1620のアーキテクチャ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 20:53 UTC 版)
「IBM 1620」の記事における「1620のアーキテクチャ」の解説
可変ワード長の十進(BCD)コンピュータであり、メモリは20,000桁分から60,000桁分まで、20,000桁分ずつ拡張可能である。アドレスは十進5桁で表され、100,000桁分のアドレス指定が可能だが、60,000桁分以上のメモリを搭載したシステムは製造されなかった。 2桁分のメモリに一度にアクセスする(奇数番目と偶数番目の数字のペア、または1文字の英数字として扱われる)。各数字は6ビットで表され、奇数パリティの Check ビット、フラグ Flag ビット、BCDビット 4ビットがあり、以下のようなフォーマットで並んでいる: C F 8 4 2 1 Fビットは以下のように使われる: 数値の最下位桁でセットされた場合、負の数値であることを示す符号ビットとなる。(符号付数値表現) 数値の最上位桁でセットされ、ワードの開始を示す。(ワードマーク) アドレスの最下位桁でセットされた場合、間接アドレス指定であることを示す。(アドレッシングモード) アドレスの中間3桁のFビットで7本のインデックスレジスタの指定をする。(1620 II の場合) BCDビット群は通常の数字を示す以外に3種類の特殊な値がある(これらは計算には使えない): C F 8 4 2 1 1 0 1 0 - レコードマーク(レコード右端を示す) 1 1 0 0 - 数字的空白(Numeric Blank、パンチカードで何もパンチされていない状態に相当) 1 1 1 1 - グループマーク(ディスク入出力用のレコード群の右端を示す値) 命令は固定長(12桁)で、2桁の命令コード、5桁の "Pアドレス"(通常は結果格納先を示す)、5桁の "Qアドレス"(通常は演算の引数を示し、即値のこともある)から構成される。分岐命令などでは、Pアドレスしか使わない。 固定小数点数データ「ワード」は、メモリの許す限り2桁から任意の長さまで使用可能である。 浮動小数点数データ「ワード」は、ハードウェアのオプションが必要だが、4桁から102桁まで可能である(仮数部が2から100桁、指数部が2桁)。 このマシンはプログラムが使用可能なレジスタを持たない。全ての命令はメモリからメモリへの操作である。
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