RC回路
RC回路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/11 19:16 UTC 版)
電気回路中を流れる電流というのは、実は荷電粒子(電子など)の移動によって現れる、 電荷の流れである。導体に電流iがt=0からt秒間に渡って流れたとき、 流れ込んで導体を通過した電荷の総量Qは q = ∫ 0 t i d t {\displaystyle q=\int _{0}^{t}idt} で与えられる。導体の間に誘電体を挟んだ場合(つまり、コンデンサの場合)、 誘電体中には移動できる自由電子が無いため、 流れ込んだ電流は誘電体の境界面で帯電する。 q = ∫ 0 t i d t + Q 0 {\displaystyle q=\int _{0}^{t}idt+Q_{0}} Q 0 {\displaystyle Q_{0}} はt=0で既に誘電体が帯びていた電荷である。 静電誘導によって反対側の境界面にも逆の極性の電荷が帯電するので、 誘電体を挟んで電位差vが生じる。複雑な形状をしていなければ、vはqに比例する。 比例定数をCとすると、 v = q C = 1 C ∫ 0 t i d t {\displaystyle v={\frac {q}{C}}={\frac {1}{C}}\int _{0}^{t}idt} である。 ここで、図のようなRC直列回路を考えて、 交流電圧Vを印加する。 初期状態におけるコンデンサCの電荷 Q 0 = 0 {\displaystyle Q_{0}=0} とすると、 t=0では、オームの法則に従って I 0 = V i n / R {\displaystyle I_{0}=V_{in}/R} が流れる。 これが、 コンデンサへ流れ込んでコンデンサに電荷qが蓄えられると、 コンデンサが逆起電力を生じるので、Vの抵抗Rへの分圧が低下し、 回路を流れる電流は小さくなる。 しかし、印加した交流電気の周波数fが十分に大きいならば、 この交流に対してCは短絡とみなせるので、 回路を流れる電流Iは常に I = V i n / R {\displaystyle I=V_{in}/R} で与えられる。 従って、このときに限り、 V C = 1 C ∫ 0 t I d t = 1 R C ∫ 0 t V i n d t {\displaystyle V_{C}={\frac {1}{C}}\int _{0}^{t}Idt={\frac {1}{RC}}\int _{0}^{t}V_{in}dt} である。つまり、RC回路の両端には入力Vの積分の波形をした電圧が現れる。
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