エラ・ウィーラー・ウィルコックス エラ・ウィーラー・ウィルコックスの概要

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エラ・ウィーラー・ウィルコックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/06/28 02:09 UTC 版)

エラ・ウィーラー・ウィルコックス
Ella Wheeler Wilcox
誕生 1850年11月5日
ウィスコンシン州ジョンズタウン
死没 1919年10月30日
職業 著作家、詩人
国籍 アメリカ合衆国
代表作 The Worlds and I(世界と私)
Poems of Passion(情熱の詩)
ウィキポータル 文学
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伝記

エラ・ウィーラーは1850年ウィスコンシン州ジェーンズビルの東の田園地帯、ジョンズタウンの農家で、4人兄弟の末っ子として生まれた。家族は間もなく北のマディソンに転居した。かなり幼い時から詩を書き始め、高校を卒業する時には州内で詩人としてよく知られていた。28歳のときにロバート・ウィルコックスと結婚した。この夫妻には息子が一人生まれたが、生後間もなく死亡した。結婚してから幾らも経たないうちに、夫妻は神智学新思想および心霊主義に興味を持つようになった。

ウィルコックスの詩を刻んだ銘盤、サンフランシスコのジャック・ケルアック・アレーにある。

夫妻は結婚生活の初期に、先に死んだ者が戻ってきて残った者と対話を交わすと互いに約束しあった。夫のロバートが結婚してから30年以上経った1916年に死んだ。妻のエラは夫からの伝言が無いままに1週間1週間と過ぎていくうちに激しくなる悲しみに暮れた。エラがカリフォルニア州に行って、薔薇十字団の占星術師マックス・ハインデルに会って、その悲しみの救済を求め、夫から伝言が何故無いのか理解できないでいたのはこの頃だった。以下はエラがこの会見について語ったものである。

カリフォルニア州の薔薇十字団哲学指導者であるマックス・ハインデルと話していて、彼は激しい悲しみの効果について私に大変はっきりと示してくれた。ハインデル氏は私が悲しみを支配出来るようになった時に夫の魂に触れるようになると私に確信させた。私は、全能なる神が悩める心にその光の閃きを送って、最も必要なときに確信をもたらすことが出来ないのは奇妙に見えると答えた。貴女ははっきりとした水溜りの横に立ったことがありますか、とハインデル氏は尋ね、その中に映し出される木や空を見たことがありますか?その水溜りに石を投げてその表面を曇らせ騒がせ、何も映らないようにしたことがありますか?水面が静かになった時に空や木は映し出されるのを待っています。神と貴女の夫の魂は悲しみの混乱が鎮まった時に貴女の心に映し出されるのを待っています、と言った。

数ヵ月後、エラはマントラすなわち肯定の祈りを作成し、その中で「私は生きている証人です。死者は生きている。彼らは私たちを通じて話し、私たちに話しかけている。私はこの栄光ある真実を苦しんでいる世界に与える声です。準備ができています、神よ。準備ができています、キリストよ。準備ができています、ロバートよ。」と何度も何度も言っていた。

ウィルコックスは世界にオカルト(超自然的な力)の事柄を教えるように務めた。彼女の作品は実証主義で満ちていて新思想運動の中で人気があり、1915年にはその小冊子『新思想について知っていること』が、出版者エリザベス・タウンに拠れば5万部配布された。

次の談話は転生の中に新思想、心霊主義および神智学的信念をウィルコックスが特徴的に混ぜ合わせたものである。

私たちが考え、行動し、今日ここで生活するように、私たちは地球を離れた後も霊的領域の中に私たちの家庭の構造を作り、将来の生活、この地球あるいは他の惑星でこれからの数千年のカルマ(宿命)を作っていきます。私たちが死は高い水準での人生と労働の継続に過ぎないと分かるようになったとき、人生は新しい威厳をとり、労働は私たちに新しい興味を与えます。

文学的な詩人というよりも人気のある詩人であるウィリコックスの詩は、平明な文章で韻を踏ませ、快活で楽観的な感情を表現している。その世界観はその詩「何であっても、それが最善」という題に現れており、18世紀の詩人アレキサンダー・ポープの「何であっても、それが正しい」を写したことを示唆している。

ウィルコックスの作品は文芸批評家F・O・マシーセンによる『アメリカの詩のオックスフォード・ブック』に載っていないが、ヘイゼル・フェルマンは『アメリカ人に愛された最良の詩』の中にウィルコックスの詩を13編以上選び、著作家マーティン・ガードナーは『最も記憶される詩』の中に『Solitude』と『The Winds of Fate』(運命の風)を選んだ。

ウィルコックスは『剥製のフクロウ:下手な詩の選集』や『大変下手な詩』のような下手な詩の選集にしばしば取り上げられている。小説家シンクレア・ルイスはその著作『バビット』が文学的洗練さが欠けていることを、「ラドヤード・キップリングの『If』やウィルコックスの『The Man Worth While』(価値がある男)のような古典的詩の一つ」として韻文に言及することで示した。

『The Man Worth While』は次の一節で始まる。

It is easy enough to be pleasant,
    When life flows by like a song,
But the man worth while is one who will smile,
    When everything goes dead wrong.
喜ぶのは容易である
    人生が歌のように流れていくとき
しかし価値がある男は微笑む男だ
    全てがうまくいかないとき

『Solitude』(孤独)冒頭の最も有名な一節は次のようになっている。

Laugh and the world laughs with you,
    Weep, and you weep alone;
The good old earth must borrow its mirth,
    But has trouble enough of its own.
笑おう、そうすれば世界が貴方と共に笑う
    泣きなさい、そうすれば貴方は一人だ
良き古き地球はその歓喜を借りなければならない[1]
    しかしそれ自身十分な問題を持っている

『The Winds of Fate』(運命の風)は全く安上がりであり、要約するには短すぎる。次が全文である。

One ship drives east and another drives west
 With the selfsame winds that blow.
    'Tis the set of the sails,
     And Not the gales,
   That tell us the way to go.
Like the winds of the sea are the ways of fate;
 As we voyage along through life,
    'Tis the set of a soul
     That decides its goal,
   And not the calm or the strife.
ある船は東に行き、別の船は西に行く
 吹いている風と全く同じに
   それが一組の帆であり
     風ではない
   それが行く先を告げてくれる
海の風のように運命の行方がある
 人生を旅していくように
   それが一組の魂であり
     それが行く先を決める
   静かでもなく争いでもなく
エラ・ウィーラー・ウィルコックスと自署



  1. ^ 幾つかの版では「勇敢で古き地球のためにその歓喜を借りなければならない」あるいは「悲しく古き地球のためにその歓喜を借りなければならない」となっている


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