの6 December 2013時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20131206043454/http://www.cosmopolitan.co.uk/celebs/ultimate-women-of-the-year/Cosmos_Ultimate_Women_of_the_Year_Awards_2011_winners_announced. 


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