鉄道貨物における課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 02:04 UTC 版)
「モーダルシフト」の記事における「鉄道貨物における課題」の解説
交通渋滞の悪化に繋がり環境負荷も高いが柔軟な輸送対応が可能で多くの場合において速達性に優れるトラック輸送、速達性は低いが大量輸送とコストに優れ環境負荷も低い内航貨物船、とはっきりした利点と欠点があり棲み分けが行われている両者に比べると、その両者の中間に位置する鉄道貨物には制限が多い。 東海道本線・山陽本線など貨物需要の多い路線では旅客列車の需要も大きく路線が混雑していることに加え、昭和59年以降の合理化で貨物輸送用の側線などの地上設備を撤去した駅も少なくないため貨物列車の増発には更なる設備投資が必要になる。しかも、設備の多くは旅客鉄道会社が保有していることが多く、アボイダブルコストの問題から多くの旅客鉄道会社は設備投資に慎重になっている。 鉄道は迂回運転が困難なことから道路輸送に比べ天候や自然災害の影響を受けやすい(冬季の北海道など例外もある)。また自然災害が原因で路線が運休になった場合に輸送自体がストップする。トラック輸送は豊富な道路上の迂回ルートが利用でき、内航路貨物船には悪天候による一時的な運休はあっても長期に渡って途絶する心配はない(津軽海峡など例外もある)。 日本の鉄道貨物のコンテナ貨車は海上輸送用コンテナを輸送できないわけではないが、20m級のコンテナ貨車(コキ100系列など)では、40フィート海上コンテナを1個しか積めず、輸送力に無駄が生じる。一方、海上コンテナ1個分に合わせた貨車(コキ200など)も存在するが、車体長が短い分、輸送力を確保しようとすると、必然的に増結が必要=線路使用料の増大を招くことになる。 日本では整備新幹線の開業に伴う並行在来線の経営分離で、今後線路使用料の負担が増えていくことが予想される。
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