電子濃度による固溶限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/12/05 05:57 UTC 版)
「ヒューム‐ロザリーの法則」の記事における「電子濃度による固溶限」の解説
合金成分元素について、価電子の総数e と総原子数a の比e /a 、すなわち電子濃度の値と固溶限(合金として溶け込む限界)に関する法則である。 例として、1価の主成分金属にz価数の合金成分元素を濃度cまで加えると、伝導体中の電子数は、原子1個あたり となる。 そして、合金成分元素はe /a = 1.4 程度の電子濃度まで固溶できる。つまり、主成分金属に対して、合金成分元素の価数が上がるにつれて、固溶限が小さくなる。 e /a = 1.4 という電子濃度に相当する合金成分元素の固溶限の原子%は、2価金属ならば40at%、3価金属ならば20at%、4価金属ならば13.3at%、5価金属ならば10at%となる。 この理由は、電子濃度が1.4程度までは、固溶体の自由エネルギーが低く、1.4を超えると固溶体の自由エネルギーが急激に高くなる。そして、1.4を超えると2相の方が自由エネルギーが低くなり、固溶体を維持できなくなることによる。
※この「電子濃度による固溶限」の解説は、「ヒューム‐ロザリーの法則」の解説の一部です。
「電子濃度による固溶限」を含む「ヒューム‐ロザリーの法則」の記事については、「ヒューム‐ロザリーの法則」の概要を参照ください。
- 電子濃度による固溶限のページへのリンク