1993年 - 1996年 : NeXT Software
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「NeXT」の記事における「1993年 - 1996年 : NeXT Software」の解説
1992年、NeXTはIntel 486ベースのPC/AT互換機へのNeXTSTEPの移植を開始した。この移植はNeXTの事業戦略の変化に対応したものだった。1993年末までにこの移植が完了し、NeXTSTEP 486とも呼ばれるバージョン3.1がリリースされた。実はそのリリース前の1992年にクライスラーが3000本を購入する計画を持ちかけていた。NeXTSTEP 3.x は後にPA-RISC やSPARCベースのプラットフォームにも移植されており、結局4種類のバージョン(NeXTSTEP/NeXT、NeXTSTEP/Intel、NeXTSTEP/PA-RISC、NeXTSTEP/SPARC)が登場した。これら移植版はあまり広く使われることはなかったが、First Chicago NBD、スイス銀行コーポレイション、O'Connor and Companyなどといった組織がそのプログラミング環境に惹かれて採用した。アメリカ連邦政府機関でも広く使われており、Naval Research Laboratory、アメリカ国家安全保障局、国防高等研究計画局、中央情報局、アメリカ国家偵察局などが採用した。 NeXTは1993年にハードウェア事業から手を引き、社名をNeXT Software Incに変えた。そして540名いた従業員のうち300名を解雇した。NeXTはフリーモントの工場も含めてハードウェア事業をキヤノンに売却する交渉を行った。ハード関連事業を買い取ったキヤノンはFirepower Systems社を設立したが、最終的にはモトローラに売却した。PowerPCマシンの開発も含め、全てのハードウェアの製造がストップした。サン・マイクロシステムズのCEOスコット・マクネリは1993年、NeXT Softwareに1000万ドルを出資し、NeXTのソフトウェアをサンのシステムに将来採用する計画を発表した。NeXTはサンと共同でNeXTSTEPのカーネル部分を除いたOPENSTEPを開発した。また、NeXTは当初の事業計画に戻り、各種オペレーティングシステム向けに開発ツールキットを販売するようになった。新製品としては、Windows NT上で動作するOPENSTEPであるOpenStep Enterpriseなどがあった。また、大規模な動的Webアプリケーション構築用プラットフォームであるWebObjectsも開発した。WebObjectsにはデル、ディズニー、ワールドコム、BBCといった大手企業の顧客がついた。後にNeXTを買収したApple自身も iTunes Store , App Storeなど同社のサイトの多くでWebObjectsを使っている。
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