α (カメラ) 概要

α (カメラ)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/22 02:30 UTC 版)

概要

1985年にミノルタが開発し、商品展開を行った。第一号はα-7000である。実質的に世界初のオートフォーカス(AF)機能を搭載したシステム一眼レフカメラであった。その後、ミノルタは2003年8月にコニカと経営統合し、コニカミノルタとなったが、カメラ事業が新会社『コニカミノルタ カメラ』に移行するとともにαブランドも新会社へ引き継がれた。

2005年、ソニーはαマウントを採用したデジタル一眼レフをコニカミノルタと共同開発するとの発表を行なった。ソニーは撮像素子を製造していることもあり、コニカミノルタの光学技術との融合が期待された[1]。またソニーはカール・ツアイスと協業しており、当時から「サイバーショット」シリーズのレンズをカール・ツァイスが設計・供給していた。

2006年1月、コニカミノルタは不採算事業のリストラを理由[2]にカメラ事業から撤退すると発表した。これに伴い、ソニーにカメラ開発に必要な技術、国内及びマレーシア工場の移管と約200人のカメラ技術者の異動が行なわれた。同時にコニカ・ミノルタ・コニカミノルタのカメラサポートをソニーが担当する[注釈 1]することになり、コニカミノルタのカメラ事業は幕を閉じた。

2010年6月、Eマウント規格を搭載したα NEXシリーズである、ミラーレス一眼カメラNEX-3及びNEX-5が発売された。2013年9月のα3000(日本未発売)の発売から、α NEXシリーズのカメラはαブランドに変更された。

2013年11月に、初のフルサイズミラーレスカメラであるα7とα7Rが発売された。

スポーツ写真の分野ではキヤノンニコンの一眼レフがシェアを二分していたが、2020年代ごろから多彩な機能を備えたαシリーズのプロ向けミラーレス一眼がシェアを伸ばしている[4]


脚注

  1. ^ ただし2010年4月以降はケンコー・トキナーへ移管された[3]。移管に伴い部品の再生産は終了し、部品在庫の払拭により修理不能モデルが発生したため、2022年11月15日をもって、サポートを終了した。
  2. ^ ファインダー内にLED等でフォーカス情報(前ピン、後ピン、合焦)を表示する機能
  3. ^ ニコンF3AFは巨大なファインダー+2本の専用交換レンズを使うことでオートフォーカス機能を使用できたが、内容は特殊カメラに近いものであった。
  4. ^ 電源の関係上他の機種では使用できない。
  5. ^ リーゼントヘッドと通称された。
  6. ^ 中央デュアルクロス9点12ラインからα-70用中央クロス9点8ライン。
  7. ^ 最高速が1/8000秒から1/4000秒に、連続撮影が4コマ/秒から3コマ/秒になっている。
  8. ^ イメージセンサーシフト式で、商標名は「アンチシェイク」。
  9. ^ 「αマウント」ではなく「Aマウント」と称していた理由は、海外では別ブランドで展開していた事情によるものと思われる。
  10. ^ ミノルタα-9はそれ以前に発売されているが、カスタムサービスで対応化改造が可能。
  11. ^ 対策としてはレンズフードを付ける、2段または3段分のND(減光)フィルターを使うなどがある。状況によっては、C-PL(円偏向)フィルターも有効である。
  12. ^ フォーサーズ各社、キヤノン、ニコンは超音波振動を使ってゴミ取り機構を実現させている。
  13. ^ ライブビューではないが、サブセンサーを使う他モデルと違いメインセンサーの映像を使ってシミュレートするため、プレビュー結果と実際の撮影結果はほぼ一致する。
  14. ^ LA-EA1とLA-EA2はファームウェアアップデートでオートフォーカスの駆動を実装した。
  15. ^ 初のフルサイズEマウント搭載機は正確には2012年にハンディカムブランドで発売したカムコーダの「NEX-VG900」となる。
  16. ^ 135STFはオートフォーカスは効かない。またマクロキーを備えたレンズでも焦点距離をマクロ側に移すとオートフォーカスが機能しない状態で本体のクラッチが切れていない状態になるため、手動でオートフォーカスを解除する必要がある。
  17. ^ SIGMA社は自社「OS機能」(Optical Stabilizar)搭載αマウントレンズの開発を試みたが、誤動作が頻発したため断念した。TAMRON社はレンズ内モーター製品同一品種ラインナップの中でαマウントのみモーター非搭載モデルを主にラインナップしている。TokinaやCosinaはシェアが低く売上の見込めないAマウントやPENTAX Kマウントから撤退している。
  18. ^ 最大の価格上昇(率)は、500mmF8レフレックスレンズの78,000円から98,000円の25.6%であり、多くは1~10数%程度の値上げがされている。ただし、DT18-70mmのように値上げしていないものもある。

