CDC 7600 と 8600
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/26 14:27 UTC 版)
「コントロール・データ・コーポレーション」の記事における「CDC 7600 と 8600」の解説
IBMに勝利したのと同じ月に、CDCは新たなマシン CDC 7600 を発表した。クロック周波数を6600の約4倍とし(10MHz⇒36MHz)、システム全体としても4倍以上のスループットを実現している。 性能向上の決め手は命令パイプラインの採用であり、CPU内の各部がそれぞれ次々に命令を処理していくことで同時に複数命令を処理可能としている。そのため、1命令の処理時間が同じであっても、全体としてスループットが向上し、プログラムの実行時間が短縮される。 7600が登場した1969年はアメリカ国内の景気後退期だったため、市場での反応は芳しくなかった。またあまりに複雑な設計だったため、信頼性に問題を生じた。6000シリーズとも完全な互換性がなく、OSはほとんど新たに作られ、しかも基本的な機能しか備えていなかった。7600プロジェクトは採算は何とかとれたが、CDCの評判を落とす結果となった。 クレイはCDC 8600にとりかかった。8600 は基本的には 7600 を 4台、より小さな筐体に入れたものである。サイズを縮小して信号経路を短くすることにより 8600 はさらに高いクロック周波数で動作でき、高速なメモリと組み合わせることで性能を向上させるはずだった。しかし、8600は従来からの製造方法をとった。つまり部品を基板に半田付けしていた。半田付け箇所があまりに多かったため、一箇所が接触不良になっていてもマシンは動かず、結果として一度もちゃんと動作しなかった。クレイは設計のやり直しが必要だと決断した。
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