いやいやながら医者にされ 評価

いやいやながら医者にされ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/29 08:49 UTC 版)

評価

モリエールは彼の傑作「人間嫌い」の上演を中断し、「いやいやながら医者にされ」を添え物として公演を再開した。これは極めて陽気で滑稽なファルスであり、素朴な民衆はこのような作品を必要としていたのである。(中略)「医者」は「人間嫌い」を支えた。それは人類に取って恥ずかしいことであるかもしれないが、しかし人類とはもともとそのようにできている。人々は教えられるためにではなく、笑うために劇場へ出かけていく。「人間嫌い」は聡明な人々のために書かれた賢者の作品であったが、その賢者は大衆を喜ばせるために、道化師に変装せざるを得なかったのである - ヴォルテール[15][16]
「力尽くで医者にされ」は素晴らしい傑作で、誰だってつい見たくなってしまう。世の中にこれほど面白く、人を笑わせる作品はなく、今こうしてペンをとっていても思わずおかしくなってきて、笑いがこみ上げてくるほどです。モリエールはこれを「ほんの下らないお慰み」と呼んでいますが、そこには機智が満ち溢れており、この作品に対する尊敬の念は今や疾病のようになって、パリじゅうの人たちが公演を見に駆けつけていると申さねばなりません。 - スブリニー(Adrien Thomas Perdou De Subligny)著 La Muse Dauphine より[17]

関連項目


  1. ^ 『いやいやながら医者にされ』 岩波文庫 鈴木力衛訳 1962年発行 P.103
  2. ^ 鈴木訳 P.108
  3. ^ 鈴木訳 P.95
  4. ^ 鈴木訳 P.90
  5. ^ 守銭奴』 岩波文庫 鈴木力衛訳 2006年発行 P.162
  6. ^ 鈴木訳 P.100
  7. ^ 発表された18世紀には広く信頼が置かれていたようであるが、19世紀になって研究が進むにつれ、書中の記述に様々な誤りが認められるようになった。モリエールの親友であったボワロー (Bolieau) が友人との書簡で不信を表明していたことも明らかとなり、その信憑性が大きく揺らぎ、研究者によって意見が割れることとなった。極めて毀誉褒貶の激しい書物である。
  8. ^ 鈴木訳 P.89-90
  9. ^ 鈴木訳 P98
  10. ^ 鈴木訳 P.100
  11. ^ 鈴木訳 P.104
  12. ^ 鈴木訳 P.104
  13. ^ 鈴木訳 P.104
  14. ^ 鈴木力衛は、題名について原題に最も忠実な川島訳を踏襲しようかと考えたが、“心ならずも”と言う文語的表現が若者に受け入れられるか不安だったので、“いやいやながら医者にされ”と言う邦題を付したとしている 『いやいやながら医者にされ』 岩波文庫 鈴木力衛訳 1962年発行 P.107~108
  15. ^ 鈴木訳 P.95
  16. ^ グリマレのモリエールの伝記の影響を多分に受けており、「医者が人間嫌いを支えた」など所々誤った記述がある。
  17. ^ 鈴木訳 P.98-9


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