選挙法改革と「共に市民党」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 15:59 UTC 版)
「共に民主党」の記事における「選挙法改革と「共に市民党」」の解説
予てから文在寅政権と共に民主党は、民主化の進展を目指すにあたって公職選挙法(朝鮮語版)の改革を検察制度改革と並ぶ「ファスト・トラック」(優先審査法案)に位置付けており、対する右派の自由韓国党は革新勢力による「左派独裁の陰謀」として反対姿勢を取っていた。共に民主党は当時の国会で少数与党だったことから正義党、民主平和党、正しい未来党の3党からも支持を取り付けて可決を目指し、一方の自由韓国党は国会議事堂を一部占拠して抵抗した。だが、「民主主義の擁護」を主張しながら直接行動に訴える手法への支持は広がらなかった。その後、検察改革を主導する曹国び法務部長官を巡って政争(曺国事態)が起きると、自由韓国党は再び選挙法改革についても反対運動を活発化させ、採決を阻止する為に右派団体と国会議事堂前を占拠するなどの行動を行った。だが、2019年12月27日に公選法改正案が賛成多数で可決され、新制度は第21代総選挙から導入される見込みとなった。 選挙法改正によって、比例代表には「準連動型比例代表制」と称される新制度が導入された。新制度では、比例代表47議席のうち30議席が「連動型比例代表制」(連動率50%)によって配分され、残る17議席が従来通り政党得票率のみに基づいて配分される(詳細)。議席配分の計算式上、「準連動型比例代表制」の導入は少数政党に有利と見方が多く、多党制による議会政治が定着すると期待された。だが一方で、主要政党が衛星政党を用意する事で小政党の議席を影響下に置き、結果的に大政党中心の議会になるとの懸念も法改正の時点で持たれていた。 新制度に対する懸念は、公選法改正案に反対していた自由韓国党が比例選挙に向けて「比例自由韓国党」を分党する構想を発表して現実化した。2020年2月5日、「比例自由韓国党」は党名を「未来韓国党」に改めた上で分党され、自由韓国党が幾つかの小政党と合流して「未来統合党」を結党すると未来統合党の衛星政党となった。左派・革新系の政治団体やメディアからは形振り構わない右派政党への批判が行われ、共に民主党は泥仕合に応じない事が期待されていた。しかし共に民主党内でも政治的理想より現実的な選挙に対する懸念が徐々に広がり、比例代表に特化した政党の樹立が模索された。一時は分党ではなく民生党や緑色党など小政党との連立も模索されたが、3月17日に 文在寅大統領を支持するプラットフォーム政党「市民のために」を母体に協力政党の設立を開始した。 3月18日、「市民のために」が新たに党名を「共に市民党」に変更、比例候補に擁立された34名中20名が「共に民主党」から参加した。「共に市民党」の結党によって正義党や緑色党といった左派・革新系の小政党は存在感を失い、支持率が急落した。これまで検察改革や選挙法改革を支持してきた左派系メディアからは改革を自ら無力化したと批判の声が起きた。しかし国民の間では依然として文政権と共に民主党が高支持率を維持し、対抗戦術を取った事で選挙戦を有利に進めることができた。
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