農事暦としての雪形
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 22:27 UTC 版)
雪形の多くは、農事暦、自然暦として、田畑の仕事や漁を行う時期の目安に用いられてきた。季節が移るに従い、雪形は姿をどんどん変えていく。この形になれば田植を行い、この形になれば豆を蒔き、など、農民は農作業の目安にした。吾妻小富士の雪うさぎは地元では「種まきうさぎ」とも呼ばれているのがその例である。 残雪量は積雪量や気温に左右され、その後の用水の多寡にも反映されるため、天候や災害の予測、豊凶占いにも用いられた。積雪量が少なく雪形が早く消えた年は水不足が懸念され、またいつまでも消え残る年は冷害が予見される。 北海道石狩市愛冠岬の「馬雪」はかつてニシン漁を終わりを告げる暦として漁業者に利用されたことが伝えられている。 古来の雪形は「農業形態の進歩」と「気象観測の発達整備」に農事暦としての役割を失いつつあるが、代わって「古文化財」として「新しい時代の観光資源の一つ」として人々の関心を集めている。
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