オバマケア
米国のオバマ政権による医療保険制度の改革に向けた取り組みの通称。医療保険への加入を義務づけるとともに、低所得者への医療費支援を行い、医療格差を是正しようとするもの。
従来、米国の医療制度は自由診療であり、医療費は基本的に高額である。任意で医療保険に加入することで医療費負担を軽減できるが、保険料も高額である。保険料が満足に支払えない低所得者は、保険にも加入できず、医療費も支払えないため、医療の恩恵を受けることができないというひずみが生じていた。
2010年3月にオバマ政権は医療保険改革法を成立させ、保険加入の義務化を実現した。保険に加入しない者には罰金が科されることになった。これに対して米国内の26の州政府は、罰則付きの保険加入の義務化は連邦政府の権限を越えており違憲であるとして、米国連邦政府を相手取り裁判所に提訴した。
2012年6月、連邦最高裁判所はオバマケアは合憲である旨の判決を下した。
ちなみに、オバマケア以前にも、65歳以上の高齢者や身体障害者に対しては「メディケイド」と呼ばれる救済措置が存在する。メディケイドの在り方、オバマケアがメディケイドに与える影響についても是非を巡る議論が交わされている。
関連サイト:
Entitled The Patient Protection and Affordable Care Act.
オバマ‐ケア【Obama-care】
読み方:おばまけあ
オバマ政権が推進する米国の包括的な医療保険制度改革。国民に保険加入を義務付け、保険料の支払いが困難な中・低所得者には補助金を支給することにより、保険加入率を94パーセント程度まで高める。
[補説] 米国には、公的医療保険制度として高齢者・障害者向けのメディケアと低所得者向けのメディケードがあるが、国民皆保険制度は採用していないため、一般の国民は民間の医療保険に加入する。しかし、保険料が高額なため国民の6人に一人が無保険者となっている。一方、技術の高度化等により医療費が増大し、深刻な社会問題となりつつあることから、オバマ政権は医療保険制度改革を内政の最重要課題に位置づけ、2010年3月に医療保険制度改革法を成立させた。
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