出典

  1. ^ コニカミノルタフォトイメージング株式会社とソニー株式会社レンズ交換式デジタル一眼レフカメラの共同開発で合意[1]
  2. ^ カメラ事業、フォト事業の終了と今後の計画について(2006年1月19日)[2]
  3. ^ http://www.konicaminolta.jp/important/100212_01_01.html]
  4. ^ 五輪のカメラに異変 ミラーレスに脚光、「新興勢力」が存在感:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年8月8日閲覧。
  5. ^ 小倉磐夫 2001, p. 191.
  6. ^ 小倉磐夫 2001, p. 190.
  7. ^ a b 三浦康晶 2018, p. 416.
  8. ^ 三浦康晶 2018, p. 417.
  9. ^ カメラ事業、フォト事業の終了と今後の計画について | コニカミノルタ”. www.konicaminolta.jp. 2020年5月12日閲覧。
  10. ^ ソニー、技術者などコニカミノルタから約200人受け入れ”. dc.watch.impress.co.jp. 2020年5月12日閲覧。
  11. ^ 株式会社インプレス (2010年10月25日). “ソニーに訊く「トランスルーセント・ミラー・テクノロジー」の秘密”. デジカメ Watch. 2020年5月12日閲覧。
  12. ^ カメラの液晶画面にはどのような言語が表示できますか? (α:アルファ) | Sony JP”. knowledge.support.sony.jp. 2020年1月25日閲覧。
  13. ^ α900 取扱説明書132ページより。
  14. ^ Brian Smith (2014/3/6). Sony A7 / A7R: From Snapshots to Great Shots. Peachpit Press. pp. 286 
  15. ^ ソニーのデジタルイメージングの技術・商品 欧州で権威のある写真・映像関連の賞“TIPA”を受賞”. 2011年10月4日閲覧。
  16. ^ ソニー・トランスルーセントミラーの秘密に迫る――「α55」開発者インタビュー”. 2011年10月4日閲覧。
  17. ^ AF追随の毎秒10コマ連写! デジタル一眼「α55」に大反響――ヨドバシに聞く”. 2011年10月4日閲覧。
  18. ^ α68 A-mount Camera with APS-C sensor”. SONY UK (2015年11月5日). 2015年11月13日閲覧。
  19. ^ 株式会社インプレス (2011年2月8日). “ソニー、「Eマウント」の基本仕様を4月1日から無償開示 ~カールツァイス、コシナ、シグマ、タムロンが賛同”. デジカメ Watch. 2021年3月26日閲覧。
  20. ^ 株式会社インプレス (2018年12月17日). “キヤノン説明会で聞いた「ミラーレス大口径マウントのメリットと実例」 光を無理に曲げない→レンズの断面が美しい→高性能”. デジカメ Watch. 2020年6月22日閲覧。
  21. ^ 株式会社インプレス (2010年9月29日). “【フォトキナ】トランス・ルーセント・ミラーテクノロジーをさらに磨く ~ ソニー勝本徹事業本部長に訊く”. デジカメ Watch. 2020年6月25日閲覧。
  22. ^ 株式会社インプレス (2010年7月23日). “【インタビュー:ソニーNEXの「Eマウント戦略」 〜 PI & S事業本部 統括部長 手代木英彦氏に訊く”. デジカメ Watch. 2020年6月25日閲覧。
  23. ^ “「Eマウント」基本仕様開示への申請に関して”. SONY. https://support.d-imaging.sony.co.jp/www/e_mount/jp/detail.html 2020年6月25日閲覧。 
  24. ^ 株式会社インプレス (2010年7月23日). “インタビュー:ソニーNEXの「Eマウント戦略」 〜PI & S事業本部 統括部長 手代木英彦氏に訊く”. デジカメ Watch. 2020年5月12日閲覧。
  25. ^ . dpreview. (2013年8月27日). http://www.dpreview.com/articles/6964214821/sony-introduces-slr-esque-a3000-a-mirrorless-camera-for-400+2020年5月12日閲覧。 
  26. ^ . dpreview. (2014年3月24日). http://www.dpreview.com/articles/8708759482/sony-australia-releases-a3500-with-new-kit-lens+2020年5月12日閲覧。 
  27. ^ 世界最速 0.02秒のAFを実現する APS-Cセンサー搭載ミラーレス一眼カメラ『α6400』発売 - ソニー 2019年1月16日]”. 2019年1月16日閲覧。
