阪神タイガースを公然と応援
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 04:52 UTC 版)
「おはようパーソナリティ中村鋭一です」の記事における「阪神タイガースを公然と応援」の解説
当番組の放送を始めた頃の朝日放送ラジオのプロ野球中継では、阪神タイガースの公式戦を中心に据えながらも、読売ジャイアンツ(巨人)や関西地方に本拠地を置くパシフィック・リーグの球団(主に近鉄バファローズ)の公式戦も随時放送。放送業界全体でも、「不偏不党」という原則が、スポーツ関連番組の編成や放送にまで徹底されていた。しかし、中村が阪神タイガースの熱烈なファンであることから、当番組では開始当初から阪神を応援する姿勢を明言。阪神がセントラル・リーグの公式戦で勝利した翌日の生放送で、中村が球団歌の『阪神タイガースの歌(六甲おろし)』を熱唱したことをきっかけに、阪神ファンのリスナーから絶大な人気を博した。ラジオ中継の実況を収録した音源から阪神が勝った試合のハイライトシーンを放送したり、阪神が読売ジャイアンツ(巨人)戦に勝利した翌日の放送で軍歌の『凱旋』を歌ったりするなど、応援は次第にヒートアップ。放送開始翌年の1972年に、テイチクレコードから中村の歌唱・朝日ミュージックサービス(現在のAMC)製作で『阪神タイガースの歌』のレコードを発売したところ、関西地方を中心に40万枚を超える売上を記録した。現在一般に広く知られている「六甲おろし」という通称は、このレコードの発表に際して、1番の歌詞の最初のフレーズ(「六甲颪」)を基に中村が考案したとされる。 また、「鋭ちゃんと一緒に阪神を応援しよう」という企画で、3000名のリスナーを阪神の本拠地・阪神甲子園球場に招待。招待したリスナーに小旗やメガホンを無料で配りながらの観戦で、リスナーとの親交を深めた。中村は、後年のインタビューで、「(野球の応援に)集団でメガホンを使うのはあそこ(前述の企画)からやと思います」と述べている。 1973年には、中村がプロ野球シーズン開幕前の生放送で、「阪神がセントラル・リーグで優勝しなければ頭を丸刈りにする」と公約。阪神は当時8連覇中だった巨人との間で激しい優勝争いを展開したが、10月22日に甲子園球場で催された直接対決によるシーズン最終戦で、巨人に0 - 9のスコアで敗れて優勝を逃した。そこで、当番組ではシーズン終了後の生放送で、中村の公開断髪式を盛大に断行。公約通り丸刈りになった中村が、阪神の優勝を求める嘆願書を携えながら、当時大阪市北区梅田にあった阪神の球団事務所へリスナーと共に押し掛ける事態にまで発展した。 ちなみに、前述した最終戦では、朝日放送・読売テレビ・サンテレビがテレビで同時生中継を実施していた。しかし、阪神の大敗に怒ったファンの一部が、巨人と関係の深い読売テレビの放送席や中継機材を試合終了後に破壊するという暴挙に及んだ。朝日放送の中継には中村もゲストで出演していたが、当番組のリスナーと思われるファンが「ここは鋭ちゃんのとこ(朝日放送のテレビ放送席)やから勘弁したれ」と叫んだことから、読売テレビのような難を逃れている。また、同時に中継していたサンテレビの放送席も、「サンテレビは俺ら(阪神ファン)の味方や!手を出すな!」というファンの一声で難を逃れた(阪神タイガース#伝統の一戦の世紀の落球とV9も参照)。
※この「阪神タイガースを公然と応援」の解説は、「おはようパーソナリティ中村鋭一です」の解説の一部です。
「阪神タイガースを公然と応援」を含む「おはようパーソナリティ中村鋭一です」の記事については、「おはようパーソナリティ中村鋭一です」の概要を参照ください。
- 阪神タイガースを公然と応援のページへのリンク