まんこ 派生表現

まんこ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/31 09:38 UTC 版)

派生表現

「まんこ」またはその類義語に「-する」とつなげ、換喩によって「性交する」の意味で使う[16]

男性の運気を上昇させる女性のことを「あげまん」、逆に下降させる女性のことを「さげまん」と呼ぶが、この場合の「まん」は「めぐり合わせ、幸せ、運」を意味する言葉であり、まんこの略語ではない[17]。しかしながら、1990年に公開された映画「あげまん」によってこの言葉が広まると、わざと性的な意味に解釈させるようにもなった。

誰とでも気軽に性交を行なう女性に対して、「ヤリマン」ということがある。これは、性交するという意味の「やる」と「マンコ」を合わせた単語である。『性的なことば』によれば、従来用いられてきた「サセ子」と言う単語が、あくまで性行為をさせると言う受動的なものであるのに対し「ヤリマン」は、女性側が能動的・主体的に性行為に臨むと言うニュアンスを与える[1]。なお、同様の男性のことを「ヤリチン」という場合もある。

他の俗称

『日本俗語大辞典』は、「まんこ」の類語として「赤貝、赤門、奥の院、おまんこ、おまんたん、おめこ、毛饅(頭)、こうまん、肉壺、如来、秘花、ボックス、饅頭、蜜壺、やち」を挙げる[2]。『日本民俗・粋・洒落辞典』は「陥穽(おとしあな)、茶、富士山、へき」も女性器を表すとする[18]

『すごくエッチなゲームシナリオが書ける本』では、女性器の隠喩として、おまんまん、秘部、蜜穴、肉穴、割れ目、クレバス、女陰、大事なところ、前の穴、肉壁[19]が、また漫画『性教育120%』第1巻では、日本の各地による女性器の呼称の違いとして、アンペ、ほと、ヘノコ、マンジュー、オマン、サネ、オチョンチョン、オチンチン、チャンベ、カンノンサマ、オソソ、ボボ、イキミ、ヘヘ、ベベ、ベタ、ベッチョ、ペペ、カイ、ツビ、メメ、メコ、メンチョ、チャコ、ヤチ、ママ、オメサン、オメコ、モッチョー、ホー、ポー、ホーミ、ピィ、ヒー[20]が紹介されている。

NHK「シチズンラボ」のアンケート調査(期間:2021年12月-2022年8月、回答者:10歳から69歳までの男女1,201人)では、「あなたが子どものときに育った家庭では、女性の性器を何と呼んでいましたか?」という質問に対し、6割近く(58%)が「家庭で使う女性器の名前はなかった」と回答しており、男性器に全国共通の「おちんちん」といった呼び名があるのに対し、女性器には共通の呼び名がないことが示されている[21]。小貫によると、呼び名がない家庭では、「あそこ」「下」「前」「おしり」などの表現を使って説明しているという[21]。また同調査では、家庭で女性器に特定の「名前があった」と答えた3割余り(32%)の内、一番多かった回答は「おまた」ないし「また」で、全体の1割余り(12%)を占めており、この呼び方は近年増えているようである[21]

なお、小貫によると、女性器に共通の呼び名がないのは日本特有のことではなく、性に関して比較的に開かれた文化をもつオランダやスウェーデンを含め、多くの国で同様である[21]

脚注


注釈

  1. ^ この時に放送された映像によると、松本が「おまんこ」という用語を知らなかったのをいいことに、笑福亭鶴光が松本を唆して半ば無理矢理「おまんこ」と言わせているため、実際に非があるのは鶴光の方であり、松本は寧ろ無理矢理言わされた挙げ句に出入禁止処分にされた被害者であるといえる(松本を唆した鶴光には処分が下されていない)。

出典

  1. ^ a b c d 斎藤光, 井上章一, 澁谷知美, 三橋順子 編『性的なことば』講談社、2010年、32頁。ISBN 978-4-06-288034-3 
  2. ^ a b c 米川明彦『日本俗語大辞典』東京堂出版、2003年11月10日、136-137,610頁。ISBN 4-490-10638-6 
  3. ^ 道浦俊彦 (2000年5月26日). “ことばの話129「珍古島」”. 道浦俊彦の平成ことば事情. 讀賣テレビ放送株式会社. 2019年10月27日閲覧。
  4. ^ ろくでなし子(著者)『デコまん アソコ整形漫画家が奇妙なアートを作った理由』(電子書籍)電書バト。 
  5. ^ a b c 博学こだわり倶楽部(著者)『かなりHな雑学王200連発!』(電子書籍)河出書房新社、2007年8月10日。ISBN 9784309496603 
  6. ^ 落合直文(著)、芳賀矢一(改修)『日本大辞典 言泉』 第5巻、大倉書店、1921年、4386頁。 
  7. ^ 大言海 第四卷』富山房、1937年、223頁。doi:10.11501/1902821https://doi.org/10.11501/19028212022年8月16日閲覧 
  8. ^ 新村出 編『広辞苑第七版 た―ん』岩波書店、2018年1月12日、2788頁。ISBN 978-4-00-080132-4 
  9. ^ 松本明子、『四文字言葉事件』の真相を語る。「信頼取り戻したかった」”. Techinsight. テックインサイト株式会社 (2013年8月14日). 2019年10月27日閲覧。
  10. ^ 大槻文彦、大槻清彦『新編大言海』冨山房、1982年5月10日、1967頁。ISBN 4-572-00062-X 
  11. ^ 日本国語大辞典 第二版 編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編『日本国語大辞典 第二版』 第二巻、小学館、2001年2月20日、1376頁。ISBN 4-09-521002-8 
  12. ^ 増井金典『日本語源広辞典[増補版]』ミネルヴァ書房、2012年8月10日、171頁。 
  13. ^ 篠田達明「日本史有名人の健康診断(38) お万の方」『歴史読本』第43巻第6号、Kadokawa、1998年、289頁、doi:10.11501/7975595 
  14. ^ 小松奎文(編著)『いろの辞典』文芸社、2000年7月3日、790頁。ISBN 4-8355-0045-8 
  15. ^ 松本修「第2章「虎屋」の饅頭へのあこがれ」『全国マン・チン分布考』集英社インターナショナル〈インターナショナル新書〉、2018年10月30日、55-92頁。ISBN 978-4-7976-8030-0 
  16. ^ 松村明(監修)、小学館 大辞泉編集部 編『大辞泉【第二版】上巻 あ―す』小学館、2012年11月7日、565頁。ISBN 978-4-09-501213-1 
  17. ^ 久松潜一, 佐藤謙三 編『角川古語辞典 蔵書版』角川書店、1976年5月30日、1082頁。 
  18. ^ 中島智邦『日本民俗・粋・洒落辞典』日本ブックマネジメント、1989年9月27日、35,85,130,132頁。ISBN 4-89056-014-9 
  19. ^ 灰猫『すごくエッチなゲームシナリオが書ける本』総合科学出版、2012年8月25日、85頁。ISBN 978-4-8818-1825-1 
  20. ^ 田滝ききき(原作)ほとむら(作画)『性教育120% vol.1』KADOKAWAアスキー・メディアワークス、2020年2月14日、51頁。ISBN 978-4-0491-3001-0 
  21. ^ a b c d 生理についてどう学んだ?女性器をなんて呼ぶ? NHK みんなでプラス


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