遺伝子量補償
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/22 05:49 UTC 版)
遺伝子量補償(いでんしりょうほしょう、dosage compensation)とは、性染色体上にコードされている遺伝子の発現量が雄と雌の間で同じになるように調節されていること。遺伝子量補正ともいう。
- ^ Lucchesi JC, Kelly WG, Panning B (2005). “Chromatin remodeling in dosage compensation”. Annu Rev Genet 39: 615-651. PMID 16285873 .
- ^ Meyer BJ (2010). “Targeting X chromosomes for repression”. Curr Opin Genet Dev 20 (2): 179-189. PMID 20381335.
- 1 遺伝子量補償とは
- 2 遺伝子量補償の概要
遺伝子量補償
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/21 16:28 UTC 版)
「ナンセンス変異依存mRNA分解機構」の記事における「遺伝子量補償」の解説
NMDが哺乳類のX染色体における遺伝子量補償機構にも寄与するという根拠が存在する。ヒトやキイロショウジョウバエといった二形性染色体をもつ高等真核生物では、雌性が2本のX染色体を持つのに対し、雄性は1つのX染色体を持つ。これらの生物では雌雄間で性染色体の数に違いがあり、二性間に生じる「X染色体/常染色体比」に対する量的補償機構を持っている。このような生物ゲノム全体に対しての調査により、X染色体関連遺伝子よりも常染色体遺伝子のほうがNMDの対象になりやすいということが明らかになっている。これはNMDがX染色体由来の遺伝子に対しては抑制されることで実現される。結果、常染色体の遺伝子発現量が10〜15%減少し、X染色体と常染色体の間で遺伝子発現量のバランスが取られている。NMDの経路はより量の多い遺伝子、あるいはX染色体関連遺伝子よりも常染色体遺伝子の発現量を減少させる傾向がある。結論として、種々の研究データは選択的スプライシングとNMDは遺伝子発現量の調整のための普遍的な手段であることを示している。
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遺伝子量補償
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 04:42 UTC 版)
X不活性化は、X染色体と常染色体を均等に発現させる遺伝子量補償機構において重要な役割を果たしている。生物種によって遺伝子量補償の方法は異なるが、いずれの方法も雌雄いずれかのX染色体を調節することが関与している。 一方のX染色体を不活性化する遺伝子量補償には、Tsixアンチセンス遺伝子、DNAメチル化、DNAアセチル化などがあるX不活性化の明確なメカニズムはまだよくわかっていない。一方のX染色体が不活性化されていなかったり、部分的に発現していたりすると、X染色体が過剰に発現してしまい、場合によっては致命的になる可能性がある。 ターナー症候群は、遺伝子量補償がX染色体を均等に発現しない場合の一例で、女性ではX染色体の1本が欠損していたり、異常があったりして、身体的な異常をきたし、また、X染色体の1本の欠損や異常によって女性の性腺機能障害が発生する。ターナー症候群は、モノソミーX(X染色体が1本の意)とも呼ばれている。
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