重賞の格付けについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/24 03:38 UTC 版)
「日本グレード格付け管理委員会」の記事における「重賞の格付けについて」の解説
中央競馬に関しては、既存の重賞については国際互換のあるGグレードを採用し、新設の重賞については原則として最低2年間はグレード格を付けない「新設重賞」の扱いとして開催する。なお、みやこステークスは、「日本グレード格付け管理要綱」が定める格付け基準を満たしているため、第1回からGIIIに格付けされている。また重賞指定3年目以後であっても、国際グレード格付けに必要な直近3年間の各年度ごとと平均のそれぞれのレースレーティングの基準を満たしていなかった場合には格付けを認められない場合や、格付けの降格審査対象となりうる。 2018年の新設から格付なしの重賞として行われていた葵ステークスは、JRAが2021年にGIIIへの格付けを申請したが、カテゴリーである3歳馬のGIII基準レーティングは105点であるのに対し、2020年度のレーティングが104.50点と基準値を下回っていたため、申請していた2021年のGIIIへの昇格が認められなかった。JRAが2022年に再度GIIIへの格付けを申請し、2021年度のレーティングが107.50点となり平均基準値を上回ったことで、2022年よりGIIIの格付け承認を得ている。 ニュージーランドトロフィーは、2019年以降3年連続で3歳GII競走の基準値である110.00点から3ポンドを超えて下回った(2019年:106.75、2020年:106.50、2021年:103.50)。本来であれば2022年については、日本グレード格付管理委員会またはアジアパターン委員会による降格審査の対象となるが、2022年はアジアパターン委員会が定めた「新型コロナウイルスに関する特例」により前年の数値が「適用除外」となったため「格付けに対する警告」に留まった。JRAの重賞競走で「格付けの警告」を受ける初のケースであり、2022年のレーティングが格付基準値を3ポンドを超えて下回った場合は、2023年において降格審査対象となる。 また地方競馬における統一ダートグレード競走についての格付けはNARと有識者らによる「ダート競走振興会議」による審議により行われる(地方競馬の場合は東京大賞典を除き国際競走ではないので、「(新設)重賞」以外の競走は従来に引き続き「Jpnグレード」を採用)。この場合でも統一ダートグレードの格付けについては同条件かそれに準じる競走の重賞格上げを除いた新設競走については最低2年間はグレード格を付けない「新設重賞」扱いとする。 なお、2019年から中央競馬のオープン特別競走のうち、生産の指標において重要になりうるとされる、準重賞競走についても、当委員会の審査により、リステッド競走(L格付け)に指定する。ただし、リステッド格付けの指定基準となる「レースレーティング100(2歳限定戦、および牝馬限定戦は95)以上の競走」であっても、出走馬の質を高める観点から、あえてリステッド格付け指定外となっているレースは多くある。 次年度の格付けについては、中央競馬が暦年制(1月開始)、地方競馬が会計年度制(4月開始)と開始時期が異なるため、まず中央競馬の翌年度の日程が確定する10月下旬か、11月初めを待って、ダートグレードの翌年度の暫定格付けを行う。中央の翌年度の全競走と、地方競馬に関しては1 - 3月分まではグレードが確定するが、地方競馬に関しては4 - 12月については格付けが未定であることから、当該年度の4 - 12月に行われた(あるいは今後行われる予定である)重賞競走と同じ(またはそれに準じる条件の)競走を暫定的に格付けする。 その後、地方競馬の開催スケジュール上の閉幕時期にあたる3月に、4 - 12月のダートグレードを確定させると共に、更にその翌年の1 - 3月の暫定格付けを行う。この場合も、中央競馬の日程が未定であることから、この期間に行われた重賞競走と同じ(またはそれに準じる条件の)競走を対象に暫定的な格付けを行う。
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