NSBMとブラックメタルシーン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/29 14:22 UTC 版)
「ナショナル・ソーシャリスト・ブラックメタル」の記事における「NSBMとブラックメタルシーン」の解説
Mattias Gardellによれば、NSBMバンドはブラックメタルシーンの中でもマイノリティであるとのこと。実際、数々の著名なブラックメタルミュージシャンからも拒否され、強く批判されてきた。 権威主義的、集産主義的な要素や”群集心理”などを有していることをナチズムとキリスト教の類似点として指摘するブラックメタラーもいる。このような思想は、多くのアーティストが持つ厭人的な考えと対立する。Benjamin Hedge Olsonは、シーン内でのナチズムの忌避は「"普遍的な人間愛”とか、憎悪の拒絶といった考え方とは何も関係がない」が、「憎悪の対象が具体的で限定的すぎるから」起きているとみている。NSBMバンドやレーベルをボイコットするブラックメタラーもいる一方で、音楽とミュージシャンの思想を分けて考えて、音楽にしか興味がないというものもいる。このような姿勢は、消極的ではあるがNSBMをサポートすることになっているとして、批判の的となることもある。売れてるメタル雑誌はNSBMバンドを無視する傾向にある 。Unheilige Allianzenという本は小規模であるが論争を提起し、Legacyという雑誌にNSBMレーベルの広告が掲載されるのを阻止した。ロック・ハードマガジンの読者の投稿欄でもDer rechte Rand im Black Metal(ブラックメタルの最右端)という記事に対して論争が巻き起こった。 著名なブラックメタルバンドであるDarkthroneは活動開始以来ノンポリのスタンスを貫き通している。ただし、Fenrizはかつてアンチ・アパルトヘイトのデモに参加したことで逮捕されたことがあり、「(政治のような)くだらないことに関わるのはさっぱりやめ」るようになる前に、「他人種に対して心底怒りを覚えるようになった時期」があったと吐露している。Craftのヨアキムは「ナショナル・ソーシャリズムが本物のブラックメタルのイデオロギーと混ざり合うようなことはないと思う。だが、それはレッテルの域を出ない。おれはただ、NSブラックメタルという名称は、音楽のジャンルを指す言葉としては不適切だと思ってるだけなんだ。」という。 NSBMバンドはマレーシアやメキシコなどの”非白人”の国にさえ存在する。 メキシコにはNS的なイデオロギーとアステカ神話を混ぜ合わせたミュージシャンが少数ながら存在する。Nican Tlacaのアー写にはネイティヴ・インディアンの衣装と輝くスヴァスティカを身につけた浅黒い肌の人物が写っている。彼らは歌詞をナワトル語で書いている。
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