適応的
適応的
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/04 04:02 UTC 版)
適応免疫応答(英: adaptive immune response)は、身体の第二の防衛線である。適応免疫系の細胞は非常に特異的である。なぜなら、B細胞とT細胞は初期の発達段階で、特定の抗原のみに特異的な抗原受容体を発達させるからである。これは、B細胞とT細胞の活性化にとって極めて重要なことである。B細胞およびT細胞は非常に危険な細胞であり、厳密な活性化プロセスを経ずに攻撃することができれば、欠陥のあるB細胞またはT細胞は宿主自身の健康な細胞を駆除し始める可能性がある。ナイーブヘルパーT細胞の活性化は、抗原提示細胞(APC)が細胞表面のMHCクラスII分子を介して外来抗原を提示するときに起こる。これらのAPCは、MHCクラスIIだけでなく、ヘルパーT細胞上の共刺激受容体によって認識される共刺激リガンドを特別に備えている樹状細胞、B細胞、およびマクロファージが含まれる。共刺激分子がなければ、適応免疫応答は非効率的であり、T細胞はアレルギー性になる。いくつかのT細胞サブグループは、プロフェッショナルなAPCによって活性化することができ、各T細胞はそれぞれの固有の微生物病原体に対処するために特別に装備されている。活性化されたT細胞のタイプと生成される応答のタイプは、APCが最初に抗原に遭遇した状況に部分的に依存する。ヘルパーT細胞が活性化されると、リンパ節内のナイーブB細胞を活性化することができる。しかし、B細胞の活性化は2段階のプロセスである。まず、特定のB細胞に特異的なIgM抗体とIgD抗体であるB細胞受容体は、抗原に結合しなければならず、その結果、抗原がB細胞のMHCクラスII分子上に提示されるように内部処理が行われる。これが起こると、MHCに結合した抗原を識別できるTヘルパー細胞がその共刺激分子と相互作用し、B細胞を活性化する。その結果、B細胞は形質細胞となり、侵入者に対してオプソニンとして作用する抗体を分泌するようになる。 適応免疫応答の特異性は、すべてのB細胞とT細胞が異なるという事実によるものである。このようにして、あらゆる種類の侵略者を認識し、攻撃する準備ができている細胞の多様な共同体が存在している。しかし、そのトレードオフは、適応免疫応答は、その細胞が非常に特異的であり、実際に活動する前に活性化が必要であるため、体の自然免疫応答よりもはるかに遅いということである。特異性に加えて、適応免疫応答は免疫学的記憶としても知られている。抗原に遭遇した後、免疫系はメモリーT細胞やメモリーB細胞を産生し、これによって生物が再び同じ抗原に遭遇した場合に、より迅速で強固な免疫応答が可能になる。
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