V8エンジン時代 (2006年 - 2013年)
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「メルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズ」の記事における「V8エンジン時代 (2006年 - 2013年)」の解説
1990年代後半から2000年代前半にかけ、ダイムラークライスラーはイルモアへの資本参加の割合を徐々に高め、2005年には同社のF1部門だけを残して完全子会社化し、社名を「メルセデス・ベンツ・ハイパフォーマンス・エンジンズ」(HPE)に改めた。 2006年にF1ではエンジン形式をV型8気筒エンジンに限るという技術規則の改正があり、HPEはその開発と供給を引き続き手掛けた。翌2007年にルイス・ハミルトンがマクラーレン・メルセデスからデビューし、ハミルトンは2年目のシーズンとなる2008年に自身初となるドライバーズタイトルを獲得した。 2009年から、回生ブレーキによってエネルギーを回収する運動エネルギー回生システム(KERS)の搭載が許可された。HPEはザイテックのモジュールを利用することで同年から導入し、マクラーレンに供給したエンジンにKERSを搭載したが、システムの熟成に時間を要し、マクラーレン・メルセデスは苦戦を強いられることになる。この年からはマクラーレン以外のチームへのエンジン供給も開始し、フォース・インディアと、この年に設立された新チームのブラウンGPの2チームにエンジンを供給した。ブラウンGPはKERSを搭載しないことを選択し、同チームのBGP001は高い戦闘力を発揮してシーズン前半戦に優勝を重ね、ブラウン・メルセデスは参戦初年度でダブルタイトルを獲得するという、F1史上初となる快挙を達成した。 当初は苦戦していたマクラーレンでもシーズンが進むにつれてHPE製のKERSは強力な武器となっていき、7月末のハンガリーグランプリでマクラーレン・MP4-24(ドライバーはハミルトン)が優勝し、これは回生システム搭載車としてはF1史上初の勝利となった。 同年末にダイムラーはブラウンGPを買収して自社チームとしてメルセデスチームを創設し、翌2010年シーズンからフルワークスチームによる参戦を開始した。それに伴い、HPEは2011年にメルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)に改称された。 2010年にマレーシアの国営石油会社であるペトロナスがメルセデスチームのタイトルスポンサーとなり、同社の研究開発部門であるペトロナス・ルブリカンツ・インターナショナル(PLI)はエンジンオイルと燃料を供給することになった。HPPはPLIと共同開発を行い、2011年から同社製のエンジンオイルと燃料の使用を始めた。 エンジン供給先のチーム(年は供給した年) マクラーレン(2006年 - 2013年) ブラウンGP(2009年) フォース・インディア(2009年 - 2013年) メルセデス(2010年 - 2013年) 搭載チームの主な成績 コンストラクターズチャンピオン・1回 - ブラウンGP(2009年) ドライバーズワールドチャンピオン・1回 - ルイス・ハミルトン(2008年)
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