  28. ^ a b ボディ内手ブレ補正や業界最大撮影枚数約720枚のバッテリーライフを小型ボディに凝縮AIを活用した最先端AF性能を搭載 APS-Cセンサー搭載ミラーレス一眼カメラ『α6600』発売~手軽に本格撮影を楽しめる『α6100』も併せて2機種発売~ - ソニー 2019年8月29日]”. 2019年8月30日閲覧。
  29. ^ a b ソニー、ボディ内手ブレ補正搭載のAPS-Cミラーレス「α6600」 - デジカメWatch 2019年8月29日]”. 2019年8月30日閲覧。
  30. ^ ソニー、「α7C」「α6600」を受注停止。「α7 II」「α6100」は生産完了に。部品供給の都合で
  31. ^ α(TM)シリーズ初のレンズ交換式Vlogカメラ『VLOGCAM(TM) ZV-E10』発売 | ニュースリリース | ソニー”. ソニー製品情報・ソニーストア. 2021年7月29日閲覧。
  32. ^ 世界初、35mmフルサイズイメージセンサー搭載ミラーレス一眼カメラ『α7』シリーズを発売 - ソニー プレスリリース 2013年10月16日
  33. ^ ソニーの最先端カメラ技術を凝縮した“フルサイズミラーレス”ベーシックモデル 一瞬を豊かな表現力で切り取る『α7 III』発売 - ソニー 2018年2月27日
  34. ^ Inc, Sony Marketing (Japan). “有効約3300万画素の新開発センサー搭載、静止画と動画の撮影性能などを一新したフルサイズミラーレス一眼カメラ『α7 IV』発売 | ニュースリリース | ソニー”. ソニー製品情報・ソニーストア. 2021年12月8日閲覧。
  35. ^ 世界初有効約6100万画素の新開発35mmフルサイズCMOSイメージセンサー搭載α™(Alpha™)史上最高の解像性能と階調性を実現 高性能AFで最高約10コマ/秒の高速連写が可能なフルサイズミラーレス一眼カメラ『α7R IV』発売 - ソニー 2019年7月17日”. 2019年8月31日閲覧。
  36. ^ Inc, Sony Marketing (Japan). “α7R V | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー”. ソニー製品情報・ソニーストア. 2022年12月1日閲覧。
  37. ^ Inc, Sony Marketing(Japan). “映像クリエイターの創造力を突き動かす フルサイズミラーレス一眼カメラ『α7S III』 発売”. ソニー製品情報. 2021年1月26日閲覧。
  38. ^ Inc, Sony Marketing(Japan). “世界最小・最軽量システムを実現するフルサイズミラーレス一眼カメラ『α7C』とズームレンズ発売”. ソニー製品情報. 2021年1月26日閲覧。
  39. ^ 「光を捉え続ける」革新的なシステムにより新次元の高速性能を実現 新たな撮影表現の可能性を広げる フルサイズミラーレス一眼カメラ 『α9』発売 - ソニー 2017年4月21日
  40. ^ 決定! カメラグランプリ2018
  41. ^ 進化した高速通信性能で、スポーツや報道のプロフェッショナルの撮影とワークフローを強力にサポート 革新的な高速撮影性能を備えるフルサイズミラーレス一眼カメラ『α9 II』発売 - ソニー 2019年10月4日”. 2019年10月4日閲覧。
  42. ^ Inc, Sony Marketing (Japan). “α9 III | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー”. ソニー製品情報・ソニーストア. 2023年11月17日閲覧。
  43. ^ Inc, Sony Marketing(Japan). “進化するプロの創造性に最先端技術で応える フルサイズミラーレス一眼カメラ 『α1』 発売”. ソニー製品情報. 2021年1月26日閲覧。
  44. ^ 株式会社インプレス (2023年5月8日). “新製品レビュー:ソニー VLOGCAM ZV-E1 ついにフルサイズセンサーを搭載 小型ボディにプロ機譲りの動画性能”. デジカメ Watch. 2023年11月30日閲覧。
  45. ^ Inc, Sony Marketing (Japan). “VLOGCAM ZV-E1 特長 : 直感的な撮影を実現する操作性能 | デジタル一眼カメラα(アルファ) | ソニー”. ソニー製品情報・ソニーストア. 2023年11月30日閲覧。
  46. ^ “突然の閉鎖、衝撃 ソニー美濃加茂、2400人の雇用深刻”. 岐阜新聞. http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20121020/201210201001_18379.shtml 
  47. ^ https://www.sony.jp/ichigan/lineup/a-lens.html
  48. ^ https://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/201506/15-0616/





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